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【松室政哉 密着レポート!】レコーディング合宿編 page.1

【松室政哉 密着レポート!】レコーディング合宿編 page.1

November 26, 2015 18:00

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「松室のレコーディング合宿に来ませんか?」



合宿の数週間前、オフィスオーガスタのプロデューサー半田悠氏から、松室政哉のレコーディング合宿密着取材の提案を受けた。 2014年、2015年と2年連続でオフィスオーガスタ主催の【Augusta Camp】にオープニングアクトとして出演した松室政哉。”BRAND REUSE NANBOYA”のCMソングにも起用された「オレンジ」には、何度目線をテレビ画面に引き戻されたかしれない。繊細な歌声と、聴き手の想像余白を残すメロディセンスを持つ松室政哉はどういうアーティストなのか?すでに大きな関心と興味があった為、私はこの申し出を有り難く受け、 11月12日(木)〜11月19日(木)までのレコーディング合宿期間中、初日と2日目のレコーディングに同行することになった。



11月12日(木)9:30、晴れ。ギターや機材を積んだ車が都内を離れると約2時間後、今回レコーディング合宿を行う神奈川県藤沢市のスタジオに到着。車中の松室は、今回レコーディングに参加するベーシストの植松慎之介と時折音楽話で盛り上がるも、スタジオに到着する頃には、若干緊張しているようにも見えた。

今回、サポートメンバーも興味深い。河村”カースケ"智康(Dr)、 種子田健(Ba)、山口寛雄(Ba)、 あらきゆうこ(Dr)などのベテラン勢から、 閃光ライオットに出演した10代の頃から面識のあるオカモトコウキ(Eg / OKAMOTO’S)、岡本啓佑(Dr / 黒猫チェルシー)などの若手まで、実に多彩な顔ぶれだ。

エンジニアの、いまぜきくにひろ氏と、スタジオのレコーディングエンジニア日比康貴氏に挨拶。松室は自身のPCで音源チェックや、植松と共にレコーディングの工程表を作成するも「字が下手だ!」と笑い合い、まだまだリラックスムード。これから始まるレコーディングについて松室は「楽しみと緊張は半々。でもやっていくうちに楽しさが上回っていく気がする。」と語った。

程なくして、河村”カースケ"智康氏(Dr)と種子田健氏(Bs)がスタジオ入り。15日には自身もドラムを担当する相川雄太も、カースケのアシスタントとして手際よくセッティングをこなし、コントロールルームにドラムやベースが響いてくると、松室の表情からも緊張感が伝わってくる。

20151126_1028.jpg写真:カースケのリハーサル風景を撮影。

松室、カースケ、種子田がそれぞれのブースに入り、1曲目のレコーディングがスタート。

コントロールルームへ戻ると、録りたての音源をチェック。サウンドイメージを種子田と擦り合わせする中、カースケは「“それ、違うよ。”っていうところがあったら言ってね。」と冗談めかしの笑顔を見せるが、松室は「多分言えないです(笑)。」と笑う。

正直、新人の松室が、キャリアを積んだミュージシャン達へイメージを伝え、時にはやり直しをお願いすることがスムーズに出来るのか気になっていたが、その質問に対し松室は「パワーはいります(笑)。」と再び笑い、「でも皆さんに伝えないと分からないことだし、松室の曲を演奏してくれているわけだから、他の誰でもなく僕が言わないと。慣れですね。」と、自分が成すべきことを見据え「来てもらったミュージシャンの方々に、この曲はどういう方向性なのかがちゃんと伝わるようなデモ音源を作ろうと思ったんです。“この曲はこの人に演奏してもらいたい”と思って来て頂いているので、正直その曲に関してはミュージシャンの方にも好きになって欲しいです。レコーディング当日の僕は純粋にその人たちのファンとしているという感じ。」と語ってくれた。

「ではよろしくお願いします!」

松室の合図で、再びカースケと種子田が録音を始めると、松室はコントロールルームで2人のリズムと自分の歌声、すべてのハーモニーに全神経を集中させる。カースケ、種子田共、どのテイクが良いかを小節ごとに何度となく聴き直しながらリテイクを重ねていった。この作業はどのミュージシャンでも行われたことだが、当たり前ながらプロの仕事だ。少しのモタリや音のぶつかり合いで生まれる要らぬ音を聴き分け、サウンドや歌声、歌詞が引き立つ世界観に一番合うと思えるリズムやリフを作り出す。たとえ松室がOKを出したとしても、彼らの経験値で更に楽曲が向上することを知っていれば、リテイクが繰り返される。

20151126_1070.jpg写真:録り終えたテイクを聴き返しながらのミーティング。

昼食のサンドウィッチを片手に、松室は現実の音と自分のイメージを行き来しながら「自分が考えているイメージの、更に上をいくプレイを見せてくれる人達。本当に凄いですよね。」と目を輝かせた。種子田にその話をすると「そうじゃないと僕らスタジオミュージシャンは存在する意味がありません。」とシビアな言葉が返ってきた。

しかしすぐに穏やかな表情を浮かべ「 アーティストさんが狙っている世界観をまず掴む。プラス自分が良いと思ったことをやってみる。メロディや歌詞の世界で、一番言いたいことはどこに向かっているんだろうという部分がズレていると成り立たないので、ちょっとやり過ぎくらいが良いのかな。まぁ僕の場合はそれが多いですが(笑)。 そうやって世界観を広げることは大切ですし、“何か物足りない”とか、“上手だけどデモの方が良い”って言われると終わりじゃないですか。多少うねったりズレたりしていても、そこに意義があるんです。」と、プロだからこその言葉を続けた。一緒に仕事をするのは今回が初の種子田。デモ音源を受け取った時から楽しみにしていたらしく、本人のマインドも良かったので楽しくレコーディングが出来たと語る。松室の印象については「すごく才能があると思います。2014年のAugusta Campで初めて観た時に“凄いな。”と思いましたし。勿論バンドも素晴らしかったんですが、曲と歌が凄くて。先輩に負けずに頑張って欲しいです。」と、再び穏やかな暖かい笑顔を浮かべた。

休憩中は、カレー好きの種子田が火付け役となり、美味しいカレー屋の話で盛り上がったり、ファンクラブに入る程サザンオールスターズが好きな松室はカースケとサザンの話を熱く語り合ったりしている。

20151126_1098_2.jpg写真:左/カースケとカレー話をする種子田。右/松室、カースケとのサザンオールスターズの話に熱を帯びる。

今迄、様々なミュージシャンの取材をする中で、最高だと思える音源の裏側には必ずと言って良い程、レコーディング現場の空気が良かったエピソードが存在したことを思い出す。

2曲目を収録し終わる頃、山口寛雄(Ba)がスタジオ入り。3曲目のデモ音源を聴きながらカースケと山口が楽譜にペンを走らせている。

「(山口の)演奏を聴いてから帰ろうかな。」と言う種子田に「やめて下さいよー。」と大柄な身体を丸めながら苦笑いする山口は、カースケと同じブースでベースをうならせる。発言通り山口のプレイを真剣な表情で見ている種子田の隣で、ひとまず仮ヴォーカル録りを終えた松室は、パンチインで細かく変わる山口のリフ構築と楽曲のイメージを摺り合わせ「最高です!」とレコーディングブースへ繋がる音声ボタンを押した。

20151126_1196.jpg写真:只今、夕食中。

19時を少し過ぎた頃に夕食。美味しいと評判のご飯はみんなの顔を緩ませる。山口は翌日もレコーディングがあるも、別仕事の締切を抱えている為、宿泊せずに東京へ戻り、4曲目のレコーディングは植松のベース録りで再開。

22時過ぎ、この日のレコーディングはすべて終了。

2階の宿泊部屋へ移動すると、私はこの日録った180枚近くの写真を一気にPCヘ流し込み、先程までのレコーディング風景や音を、写真によって再び蘇らせていた。そこから宿泊組は食堂エリアで呑むことに。酒のつまみはもっぱら音楽話。好きな楽曲、ルーツミュージック、この日のレコーディングについてや、12月4日の松室ワンマンライヴの構成案、将来のビジョン等々。そこへ松室が大好きな映画の話が時折入ると話は尽きない。ここでは記すのをためらう位の時間になり(笑)、就寝。

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Matsumuro Seiya LIVE 2015
-Trailer-


2015年12月4日(金)
青山・月見ル君想フ(http://www.moonromantic.com/
開場 18:00 / 開演 19:00
前売¥3,000- / 当日¥3,500- (1D別)
出演:松室政哉

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