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半崎美子、2st ミニアルバム『うた弁2』インタビュー

半崎美子、2st ミニアルバム『うた弁2』インタビュー

August 7, 2019 12:30

半崎美子

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ー 五品目の「時の葉」ですが、これは天童よしみさんに楽曲提供したセルフカヴァー。そもそも天童さんが半﨑さんの「大阪恋時雨」を歌うことがきっかけで、この曲をc/wとして書かれたんですか?

そうなんです。


ー どうやら笑福亭鶴瓶さんがキューピットだったとか。

そうなんです(笑)。鶴瓶さんの【無学の会】というライヴイベントにゲストとして呼んで頂いて、そこでたまたま「大阪恋時雨」を弾き語りで歌ったところ鶴瓶さんに「この曲ええ曲やなぁ。」と言ってもらえて、私もポロッと「いつかこの曲を天童よしみさんに歌ってもらいたいんです。」って言ったら「それええな!」って盛り上がって、ライヴが終わった後すぐに天童よしみさんに電話してくれて。で、そこからトントン拍子に話が進んでいきました。



ー「大阪恋時雨」もそうですが、「時の葉」も半崎さんと天童さんではイメージが全然違いますよね。勿論アレンジが違うのも理由のひとつですが。…というか、まず「大阪恋時雨」に驚かされました。半崎さんってこういう曲も歌われるんだって。

ああ、逆にね。音源として発表していない曲には色々なジャンルがあるので、自分にとっては結構不思議ではないんですが、確かに普段の私の歌のイメージからすると、驚かれる方もいると思います。


ー ええ、最初はかなり驚きました(笑)。「時の葉」はシンプルなサウンドでありながら、メロディの包容力を強く感じました。

天童さんのコンサートを観た後にこの歌を書いたんですが、皆さん天童さんに背中を押してもらったり、元気をもらいに来ているんだとすごく感じたんです。私自身も天童さんの歌声や圧倒的な力強さに刺激を受けましたし、天童さんにはそういう歌がフィットすると考えたんです。 歌詞に「沈まずに流されて行け」とありますが、年齢を重ねていくうちに何となく流れに乗ったり、たゆたう時間があったりするじゃないですか。


ー ええ。

でもこの曲で表現したかったのは、流されるというより自分の意思で切り拓いて漕いでいくイメージなんです。枯れ落ちた葉っぱにもしっかりとある葉脈は生きてきた証……人間で言えば手のシワみたいなものだと思うんです。 たとえ枯れ落ちた葉っぱだとしても、そのもの自体は輝かしくて、つまりその人の持つ人生の輝かしい部分はいつまでもずっと光り続けていている。この「時の葉」は、そんな人生を賛美する曲です。


ー 人生を歌うという点では「灰汁」もそうだと思うんですが、全くアプローチが違って面白かったです。

そうですよね。全然違うアプローチ!


ー 最初に外出先でこの曲を聴いたんですが、冒頭「人生灰汁ありゃ苦もあるさ」という半崎さんの掛け声に“え?ダジャレ?”と思わず吹き出してしまいました(笑)。

本当に!?確かにタイトルだけ見るとどんな曲か分からないし、突然ああいう掛け声があるとびっくりしちゃうかも(笑)。


ー サウンドも良いですよね。ちょっと昭和の香りを感じる、ビッグバンドやレビューとかの雰囲気で。

そうそうそう!本当にビッグバンドをイメージしてアレンジしてもらったんです。


ー よく「灰汁が強い人」という言い方をしますが、ちょっとそれとも違うというか。

苦味や渋みって人間味があって、とても愛おしい部分だと思うんです。歳を重ねれば重ねるほどそういう部分が出てくるとは思うんですが、ある意味この曲もそういう人生を讃えている曲です。みんなが同じお鍋の中でぐつぐつ煮込まれてる、言わばごった煮みたいな感じ(笑)。人って欠けている部分やコンプレックスが色々あると思うんです。でもそれもその人の味であり個性なんじゃないかな。


ー 自分がマイナス面だと思っている部分って、どうしてもネガティブに捉えがちですもんね。

そうなんです。でもそれが個性って思えたらまた違うのかなって。


ー みんな何かしらあるんだから、人生楽しんだもん勝ちみたいなこの曲に元気をもらいました。

ありがとうございます!歌詞で、“死ぬまで生きていよう”と書きましたが、この歌では何も恐れず自分らしく生きていこうという気持ちを込めました。


ー ところで北海道では、リリース日の8月7日が七夕なんですって?恥ずかしながら知らなかったんです。

そうそう、そうなんですよ。結構知らない方も多いですよね。


ー じゃあ、7月7日は何もやらないんですか?

取り立てて何もやらないですね。(CDジャケットの中面をめくりながら)これもスパイスやお塩、ひまわりの種などで北海道の天の川をイメージしているんですよ。


ー 面白い発想!こういう発想は半崎さんが考えるんですか?

「母へ」のMVも手がけてくれた半崎信朗さんの奥様と一緒に、色々とアイデアを持ち寄って作ったんです。


ー 八角とかもあって可愛いですよね。前回『うた弁』ジャケットのお弁当写真では、ご飯の上に桜の花びらが3枚散っていましたが、今回は3つのお星様があるので半崎さんの願いを3つ教えてください。

えー、なんだろう……(しばし考える)何も出てこないなぁ。


ー すごいですね。私が強欲すぎるのかな。300個くらいお願いが出てきますよ(笑)。

300個って!(笑)。……あ、でもツアーで行ってない県が3つあるんです。秋田、高知、宮崎。だからお願いとしては1つだけど、その3つの県でライヴをしたいです。


ー 是非実現させてもらいたいです!それと10月14日(月・祝)には 東京芸術劇場で【半崎美子オーケストラコンサート2019 with 東京ニューシティ管弦楽団 】を開催。半崎さんが感じるオーケストラコンサートの魅力とは?


私もオーケストラコンサートは今年初の試みですが、魅力は色々ありますね。最初は3月に仙台フィルハーモニー管弦楽団の方々との復興コンサート(【つながる心 つながる力 みんなでつくる復興コンサート2019 supported by KDDI】)、その後ロイヤルチェンバーオーケストラと【半﨑美子withロイヤルチェンバーオーケストラ ~心にビタミン、明日を拓こう!】で東京・岡山・大阪を回らせて頂いたんですが、逆に感動をもらいました。オーケストラコンサートの魅力って、オケの迫力や厚み、深さみたいなものもありますし、歌声と相俟った時にパワーや独特な波動が生まれるんですよ。それにオーケストラの方々を背にエナジーを感じたり。あとやっぱりどこか祈りのような魂をオーケストラの演奏に感じるんですよね。特に「サクラ~卒業できなかった君へ~」を歌った時は、“あぁこの歌はレクイエムなんだなぁ”って改めて感じたんです。皆さんの呼吸や魂みたいなものが合わさってひとつの曲を奏でた時にこういうパワーが生まれるんだと、今年実際やってみて感じました。なので10月はオーケストラコンサートとしての集大成となるので、是非体感してもらいたいです。


ー そして11月には【「うた弁2」発売記念コンサートツアー2019】を東京と大阪で開催。こちらは通常のコンサートとしての集大成となりますね。

本当に一年でかけて作るコンサート……というか作品のようなものなので、私自身もこの一年で何を感じ何を受け取ってきたか、その結晶みたいなものを約2時間半に昇華してお届けするものです。今回は『うた弁2』の発売記念なので勿論ミニアルバムに収録の曲は披露しますが、前回のコンサートから一年経った私自身の軌跡をどう表現していくのか、テーマも含めて皆さんに是非見届けて欲しいです。


ー ありがとうございました!コンサートも楽しみにしています。


Text:秋山雅美(@ps_masayan

※半崎さんの崎は立つさきです。


■ 半崎美子オフィシャルHP
https://hanzakiyoshiko.com/

Release

半崎美子 2ndミニアルバム
「うた弁2」

2019年8月7日発売

-収録曲-

一品目 一緒の星
二品目 次の空
三品目 母へ
四品目 明日を拓こう
五品目 時の葉
六品目 灰汁
七品目 明日への序奏
おかわり お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~ 合唱ver.

うた弁2

CD

CRCP-40584 / 2,037円+税

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