【レビュー】上白石萌音『kibi』
November 6, 2024 17:00
上白石萌音
ある1日の時間の流れの中にある、様々な情景や感情の機微を表現したコンセプトで構成された、上白石萌音のアルバム『kibi』が11月6日にリリースされた。瑞々しい歌声の「Loop」からスタート、既に先行配信されている水野良樹(いきものがかり・HIROBA)提供楽曲「まぶしい」、フジテレビの報道番組『Live News イット!』のテーマソング「hiker」など全10曲収録。
「まぶしい」を手掛けた水野とは、上白石がNHK紅白歌合戦に初出場した際に歌唱した楽曲「夜明けをくちずさめたら」の提供以来2度目のタッグとなり、「夜明けをくちずさめたら」に呼応するような楽曲を、と上白石のリクエストのもと制作された。前作で表現されたのは【孤独の中で見つめる希望】。今回はそこから【日々のまぶしい瞬間の中に潜む影】を見出し、表裏一体の感情を内包しながら生きていく力強さがポップソングとして表現されている。
更に「hiker」は、音楽プロジェクト「退屈ハイツ」の“こたろう”による提供曲で、作詞は上白石自身が手がけている。ポップさとサビの疾走感は、夕暮れから夜へ向かう時間が似合うテンションで心地よい。
アルバムのジャケット写真を手掛けたのは、多数のアーティストのCDや、グッズ、広告、ファッション等で活躍するアートディレクターNEWTONE。まるで美術館にいるような多様な作品の前で、光の中で佇む上白石の表情が印象的なアートワークになっている。