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【レビュー】槇原敬之『うるさくて愛おしいこの世界に』

May 7, 2024 14:30

槇原敬之

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【レビュー】槇原敬之『うるさくて愛おしいこの世界に』

現在、ツアー「Makihara Noriyuki Concert 2024 “TIME TRAVELING TOUR” 2nd Season 〜Yesterday Once More〜」真っ只中の槇原敬之が、今年8月公開予定の映画『マンガ家、堀マモル』のエンディングテーマ「うるさくて愛おしいこの世界に」を書き下ろし、5月1日に配信リリース。

『マンガ家、堀マモル』は、マンガと映画を横断する新たなプロジェクト“CineComi”プロジェクトの第1弾作品で、絵の世界でも活躍するシンガーソングライター・setaの原作をシナリオ化。主演は人気・実力ともに急成長中の俳優、山下幸輝。テーマ曲は原作者のseta、そしてエンディングテーマを槇原敬之が担当することとなった。槇原は、自身も主人公と同様に思っていることをぐっと飲みこんでしまうところがあるらしく、脚本を読み進めるうちに感情移入したと言う。
孤独や辛い想いを抱える「僕」を救ってくれた「君」の存在と、槇原ならではの優しいメロディは、誰もが心の奥底にあるであろう心の傷をそっと癒やしてくれる。ツアーで、生で聴いたらきっと涙腺の崩壊は免れないかもしれない。

共同アレンジとストリングスアレンジを手掛けたのはトオミヨウ。(最近この人の名前を目にしない日はない!)この曲含め、槇原の楽曲はシンプルに感じるが実は譜割りが独特で巧妙だ。今作ではそこにやはり巧妙なトオミ氏のアレンジが加わり、メロディによる場面(心情)展開やサビの広がり、エレキギターの歪み、ストリングスなど綿密に構成されている。しかし聴く人にそれを押し付けないところがやはりアーティストとしてリスペクトされる要因だろう。この「うるさくて愛おしいこの世界に」は、是非映画『マンガ家、堀マモル』と共にチェックしたい。

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