【レビュー】竹原ピストル『水割りをうすくつくっていつまでも』

映画やドラマ、テレビCMなど多方面の活躍を見せる竹原ピストルが、配信シングル「水割りをうすくつくっていつまでも」をリリース。昨年3枚組のライブアルバム『One for the show』のリリースしてから、約2年振りの新曲となる。

酒を飲みながらひとり物思いに耽るこの曲は、“やっと自分を貸し切って”や、“凪いだ追想に頬を緩め”など、竹原らしい言葉で綴られており、長い一日の終わりに顔を出す安堵や追想、反省や悔しさにそっと寄り添ってくれる。

別の意味で竹原らしいユニークさをうかがえるのは、本楽曲のリリックビデオ。自身初となるリリックビデオは、竹原本人による自撮りで制作され、思わずツッコミを入れたくなる“お酒”と、自然体で作業する姿が淡々と映されている。何となく竹原のプライベートを垣間見ているようにも感じるし、サシ呑みしている気分にもなるので、是非そちらもチェックして欲しい。

この曲には、押しつけがましさや偽善の優しさはない。多くを語らず、しかしそこに欲しいものがある。そう考えると、この曲自体がゆっくりと自分を癒やしてくれる、うすくつくられた水割りのようだ。