【レビュー】wacci『愛は薬』

wacci、12枚目のシングル「愛は薬」の表題曲は、人気のTVアニメ『薬屋のひとりごと』第2クールのエンディング・テーマ。元々原作ファンだという橋口洋平（vo,g）は、アニメの世界観に寄り添い歌詞を書き下ろし、公式コメントでは「色々な切り口を考えましたが、もう振り切って、“一番の薬は愛だ”と歌いました。そんな綺麗事を言ったら猫猫に怒られそうですが、誰かを治したい、救いたいと願う気持ちはもちろん、猫猫を取り巻く人々の彼女への想いも含めて、とても愛に溢れた作品だと思います。この歌が、大事な人からの愛情に改めて気づくきっかけになってくれたら嬉しいです。」と語っている。

サウンドや村中慧慈（g）のアレンジにも注目したい。ヴァースは和のテイストを感じさせるも、中国の唐代がベースであろうこのアニメにぴったりなメロディであり、儚げで美しいピアノとエモーショナルなバンドサウンドが絶妙なバランスを保っている。良い意味でリスナーを満腹にしない抜け感を忘れてはいないところもアレンジの妙！歌詞、サウンドともにwacciファンだけでなく『薬屋のひとりごと』ファンにも響く一曲だろう。

更にカップリングには蔦谷好位置プロデュースの「リバイバル feat. asmi」（2023年度 フジテレビ系『めざましどようび』テーマソング）と、元恋人への心境を歌った新曲「君だ」も収録。初回盤には2023年1月に行われた「wacci Hall Tour 2022 ~Boost!~」神奈川県民ホール公演の映像を、期間盤には『薬屋のひとりごと』第２クールエンディングテーマの描き下ろしジャケット仕様に加えてノンクレジットムービーを収録したBlu-rayが付属するので、配信も良いがここはフィジカルを抑えたいところだ！