【レビュー】Penthouse『恋標』

土ドラ『クロステイル ～探偵教室～』（毎週土曜日23時40分～24時35分　東海テレビ・フジテレビ系全国ネット）の主題歌「流星群」に続き、「恋標」（こいしるべ）が同ドラマの挿入歌に起用された6人組ツインリードヴォーカル・バンドPenthouse。実はこの曲は主題歌候補のひとつだった。結果的に「流星群」が主題歌に決まったもののドラマ制作サイドの評価が非常に高かった為、同ドラマの挿入歌として使用されることとなった。イントロレスも彼らの楽曲の特徴のひとつであり、飛び込んでくる浪岡真太郎の声に大島真帆の声が徐々に存在感を現しキラキラと心地よく響くCateenのピアノと絡み合う。届かない恋と気づいている主人公はその切ない想いに蓋をするのではなく、それを受け入れ、希望へと進む。大原拓真（Ba）と平井辰典（Dr）のリズムが、主人公の鼓動や想いの強さを感じさせ、切なさや苦悩、愛おしさ、つまりは葛藤のようなものを矢野慎太郎のギターは表現している。転調と後半の畳み掛けるグルーヴ、ゴスペルを思わせるクラップ、Penthouseにしては少し珍しいウェストコースト・サウンドはリスナーの心までも晴れさせ、上を向かせてくれる気がする。実力派のPenthouseが頭角を現してきたのも納得の一曲だ。是非「流星群」と併せて聴いてもらいたい。