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角松敏生、Contemporary Urban Music(C.U.M)シリーズ第1弾!『MAGIC HOUR~Lovers at Dusk~』アナログ盤発売決定!

September 28, 2024 16:30

角松敏生

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角松敏生、Contemporary Urban Music(C.U.M)シリーズ第1弾!『MAGIC HOUR~Lovers at Dusk~』アナログ盤発売決定!

キャリア43年にして休むことなく最新作を創作し続ける角松敏生が2024年5月15日に発売したContemporary Urban Music 第一弾 『MAGIC HOUR~Lovers at Dusk~』のアナログ盤リリースが決定した。
 

□ 角松敏生コメント

ソニーさんから私の新作「MAGIC HOUR」のアナログ盤制作の提案があったのは初夏のツアーの最中だった。
正直僕は、アナログ盤は好きな人のためのものと思っているので、そういう需要があるならば制作すればいいと思う。
ただ昨今のアナログブームとやらの風潮の中で呟かれる、「やはりアナログ盤の方がデジタルより音が良い」などというアナログ神話的なものは信じない。音の良し悪しなどと言うものは完全に人間の相対性に基づいた価値判断だからだ。
私が良いと思うものが良くて、あなたの良いと思うものが良くない、音楽とはそういうものであってはならないと思う。
では、アナログは良くないのか?いやいや、アナログにはアナログなりの個性や良さがある。ただし、どんな聴き方もそうだが、聴く側が何に拘って聴いているかにもよる。非常に優れたプレイヤーとアンプ、そしてスピーカーで聴くアナログの味は確かにデジタルでは表現できないだろう。
逆に廉価な環境で聴くアナログはハイレゾには敵わない。
言い始めたらキリがない。
そんなことより、昨今アナログの価値が見直されている本当の意味は、聴く人間が能動的に「音楽を聴きに行っている」その行為自体が新鮮だからなのではないだろうか。
デジタル、サブスクの時代はポチッと押せば好みのものにすぐに行き当たる。
向こうからやってくる。聴かせてくれる。しかし、アナログ盤を聴くためには盤をプレイヤーにセットして針を落としてからスピーカーの前に座る。
その上で制作者が時間をかけて創り、記録した音楽を真剣に知ろうとする。
このような能動的行為こそが魅力なのだと思う。
実はもともと記録媒体はそうやって消費されていたのだ。
聴く側も「音に拘る楽しみ」という側面を持っていた。もちろん現在でもそういう楽しみ方をする人たちもいるが、とにかく、アナログは何と言うか独特の風情があるのだ。
僕自身今回のアナログもその風情を追求するためにデジタルマスターを一度ハーフインチのアナログテープにミックスし直してカッティングしたかったのだが、時間の問題、さらに新品のハーフインチのアナログテープを入手するのが非常に困難だったことで、
その試みは実現できず、CDマスターからカッティングしていただいた。
そのラッカー盤を視聴して面白かったのは、とにかく良くも悪くもアナログであるということはもちろんで、デジタルのような鮮明さはない。
 しかしよくアナログ好きが言う、温かみと奥行きの存在は感じられた。それはもちろんのことなのだが興味深かったのは数カ所でデジタルでは聴こえなかった音が聴こえていたりするのだ。これは面白かった。何しろ、盤に針で音を彫るという作業は、
陶芸家が窯で焼き物を焼くのに似ていて偶然も多かろうと思うが、何度も言うけれどアナログレコードとは言うのは良くも悪くもそう言うものだ。
 そんなことをマニアックに楽しみたい方は是非、お聴きいただきたい。
 ただ、良い機材でね(笑)しかし、何より僕がアナログを推したい理由は、あのジャケットのデカさである!今でも、CDのジャケットを制作するときアナログだったら良いのになぁ、といつも思う(笑)素敵なインテリアですよね。
いつか、ハーフインチにミックスダウンした新作をアナログ化してみたいものだがやはり消えゆくものは消えゆくのだろうか。需要は無くならないだろうけれども少なくともアナログがデジタルにとって変わることはないだろう。
ちなみに、アナログを創るなら絶対に12インチ!これなら意味あります。
片面1〜2曲で10分以内くらいね(笑)ありゃ本当にいい音です。(私観)
ああ、12インチ創りたーい!針とびするくらいでっけー溝で(笑)

角松敏生


■ 角松敏生 オフィシャルPCサイト
http://www.toshiki-kadomatsu.jp/

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