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平原綾香、約7か月ぶりのソロ公演をほぼMCなしで歌い続ける!オフィシャルレポート

September 14, 2020 12:30

平原綾香

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平原綾香、約7か月ぶりのソロ公演をほぼMCなしで歌い続ける!オフィシャルレポート

シンガーソングライター平原綾香が「平原綾香Premium Concert 2020〜The Lyrics〜」と題したスペシャル・コンサートを、9月12日(土)・13日(日)の2日間、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催した。今年2020年、本来は「平原綾香 CONCERT TOUR 2020〜MOSHIMO〜」として全国22都市23公演の全国ツアーを開催する予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止、2021年への振替を調整中だが、本公演については、新型コロナウィルス感染拡大予防のガイドラインに基づき、適切な感染拡大予防の取り組みを講じたうえで、新たな企画「平原綾香 Premium Concert 2020〜The Lyrics〜」として2日間開催することとなった。自身のソロ名義でのコンサートとしては「<第6回 平原綾香Jupiter 基金> My Best Friends Concert ~顔晴れこどもたち~」以来約7か月ぶりとなった。

公演は“〜The Lyrics〜これまで平原綾香が歌い伝えてきた作品の中から、今だからこそ、ライブで届けたい心に響く楽曲の数々を厳選してお届けします!”とのコンセプトのもと、換気時間も考慮しての2部構成、また“限られた時間内で1曲でも多く届けたい”という想いと“メッセージは全て歌詞のなかに込める”という意思のもと“ほぼMCなし”で行なうことで、むしろ歌い手としての凄みをより浮かび上がらせることとなった。今回は、2日目公演となる、9月13日(日)の公演の模様をレポートする。なお、この日の公演はWOWOWメンバーズオンデマンドにて生配信がおこなわれ、11月には独占放送されることも決定している。

開演時刻の16時30分になると、ホールの本来のキャパシティの50%以下というプレミア・チケットを手にしたファンが待ちわびるなか、2006年にリリースしたシングル「誓い」のカップリング曲「スタート・ライン」で幕を開けた。“守り続けたい 愛がここにある いつか僕は新しいスタート・ラインに立つ”という、いつにも増して各々の胸に刺さる言葉が届けられた。さらに「いのちの名前」「ソメイヨシノ」といった、改めて命に向き合うことについて考えさせられる歌を披露。「アランフェス協奏曲〜Spain」とファレル・ウィリアムスのカバー曲「HAPPY」でボーカリストとしての懐の深さをさらりと見せ、キャロル・キングの名曲「(You make me Feel Like)A Natural Woman」では、そのたくましい歌声が静寂の客席に響きわたった。「こんな世の中になっても忘れちゃいけないのは、心の豊かさだと思います。どうかをそれを忘れずに。」と短い言葉を挟んで早くも1部のラスト「明日」はこのコロナ禍でのさまざまな想いにすら寄り添う、大きな歌として届いたに違いない。

約20分の休憩/換気ののち、2部がスタート。1曲目は映画「グレイテスト・ショーマン」のオリジナル・サウンドトラックから「NEVER ENOUGH」だ。それはまるで、新型コロナウイルスによる膠着状態を打ち破るべくの決意表明ともとれる、力のみなぎる圧倒的な歌だった。「おひさま〜⼤切なあなたへ」「Reset」は、それらの歌がそもそも備えている強さを、この時代感がより際立たせることとなった。さらに、ミュージカル「メリー・ポピンズ」の「Supercalifragilisticexpialidocious」、同じく「ラブ・ネバー・ダイ」からの「Love Never Dies〜愛は死なず」を歌い、ミュージカル女優としても高く評価される一面も楽しませてくれた。そして、5月にリモート開催となったTOKYO JAZZ +eplus LIVE STREAMで披露した、ランディ・ニューマンの「Feels Like Home」を歌い、ようやく“おうち=ステージ”に帰ってくることができた喜びを、父・平原まことのサックスとともに爆発させた。神々しいまでの歌を聴かせた中島みゆき作詞・作曲の「アリア-Air-」と、自分自身への問いかけを歌う「What I am -未来の私へ-」のパワーは、圧倒することで客席をさらなる静寂へと導いた。本編を締めくくった「BLESSING 祝福」は、本公演のコンセプト“The Lyrics”を象徴するかのように、剥き出しの言葉となって突き刺さった。

アンコールを求める拍手に誘われてすぐにステージに戻った平原綾香は、森崎ウィンとのデュエット曲で、ミャンマーの配信チャートで1位を獲得した最新曲「MOSHIMO」を歌った。この曲はコロナ禍以前に作られた曲だが、改めて浮き彫りになっている人種差別問題など、奇しくも時代を捉えた歌として沁みいってくる。最後に「今、直接触れることはできないけども、“音楽のハグ”を届けることはできると思います。これからもあきらめずにハグをしっかり届けていきたいと思います」と語り「Jupiter」で締めくくった。新潟中越地震でラジオ局へのリクエストが殺到、のちの東日本大震災や幾多もの災害時に人々を勇気づけてきたその歌は、今に於いてより強く背中を押してくれる、もはや普遍的な存在にまでなった歌と言えるだろう。休憩を除くと約2時間弱、全18曲を一気に歌い切った今回の公演は、言葉ではなく歌、歌詞でメッセージを伝えるというコンセプトにより、平原綾香がこれまで歌ってきた歌の力と強固なメッセージをより際立たせることとなり、歌い手としてのみならず表現者としての存在感の大きさを示すものとなった。

なお、平原綾香は最新の映像作品として、ライブBlu-ray「平原綾香 THE LIVE 2020 CONCERT TOUR 2019 〜 幸せのありか 〜 & DOCUMENT 2020 A-ya in Myanmar『MOSHIMO』の軌跡」を9月30日(水)にリリース、さらには11月に帝国劇場での再演が決定している、キャロル・キングの半生を代表曲と共に振り返っていくミュージカル「ビューティフル」にキャロル・キング役として出演することが決定している。


□ 平原綾香Premium Concert 2020〜The Lyrics〜
SET LIST

【1部】
1.スタート・ライン
2.スマイル スマイル
3.5つの魔法
4.いのちの名前
5.ソメイヨシノ
6.アランフェス協奏曲〜Spain
7.HAPPY
8.(You make me Feel Like) A Natural Woman
9.明⽇

【2部】
1.NEVER ENOUGH
2.おひさま〜⼤切なあなたへ
3.メドレー
Reset
はじまりの⾵
虹の予感
Supercalifragilisticexpialidocious
Love Never Dies〜愛は死なず
4.Feels Like Home
5.アリア-Air-
6.What I am -未来の私へ-
7.BLESSING 祝福

【ENCORE】
1.MOSHIMO
2.Jupiter

カメラマン・クレジット:西岡浩記


■ 平原綾香 オフィシャルサイト
https://www.camp-a-ya.com

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