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半崎美子、ニューシングル「ロゼット〜たんぽぽの詩〜」インタビュー。今だからこそ学ぶロゼットの生き方。

半崎美子、ニューシングル「ロゼット〜たんぽぽの詩〜」インタビュー。今だからこそ学ぶロゼットの生き方。

April 24, 2021 10:00

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半崎美子が『うた弁』でメジャーデビューしたのが2017年4月5日。4周年を迎え、種が芽吹き、葉を増やすように5年目の歩みをはじめた。とは言え未だコロナ禍にある状況でショッピングモールでのイベントは中止を余儀なくされ、<繋がり>を最も大切にする半崎の歌声を生で聴く機会は減った。しかしそんな中、4月21日に6th Single「ロゼット〜たんぽぽの詩〜」をリリース。自然から自分たちの生き方を学ぶ力強くも優しいこのタイトル曲への想いとは?


ー『うた弁COVER』のインタビュー以来ですが、お元気されていましたか?

お陰様で。ショッピングモールでのライヴがまだ止まったままなのでそれは淋しいですが、少し前にイオン北海道でお客さんが帰られた閉店後のモール内で歌うことができたんですよ。その模様はテレビで中継されたんですが、やっぱり久しぶりのモールって良いですね。勿論お客さんはいないけど、ショッピングモールでのライヴは自分にとってライフワークだったので感慨深かったです。


ー それまでの半崎さんの経験を考えると、たとえお客さんが目の前にいなくてもすぐ目の前で観てくれているような感覚になりそうですよね。

そうそう!まさにそうでした。体感としてあの光景を覚えているし心に刻まれているので、一人じゃないという感じがすごくしました。


ー 良いですね。今回のニューシングル「ロゼット~たんぽぽの詩~」ですが最初、“ロゼット”って何だろうと思いました。たんぽぽの葉っぱの開き方というか形状を“ロゼット型”と言うんですね。

そうなんです。たんぽぽ以外にもいくつかロゼット型の葉っぱってあるんですが、今回はたんぽぽの生き方を描いてみました。放射状に丸くなって地面にピタッと貼りつくようなあの葉っぱは、背を低くして風の抵抗をしのいだり地面の暖かさを利用して冬を越したり乾燥から身を守ったりしているんです。そういう生き方だからこそ荒れ地やアスファルトの隙間でも生きていけるんですよね。その植物の知恵にこそ、私たちが今生きているコロナ禍という状況のヒントになると思ったんです。


ー やはり“ロゼット”という言葉がとても大切だったんですね。

はい。歌詞に出てくるわけではないんですが、ロゼット型の葉っぱをテーマにすることは決めていたので、最初から“ロゼット”という言葉はタイトルにしようと考えていました。


ー その、ロゼット型のたんぽぽを曲にしようと思った着想点はどういうところからですか?

こういう状況下なので今年は実家に帰れなかったんです。だから久しぶりに新年をひとり自宅で迎えたんですが、元旦に曲を書きたいと思っていたのでピアノに向かってこの歌を書き始めました。ただいつもなら出てくる、例えば、“乗り越える”とか、“切り拓く”みたいな前向きなワードがあまり出てこなくて……。コロナ禍にあって、どう頑張れば良いか分からないし、抗えないものに対峙しているような感覚で出てきた言葉が、“風を凌ごう”とか、“朝を分け合い”とかだったんです。何とかこの<冬>を凌いで、みんなで心を寄せ合おうって。


ー なるほど。

私よく散歩をするんですが、冬の間っていたるところでまだ花を付けていないたんぽぽの葉っぱが顔を出しているんですが、花がなくてもあのロゼットの形で、ここにたんぽぽがあるんだってわかるじゃないですか。


ー ええ。

その葉っぱを観ていると頼もしいというか。今こそ自分たちが変化に対応していかなきゃいけない状況なんじゃないかなと思うんです。たんぽぽの生命力ってある意味、省エネ型というか(笑)。夜や雨の日は花を閉じたり、綿毛をつける時にそれまで倒していた茎を起こしたり、花が咲き初めの頃は殆ど地面につく位なのに綿毛を飛ばす時だけ背を伸ばしたり。


ー あぁ確かにそうですね。花が咲いている時と綿毛になってからは茎の長さが全然違う!でもそれ、半崎さんから言われるまで気づいていなかったです。

案外そうなんですよね。出来るだけ遠くまで種を飛ばすために茎が長くなるんですが、花も終わって「このタイミング!」ってぐーっと背を伸ばして立ち上がる姿勢も植物の知恵なんだなって。たんぽぽってそう珍しい花ではないので、普段まじまじと見たりしないけど、見過ごしてしまいがちな足元にこそ春、つまり希望が咲いているなと思ったんです。


ー そういう想いに繋がるのかもしれませんが、「春は私達を忘れたりしない」という歌詞を読んだ時、なんて優しくて力強い言葉なんだろうと感じて、何か救われた気分になりました。

わー、嬉しいです!まさにその部分にこの曲のメッセージが込められているので。


ー サウンドにも光を感じました。それはデジタルなブライト感ではなく、太陽の光みたいな。アレンジャーの島田昌典さんとはどういうお話を?

歌詞のメッセージはしっかりお伝えしたんですが、島田さんが感じたようにアレンジして頂こうと思っていたので、今回サウンド面に対しての希望は然程お伝えしていなかったんです。それでピアノのデモをお渡ししたら、まず「北海道の広大な大地が見えた」とおっしゃってくれて、そこをベースに作り上げてくださいました。だから太陽の光というのも歌詞やメロディから島田さんが感じ取ってくれたんでしょうね。


ー それと半崎さんの曲でイントロレスで始まるのは珍しいですよね。デビュー後、オリジナル曲では初めてじゃないですか?インディーズ時代にもあまりなかったし。「変わらない街」をはじめ確か数曲だけだったと……。

そうなんですよ!本当にイントロレスって少なくて。今回は元々イントロはない方が良いと考えていたんです。なので島田さんにその部分をお伝えしたら「この曲にはそれが良いかもしれない」と共感してくださって。最初のメロディって結構呟くように歌っているじゃないですか。


ー ええ。

アスファルトの片隅で咲いているロゼットが、ゴミを被って乾いた風に吹かれているうら寂しい街の風景みたいなものがイメージにあったんですが、この歌の物語をドラマチックなイントロで導いていくのは違うかなと思ったんです。


ー 半崎さんの声の力を含め、イントロレスであることで情景をより感じやすかったです。

ありがとうございます!


ー そういえば先日、この曲のミュージックビデオ(以下:MV)が公開されましたが、撮影で阿蘇に行ってらしたんですよね。撮影はいかがでしたか?

阿蘇に押戸石の丘というところがあって、そこで日が昇る瞬間を絶対に捉えたいと思ったんです。それがこの歌の生命というか、ポイントだと思って。日が少しずつ上っていって、その光をロゼットが受け取る瞬間、命の原点みたいなあのシーンは欠かせないので、お天気が重要でした。予備日もなかったので本当に賭けで(笑)。


ー 予備日がないってまさに賭けですね(笑)。本当に晴れで良かったです!

監督とダンサーのSatoko(Fukuda)さんは先に撮影していたんですが、私のシーンを撮るのに思ったより早く日が昇ってきたので「早く来てください!」って指示が出て、慌てて急斜面をハァハァ言いながら登りました(笑)。で、押戸石の丘に到着した瞬間、すぐに撮影。


ー あんなに穏やかな表情でゆったり歌っているシーンの裏側にそんなことがあったなんて(笑)。

そうなんです(笑)。日が昇る綺麗な空の移り変わりって本当に一瞬だから間に合って良かったです。でも当初の天気予報では曇のち雨だったので心配だったんですが、結果的にお天気にも恵まれましたし、実際素晴らしい風景で生命の起源を感じる…と言っては大げさですが、でも本当に神聖な空気を感じました。今回、決して歌詞に寄せた映像を撮っているわけではないんです。でも押戸石の丘という場所や、私の歌を汲み取った上で表現してくれているSatokoさんの踊りも含め、すごく楽曲と合っていて。ただ、今までとは違う伝え方が出来たんじゃないかと思っています。


ー MVと言えば、昨年9月に配信リリースされたイオン北海道CMソングの「特別な日常」が今回収録されていますね。楽曲の話はカヴァーアルバム『うた弁COVER』のインタビュー(https://popscene.jp/feature/048366)で伺ったので、今回はMVについて。イオンに携わる方や利用される方など、色々な方が一緒に歌うパートもあって、半崎さんらしいなと感じました。

打ち合わせでこちらの希望を細かく伝えるまでもなく、イオンさん側から色々提案してくれたのがああいう形だったので、この歌や私とみんなと繋いでいくというイメージをこちらと同じように持ってくれていたんだろうなと思い、嬉しかったです。それぞれの“日常”をそれぞれの角度で切り取って繋いでいくこの歌のメッセージにすごく寄り添っていると感じられました。


ー 子供たちがわーっと手を振ってるシーンで半崎さんもつい笑ってしまったり。

あ、やっぱり気づきました?(笑)本当は監督から「微笑むくらいで」という指示だったんですが、子どもたちがあまりにも可愛くて笑いがこみあげちゃいました。

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