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【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.2

【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.2

October 7, 2015 21:00

オフィスオーガスタ

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【コラム】オフィス オーガスタ特集 Vol.2

CDジャケットやツアーグッズ、パンフレットなど、音楽やライヴにまつわるデザイン物は数多くあり、大抵の人はその何かしらを手にしているのではないだろうか?今回は、オフィスオーガスタをメインに物販の企画製作・デザインを手がける、有限会社セブンダイヤルズの佐々木雄二氏と八嶋秀幸氏に話を訊いてみた。音のイメージを“デザイン”で表現する面白さと大変さとは?


ー まず、お二人の仕事について教えて下さい。

八嶋:僕はツアーグッズやイベントロゴ、ファンクラブの会報、CDのアートワークを主に担当しています。

佐々木:僕は企画製作です。製作物によって、デザイナーそれぞれの特性を考え、八嶋や外部のデザイナーにデザインの依頼を振り分けています。


ー お二人が現在の道に進んだきっかけは?

八嶋:単純な話なのですが、中学高校と成績表で「5」がもらえたのが美術だけで(笑)。だから美術の先生にも「その道に進んだら?」と進められていました。音楽の分野のデザインを希望したのは、学生時代のバンド活動の影響が大きいです。

佐々木:僕は元々バンドをやっていて、専門学校では音響・照明・イベント企画を学べるイベント科を専攻していました。だから卒業後も広告代理店でイベント絡みの仕事に就いていて、僕の場合はこの会社でグッズ製作を覚えたんです。


ー 実際に、グッズの企画を始めた頃はいかがでしたか?

佐々木:難しかったです。当時は全然グッズのことを分かっていなくて、協力会社の選定も大変でしたし八嶋もまだ入社していなかったので、デザイナーの選定から入っていました。それで何年後かにデザイン部を作った方が絶対良いということになり、今の形にはなりましたが、当時は本当にゼロからでした。本当に、素材の特徴を覚えるところからのスタートでした。


ー 素材の特徴?

佐々木:例えばTシャツにプリントをする時も、絵型で見ると綺麗なんですが黒に赤を乗せると絵型のようにはならなかったり。アーティストにも一番最初に綺麗なイメージを見せてしまうと、物に落とし込んだ時に「あれ?イメージ違くない?」となってしまうので、それも踏まえて全部話をしなくてはいけないんです。


ー アーティストグッズは、定番的なものからちょっと変わったものまで色々あると思うんですが、どうやって決めていくんですか?

佐々木:コンサートやツアーというのは、一番最初に音源やコンセプトがあって始まるのものなので、その世界観をどうやってグッズに落とし込むかを打ち合せします。例えば『HARVEST』(山崎まさよし)に関しては弦楽器が入った贅沢な音だったので、今回は今迄にない、洗練された高級感があるものにした方がコンセプトに近づけられるとスタッフと考えました。ひとつトピックスとしてあげるとすれば、スタッフの提案で5個入りで2,000円の有名パティシエが作る高級チョコレートをコラボ販売したりとか。そういう風に繋げていくんです。


ー なるほど。

佐々木:『BIG MUSIC』(浜端ヨウヘイのファーストアルバム)の場合は、CDの手描き感が特徴的だったので八嶋と相談して、そのデザインやイメージをTシャツやタオルに落とし込みました。そうやって、音で発信しているものからアイデアを汲み上げて膨らませていくのが僕らの部署の役割です。だから例えば突発的なものが出てきた場合は、そこにストーリーをつけないと意味がないと思っているんです、ツアーグッズは。


ー デザインの種類だけでなく、扱うアイテムの種類や大きさ、形もそれぞれなので大変だと思うのですが。

八嶋:大変ですが、実はすぐ仕上がってしまう場合もあるんです。グッズ担当の方やアーティスト本人からこういうものを作りたいという具体的なリクエストを頂ける場合もありますし、ロゴ等の素材が既に全て揃っている場合は一気に仕上げていく事が可能です。

ーツアーグッズを決める際に、アーティストの方々も会議に参加するんですか?

佐々木:うちは特にその部分を重視していますね。例えばTシャツの素材ひとつとっても、何パターンか出しますし。