POPSCENE

WEB FANZINE

POPSCENE

NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.6』インタビュー

NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.6』インタビュー

February 22, 2019 18:00

interview_label
0
0
シェア LINE

ー 確かにそう思います。それとこの曲は印象的なワードがいくつか出てきますよね。「生きてるだけで丸儲け」とか「傘なんて素敵な男の子にあげちまえ」とか…。

「傘なんて〜」の部分は私自身すごく大好きなんです。


ー 言葉がキラキラしてる。あと「世界で一番いい香りの石鹸」ってどういう香りだろうって想像したり。私が特に好きなのは、「割烹着を着たら フリフリのエプロンなんかじゃ物足りなくて」という部分。

その部分は、うちのチームもみんな「この歌詞はヤバイな!」って言ってくれて。


ー 女性の在り方を表現している、ユニークだけど的を得ているなと感じました。

嬉しい!大切にしていたところだから。


ー やっぱりこの曲は強さも可愛さも踏まえていて良いですよね。あと、「痛ぇ」は竹原ピストルさんのことを歌った曲ということですが、Emiさんがこの業界に入ろうと思ったのは、ピストルさんのライヴがきっかけだったとか。

そうなんです。4年半くらい前だったかな。ピストルさんと私は同じマネージャーなんですが、自分も30歳過ぎていたから当時は音楽で食べていこうなんて考えていなかったし。自分の為に歌った自分の為の歌詞なのに、どこかの事務所やレコード会社に所属して…そんなことはとんでもないと思っていたからオフィスオーガスタに誘ってもらっていても最初は断っていて。でも何ヶ月かしたらマネージャーから「ちょっと竹原のライヴ観てみない?」って言われて、仕事帰りに渋谷のduo(MUSIC EXCHANGE)に行ったんです。そしたら涙が止まらなくて!歌詞がすごかったし、MCになるとこんな男臭い人がすごく低姿勢で。周りには何本かのギターが並んでいるだけで衣装だって頭にタオル巻いたTシャツ姿。“こんな人間臭い人が音楽業界にいるんだ!”って驚きました。でもそんな素晴らしいミュージシャンのマネージャーをやっている人が、私と一緒に音楽を作りたいって言ってくれるって、すごいことなんだと思ったし竹原さんみたいに人間臭い人がいる事務所なら…と思い「一緒にやってみたいです!」って言いました。


ー 竹原さんのライヴは本当に圧倒的ですからね。一種独特というか。

そうなんですよ!なんか違うんですね、竹原さんは。きっと誰よりも色々なことを考えて努力してひとつひとつを構築しているんでしょうね。だからこそみんなが竹原さんに惹きつけられるし。もう本当にリスペクトです!


ー 今、同じオフィスオーガスタに所属して、竹原さんと何か話したりは?

緊張してあんまり喋れなくて(笑)。でも昨年、自分の誕生日近くに事務所へ行った時に、私の誕生日が近いって誰かに聞いたみたいで、ギターを持って歌いに来てくれて。


ー えー!!

でもやっぱり緊張してうまく喋れなかった(笑)。


ー いや、リスペクトする相手からのそんなサプライズはそうなる!そういえばこの曲でヒューマンビートボックスしてるのカサリンチュのコウスケさんですよね。

そう、コウちゃんです!数年前、長崎で一緒にライヴをやらせてもらった時から凄いと感じていたけれど、奄美の人だからそう簡単には一緒には出来ないかなと思って。でも昨年、カサリンチュのツアーを一緒に回らせてもらったことをきっかけに、私のライヴにもいっぱい参加してくれて。コウちゃんは曲の理解度がもの凄いんですよ。カワムラさんともめちゃくちゃグルーヴが合うんです。カワムラさんのグルーヴって結構独特だし、私は私ですごく日本風なグルーヴしかないから(笑)それをまとめられるって、ドラマーでさえ少ないのにコウちゃんは感覚で出来ちゃうんですよ。それに私は勿論だけど、カワムラさんもコウちゃんもピストルさんが大好きで、ちょっと自分たちのメンタルがヤバイ時には竹原さんのライヴを観るみたいな人たちだから、それならその3人で演るのが一番筋が通っているんじゃないかという話になったんです。


ー 最後の部分の演奏と歌声は、<アグレッシブ>という言葉が綺麗に感じてしまうほど、もっと剥き出しのソウル(魂)を感じました。

本当ですか?嬉しい。ライヴでもこの3人で演っていた曲だったし、殆どの曲の録音は普通のコンデンサーマイクだったのに対してこの曲だけ「Emiちゃん、いつものマイクでライヴみたいに体を動かして歌って。」ってカワムラさんに言われたので、そういう臨場感を感じてもらえたらと思います。


ー あと「甘っちょろい私が目に染みて」ですが…。

どうでしたか?!この曲。


ー Emiさんがセルフライナーノーツでこの曲が一番好きと書かれていたけど、実は私も一番好きな曲で。というか、ライターとしては失格かもしれないけれど、この曲を客観的に語れないくらい、もう好きすぎて!

アハハハ!


ー 曲を聴くだけで涙が出てきちゃうんだよね。特に「この色を着てみたかったんだ 自分が花みたいになれそうで」の部分。

あー、良かったです。この曲って今回のアルバムの中で一番最後に出来た曲で、他にも自分を少し肯定してあげられる歌詞はあったんだけど、結構強い歌詞強い歌詞と続いていた中で小説みたいな歌詞が出来たというか…なんて言うんだろう、直接的な歌詞じゃないからこそ、自分を包むことが出来た曲なんです。 でもどうしてこの曲が出来たんだろうって、自分でもよく分からないくらいで。


ー 何かきっかけがあったわけではなく?

このアルバムを作る前に、マネージャーやカワムラさんから「頑張れ頑張れっていう曲は出来てきたけど、頑張っている自分を認めてあげても良いんじゃない?」ということを言われて、“あぁ、そうか…“と思ったら、自然と言葉がブワーっと出てきて。だから、こういうことを書こうとか理屈で考えながら作ったというより、自分の意思とは関係なく出てきたという感じ。本当に不思議で…。でもだからこそ自分にとって大切な曲となりました。


ー 日々頑張ることに必死になって、自分のことは大切にしてあげられていなかったかもしれないと、この曲が気づかせてくれた気がします。そういう女性って案外多いんじゃないかな。

そう言ってもらえると嬉しいです。

  ピックアップ

  SEARCH

  FIND OUT MUSIC!

FIND OUT MUSIC

  SPECIAL

オフィスオーガスタ特集 アーカイブ

  iTunes Chart