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浜端ヨウヘイ、メジャーデビューシングル『カーテンコール』インタビュー

浜端ヨウヘイ、メジャーデビューシングル『カーテンコール』インタビュー

February 9, 2019 19:00

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ー アーティストとしての寺岡呼人さんはヨウヘイくんから見てどういう人ですか?

めっちゃすごい人!それこそ高知で初めてお会いした時のライヴでは、今回カバーさせて頂いた「夜曲」もセルフカバーされてたんですが、思わず「本物や!」って言っちゃいましたからね(笑)。大学生の頃、先輩が歌っているのを聴いて、最初はその先輩の曲だと思っていたので「先輩のあの曲、めっちゃいいですね!売れますよ!」って言ったら「ヨウヘイ、これはカバーだ!」って(笑)。


ー アハハ!

その後アルバムも聴かせて頂きましたが、その先輩のおかげで知った「夜曲」を高知では初めて呼人さん御本人の歌で聴けて嬉しかったです。僕はJ-POPを聴いて育った人間だし、大人になって山さん(山崎まさよし)へ傾倒したことから山さんが好きなアーティストやルーツ・ミュージックも聴くようになりましたが、リスナーとして中高生時代はひたすらJ-POPだったので、その中でバンドとしてもソロとしても活躍している呼人さんはやっぱりすごいし尊敬しています。


ー ではプロデューサーとしての寺岡呼人さんは?

最初に的確なイメージをきっちり持たれているので、僕がそれをどれだけ体現していけるかが勝負だと思うんです。ただ決して「こうしろ!」とか「こうじゃなきゃ駄目だ!」ではなく、「僕はこう思うんだけど分かる?」って伝えにきてくれるんです。だからこそ僕はそこに寄っていきたいなと思うし、「こうですか?(浜端)」「そう、いいね!(寺岡)」「こんなのはどうですか?(浜端)」「それはちょっと違うんだよなー(寺岡)」「じゃあこれは?(浜端)」「それそれ!(寺岡)」と、イメージのキャッチボールをしている感じでしたね。ただアーティストとしての呼人さんと、プロデューサーとしての呼人さんって僕の中であまり違いはなくて。それは一緒に曲作りをさせてもらった上で、その先にプロデュースがあったからかもしれませんけど。呼人さんが描いたイメージを一度USBにコピーして、それを僕の頭にそのまま差し込めませんかねっていうくらい(笑)そのイメージは正確に受け取りたいと思いました。


ー MVはカット割りがほぼ無しでワンカットに近かったですね。

ああいう撮り方は「無責任」で経験済みではあったんですが、楽器を持たずにまっすぐただ歌うというのは難しかったです。そこがまさに今回一番の新しさであり、今までになかったことです。…なんかね、シンガーソングライターというよりシンガーとして呼人さんが僕を扱ってくれたんですよ。だから僕はそれをしっかり演じきる決意もありました。共作も含め、こういう体験で「歌」に重きを置いた作品作りを経た後に、僕がまた自分の作詞作曲した楽曲をリリースできる瞬間が来たら、その時にどんな変化をしているだろうか、僕自身もすごく楽しみにしている部分はあります。


ー 今回は「カーテンコール」だけでなく、c/wの「溝の口セレナーデ」も呼人さんが作詞、ヨウヘイくんが作曲。ヨウヘイくんの溝の口が来ましたね!

わが町です!


ー ヨウヘイくんがよく行く飲み屋さんに呼人さんと一緒に行って、できた歌詞なのかなと思ったんだけど、そうではないようですね(笑)。

そういう話はよくしましたけどね(笑)。「溝の口にこういうお店があって」って。ただ、溝の口の歌というより、最初は立ち飲み屋に集まる人たちの色々なエピソードや情景を描こうという話だったんです。Billy Joelの「Piano Man」みたいな。


ー ああ!

でもそうではなく、街全体とかみんなが仕事から帰って立ち寄る店の歌にした方が面白いんじゃないかという話になって、「イメージ的には川を越えて帰るから、溝の口…溝の口セレナーデはどう?」って呼人さんから言われて思わず「溝の口で大丈夫ですか?!」って言っちゃいました(笑)。呼人さんの中でTom Waitsの「San Diego Serenade」を東京やその近郊の地域で例えると、サンディエゴは溝の口らしくて。勿論僕は溝の口を知っているから納得するけど、他の人に伝わるか不安はありました。ただ、どの街にも川を越えてホッと出来る場所がある。溝の口の場合は多摩川ですけど、荒川もあるし淀川もあるし隅田川もある。川を越えるってそれぞれにスイッチのオンオフを切り替える瞬間だと思うんです。だから仕事帰りのサラリーマンに聴いてほしいですね。で、聴くと真っ直ぐ家に帰らず一軒寄って行こうかなという気持ちになるんじゃないでしょうか(笑)。


ー 私自身、川が多い地域に住んでいるせいか、川を越えてスイッチをオフにする感覚はすごく分かりますし、この曲はホッとさせてくれますよね。

アレンジもウッドベースとブラシのドラムスにアコーディオン。立ち飲み屋ではないけれど、ちょっと街角で…そうだな、パリの街角で…。


ー いや、サンディエゴ、サンディエゴ(笑)。

そうそう(笑)、サンディエゴの街角にあるオープンなお店で演奏が始まったくらいの温度感のアレンジにしたいってお話をしたので、楽器もそれほど入れすぎないようにしました。


ー 穏やかな曲調などは「San Diego Serenade」を意識する部分があったんですか?

うーん…僕、どちらかというと結構激しいメロディを付けたなと思ったんです。キーも高めの音が続いているし。でも「カーテンコール」を書いた頃から半年以上経っていたので、呼人さんのイメージを受け取る能力は少し高くなっていたと思うんです。「カーテンコール」の時は“本当にこれで良いんだろうか…”と迷いながらお返ししたところがあったけど、今回は「それそれ!」と言われるまでが早かったし。だからサビも強いかなと思いながら出したんですが、「かっこいい!」と言ってもらえたので、この曲も一週間くらいで出来上がりました。


ー 初めて一緒に曲作りをした人と、そんなハイペースで完成させることは結構難しいと思うんだけど…。

難しいと思います。それは呼人さんが浜端ヨウヘイというアーティストに、こういうことをやらせたいというべクトルを僕もバッチリ受け取れたからに他ならないと思っています。そこが揃っていないとやっぱり上手くはいかないし。


ー 先程もお話に出ましたが、今回は呼人さん作詞作曲で自らもセルフカバーされている矢野真紀さんの「夜曲」も収録ですね。

昨年お芝居をやった後、カバー曲ばかりのライヴをやってみたんです。大阪でレギュラー出演中のABCラジオ「Cheers!」(毎週日曜日18:00~21:00)のコーナーで、毎週カバー曲の弾き語りをしているんですが、それをライヴで出来たらというアイデアがあって、カバー曲と未発表曲で構成するという初めての形のライヴをやったんですが、そこでもこの「夜曲」を歌いました。


ー 本当に昨年は初めてづくし!

そうなんですよ!


ー この曲は、どうやらカラオケでもよく歌われているとか。

歌っていますね(笑)。本当に何度も何度も歌っているので、曲の雰囲気や歌詞は自分の中に入っていますが、レコーディングの時に自分なりにダイナミクス(強弱法)をつけて歌ったら、呼人さんに「ちょっとあっさりしちゃってるんだよなぁ。」って言われたんですよね。「出だしからバーンってやっちゃってよ。」って。


ー え、そうだったんですか。

僕も、“あれ?いいのかなぁ…”ってドキドキしたけど「大丈夫だから!」って言われたので、僕もその言葉を信じ切ってバーンと歌いました。でもその中でも、間奏あけの大サビに向かうところで1番よりはダイナミクスが出ていると思います。と言うのも、僕は出来るだけ歌詞通りに歌いたいから、そうすると自然と思いが溢れ出てくるし、思いは溢れなきゃ駄目だと思っているんです。

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