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「Augusta Camp 2016 ~produced by 秦 基博~」ライヴレポート

「Augusta Camp 2016 ~produced by 秦 基博~」ライヴレポート

October 3, 2016 18:00

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この日、大輪の花火が富士急ハイランドコニファーフォレストの夜空を照らしていた。それこそが【Augusta Camp 2016 ~produced by 秦 基博~】成功の証。オフィスオーガスタ恒例の夏イベント「オーガスタキャンプ」。今年はデビュー10周年を迎える秦 基博がイベント全体をプロデュース。 9月17日(土)、自身がオープニングアクトとして初めてこのステージに立った富士急ハイランドコニファーフォレストで15,000人のオーディエンスが湧いた。ステージスクリーンがオーガスタキャンプ出演時の秦を現在から過去へ遡って映し出すと、昔からのファンは懐かしさに歓声を上げた。

第一部は各アーティストと共に秦の名曲達をアコースティックセッションで送る「アコースティック・セット」。まずは秦が10年前、このステージで演奏したデビュー曲“シンクロ”を弾き語ると、トップバッターに呼び入れたのは、さかいゆう。登場から秦のモノマネで会場を楽しませたさかいが選んだのは“青い蝶”。自転車という歌詞が入る曲で世界一好きだと言うこの曲を、軽やかなリズムと二人の美しい声で届けた。続いて登場したのは 浜端ヨウヘイと松室政哉。秦が言うところの唯一先輩風を吹かせることが出来るこのセクションでは「このパフォーマンスが上手くいけば三人でいつでも営業回れる。名前は浜秦ヨウ政(ハマハタヨウセイ)」などの発言も飛び出し笑わせるも、浜端のパワーと松室の表現力も加わった“虹が消えた日”の三声はオーディエンスを魅了した。「部活の顧問みたいな格好で来ちゃったんですけど」と、ジャージ姿で登場した竹原ピストルに秦も笑い出すが、二人の“Dear Mr. Tomorrow”は、歌い手によってこんなにも聴こえ方が変わるのかと驚かせてくれた。続いて登場したのは元ちとせ。“ディープブルー”では、原曲そのものの神秘性に、元の大地的歌声からなる神秘性が見事に融合。MCではオーガスタメンバーの中で一番秦のルックスが好きだと言うも若干笑いの要素も含み、会場を沸かせた。

「二人のシャツ!」思わず秦もツッコミを入れた派手なアロハシャツで登場したスキマスイッチ。「秦よりも目立ってやろうという絶対負けないぞ感(笑)」 大橋卓弥の闘志剥き出しの発言とサービス精神に会場大爆笑。今回スキマスイッチとコラボした“僕らをつなぐもの”は数年前、大橋から歌詞について疑問(苦言?)を投げられたことがあったらしく、印象に残り秦が選んだらしい。(その理由については第二部で明かすことに)しかし実力派二人の歌声と常田真太郎の情緒的なピアノにオーディエンスは静まりかえり、爽やかな山風だけが頬や髪を揺らした。COIL岡本定義の“休日”に続いては杏子。“Fast Life”でオーディエンスを巧みに巻き込み、会場は一気にヒートアップ!オーガスタの長女が登場すれば、次なるコラボアーティストは長男、山崎まさよし。現在ツアー真っ只中の山崎と共に、スペシャルコーラスとして大橋も登場。今回のコラボにあたり秦の楽曲全てを聴いた山崎が選んだのは“風景”。杏子、大橋のコーラスも交え、ゆったりと心地よい時間が流れる。

「まだ呼んでいない男がいます。」そう言って呼び込んだのは秦の同期、長澤知之。互いの10周年を祝い合いながら10年前のコニファーフォレストを振り返り、一緒に乗ったジェットコースターの想い出話も出ると、リラックスした笑顔を見せる二人。10年、共に歩んできた二人が声を重ね歌う“アイ”。互いにしか分からない想いがそこにある気がするのは、オーディエンスの拍手がそっと二人を祝っているように感じるのは、ただのセンチメンタルだろうか?

再びステージに全員が登場。和やかさを見せるメンバー同士のMCが終わると“夏はこれからだ!”を全員で歌い上げ、第一部は終了。

本編の幕間に展開された「2016年・オフィスオーガスタ注目のアーティスト」ステージで登場したのは、今年1月にメジャーデビューを果たしたNakamuraEmi。カワムラヒロシのギターが“YAMABIKO”のイントロを掻き鳴らすと、ドープすぎないラップに調和するリリック、パワーを漲る歌声にオーガスタ食堂へ向かう人の足も時折止まる。新曲“メジャーデビュー”を歌い終えると、ギュッと握りしめたTシャツから手を離し、小さく「緊張した」と笑顔を見せステージを降りた。

第二部は各アーティストのオリジナル楽曲を秦がプロデュースするバンド・セット。2016年上半期、秦とともにツアーを回ってきた鈴木正人(B)、あらきゆうこ(Dr)、皆川真人(Key)、弓木英梨乃(G)に朝倉真司(Per)を加えたスペシャルバンドが長澤の“あんまり素敵じゃない世界”で盛り上げると、続く浜端とは彼のデビュー曲の“結-yui-”を熱唱。さかいゆうが登場すれば、当然コラボするのは“ピエロチック”。秦とさかいによるピアノ連弾に会場も大熱狂!更に岡本とは“ミサイル・カウンシル”を、松室とは“オレンジ”、元とは“千の夜と千の昼”など、それぞれの代表曲や秦が好きな曲を演奏する第二部が趣旨通りに進行。…ここまでは。「新曲を作ってきた人がいて(笑)。」秦の苦笑にそれが竹原であることをすぐに察知したオーディエンスは大爆笑。この日の為に書き下ろした“ちゅちゅちゅ I want you.”を披露すると、オーガスタメンバーを織り交ぜた歌詞と、二人の決めポーズに会場からは割れんばかりの大歓声!熱狂はバービーボーイズ時代の名曲“女ぎつねon the run”での杏子と秦のセクシーな歌声まで続いた。スキマスイッチが登場すると、第一部で話していた大橋が持つ、“僕らをつなぐもの”冒頭の歌詞への違和感話に触れ、笑いと共にアットホームなムードに包まれた。ここで秦が選んだのは10年前にスキマスイッチがオーガスタキャンプのトリを務めた時の“ボクノート”。「オーガスタキャンプの原風景の中にこの曲がある」と秦。ここで松室を交えてスキマスイッチとはもう一曲“ガラナ”を。大橋と秦のヴォーカル対決に会場のテンションも急上昇。クラップの波が一面に広がる中、二組のDNAを受け継ぐ松室も先輩たちにひるむことなく実力の高さを見せつける。更に曲の途中で“Ah Yeah!!”を挟み込むと、会場一体となりヒートアップ!熱気が残るステージに登場したのは山崎と浜端。山崎と一緒に演るならと、禁断の(?)台詞にも触れながら、ハウス食品「ウコンの力」のCM曲“春も嵐も”をチョイス。最後はメンバー全員で“セロリ”を歌い、第二部が終了。

「2016年・オフィスオーガスタ注目のアーティスト」二組目は、昨年、戦後70年を迎えリリースしたアルバム「平和元年」が話題となった元ちとせが、エレクトロミュージックの気鋭、UQiYOをサポートに迎えた「元ちとせ with UQiYO」として登場。“ワダツミの木”は、元のオリジナル曲とは違う魅力を彩り、映画『ゆずの葉ゆれて』の主題歌となった新曲「君の名前を呼ぶ」を含む全4曲を歌い上げた。

第三部のスタート前、スクリーンには松山ケンイチをはじめ、バカリズム&マギー、井ノ原快彦(V6)、高木晋哉(ジョイマン)、スターダスト☆レビュー、筒香嘉智(横浜DeNAベイスターズ)、KAN、SPITZなどなど、秦の10周年を祝うビデオメッセージが続々と映し出された。そして第三部「秦 基博 in Augusta Camp 2016 」へ突入。“グッバイ・アイザック”でスタートすると、10月19日にリリースされる最新シングル『70億のピース』をライヴ初披露。人との繋がりの中で生きていることを強く感じ、その想いを曲にしたと語る秦の歌声は淡々と、しかし凛と響く。湿気を帯びた山や緑の匂いに包まれ始めた夜が近づく頃、オーディエンスはただただ秦の歌声に耳を傾けていた。色とりどりの風船が無数に放たれた“キミ、メグル、ボク”では、手を延ばすオーディエンスの笑顔がステージライトに照らされた。ライヴも終盤。秦が「まだ元気残っていますか!」と問えば大きな歓声が返ってくる。「まだ残ってた(笑)」よくあるやりとりだが、この時の何とも嬉しそうな秦の口調は忘れがたい。その後スミレちゃんダンサーズと共に盛り上げた“スミレ”から、10年前、同じステージで披露した“朝が来る前に”を歌い終えると、「この感謝の気持ちは歌に変えてみんなに届けられたらなと思っています。」と、まっすぐな口調で感謝を述べ、同じく10年前に歌った“鱗(うろこ)”で第三部を締めくくった。

「デビュー10周年は僕ひとりじゃないということで、もう一人の周年男を呼びたいと思います。長澤知之!」アンコール、秦が長澤を呼び入れると長澤は「お客さんやスタッフに感謝する10年なんだろうなと思います。だから心から“ありがとうございます”と伝えたいです。ありがとう!」と感謝を述べた。秦が選んだのは長澤のデビュー曲“僕らの輝き”。無粋なセンチメンタルなんていらない程、横並びで歌う同期の姿と歌声は力強かった。改めてメンバーを呼び込むと、花束を持った秦?いや、秦に変装した常田が二人に花束を渡す。(その時着ていた常田の服は2014年のツアーで秦が実際着用していたもの)更にモノマネのアテレコはさかいという何ともユーモアたっぷりな登場で会場を湧かすと、全員で“ひまわりの約束”を合唱。NakamuraEmiとUQiYOも加え、最後は福耳の“星のかけらを探しに行こう Again”へ。新しい歌声も加わったこの曲は更に次のステップに進んでいる気がした。「秦、前行け!長澤、前行け!」 山崎が二人を前に出すと両者はお互いステージギリギリの下手側と上手側に分かれ、オーディエンスに近い位置で歌声を響かせる。今回秦は常に全体を冷静に見回しながらも、先輩らしい振る舞いをしたり、思わず笑ってしまったりと、実に様々な表情を見せてくれた。台風の当たり年、雨も覚悟していた今年のオーガスタキャンプは秦の晴れ男パワーも発揮され、雨に見舞われることはなく笑顔に包まれ、素晴らしいセッションの数々で幕を閉じた。

秦 基博、長澤知之の10年に祝福を込めて、長いライヴレポートの幕もここで閉じよう。

Photo by 杉田 真
Text by 秋山昌未



■ セットリスト

□ 第一部 コラボPART<アコースティック・セット>
01. シンクロ
02. 青い蝶(with さかいゆう)
03. 虹が消えた日(with 浜端ヨウヘイ・松室政哉)
04. Dear Mr. Tomorrow(with 竹原ピストル)
05. ディープブルー(with 元ちとせ)
06. 僕らをつなぐもの(with スキマスイッチ)
07. 休日(with 岡本定義(COIL)・常田真太郎)
08. Fast Life(with 杏子・岡本定義(COIL)・あらきゆうこ)
09. 風景(with 山崎まさよし・杏子・あらきゆうこ・大橋卓弥)
10. アイ(with 長澤知之)
11. 夏はこれからだ!(with ALL STARS)※オリジナル:福耳

□ NakamuraEmi
12. YAMABIKO
13. 使命
14. めしあがれ
15. メジャーデビュー

□ 第二部 コラボPART<バンド・セット>
16. あんまり素敵じゃない世界(with 長澤知之)※オリジナル:長澤知之
17. 結-yui-(with 浜端ヨウヘイ)※オリジナル:浜端ヨウヘイ
18. ピエロチック feat.秦 基博(with さかいゆう)※オリジナル:さかいゆう
19. ミサイル・カウンシル(with 岡本定義(COIL))※オリジナル:COIL
20. オレンジ(with 松室政哉)※オリジナル:松室政哉
21. 千の夜と千の昼(with元ちとせ)※オリジナル:元ちとせ
22. ちゅちゅちゅ I want you.(with 竹原ピストル)※オリジナル:竹原ピストル(未発表曲)
23. 女ぎつね on the run(with 杏子)※オリジナル:BARBEE BOYS
24. ボクノート(with スキマスイッチ)※オリジナル:スキマスイッチ
25. ガラナ~Ah Yeah!!(with スキマスイッチ・松室政哉)※オリジナル:スキマスイッチ
26. 春も嵐も(with 山崎まさよし・浜端ヨウヘイ)※オリジナル:山崎まさよし
27. セロリ(with ALL STARS)※オリジナル:山崎まさよし

□ 元ちとせ with UQiYO
28. ワダツミの木
29. Birthday ※オリジナル:The Sugarcubes
30. Ship’s feat.元ちとせ ※オリジナル:UQiYO
31. 君の名前を呼ぶ

□ 第三部 秦 基博 in Augusta Camp 2016 
32. グッバイ・アイザック
33. 花咲きポプラ
34. SEA
35. 70億のピース 
36. パレードパレード
37. キミ、メグル、ボク
38. スミレ
39. 朝が来る前に
40. 鱗(うろこ)

□ アンコール
41. 僕らの輝き(with 長澤知之)※オリジナル:長澤知之
42. ひまわりの約束(with ALL STARS)
43. 星のかけらを探しに行こう Again(with ALL STARS)※オリジナル:福耳

※第一部・三部・アンコールの表記のない楽曲はすべて秦 基博のオリジナル


■ オフィスオーガスタ
http://www.office-augusta.com

■ オーガスタキャンプ2016
http://www.office-augusta.com/ac2016/

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