ー 続く“いらない”はフルートの音とアウトロが好きなんです。
小西:へー、アウトロが好きって結構マニアックですね(笑)。前曲とコード進行が同じだけどテンポが変わった状態のつなぎ曲が、ファンクやフュージョンのライブでよくあるのが、例えばアンコールのひとつ手前、最後の曲が終わるとテンポが早くなって「みんなありがとう!」みたいな感じってあるじゃないですか?
ー ええ。
小西:この曲はその逆ヴァージョン。個人的なThe Rh FactorやD'Angeloのイメージ。同じトラックだけどテンポが違うとか。それを一番最初のライヴ(モダンジャズディスコティーク)でつなぎにやったら面白いなと思ったんです。その時はThe Rh Factorのカヴァーをしたので、それに繋げるためにアレンジを書いたんですが、あのセクションだけでも気に入ったので続けました。
ー “Goodbye Girl”ほどテンポチェンジはないけど、リズムの揺れがとてもグルーブを感じます。
小田:あの曲はやっていく中でみんなが色々なアイデアを出し合ったんです。6曲の中で一番変貌を遂げた曲。
小西:一番最初のライヴとでは全然違って、今聴くと笑うんじゃないかな(笑)。ベーシックな部分は変わらないんですが、テンポや展開やフォームは変えたので、あのフォームを譜面に書きおこすのは面倒くさいよね。ぐっちゃぐちゃで(笑)。
小田:そうだね(笑)。
小西:すごく綺麗で可愛いけどアホでわがまま。超絶美人だからこそ性格がひん曲がってる。そういう女の子が僕は大好きなんです(笑)。とは言え僕はそういう女の子と付き合えないんですけど、そういう女の子に歌詞にあるようなことを言われたいと思って、酔っぱらった時に書きました(笑)。
ー 小西さんの変態性を少し垣間みたような気が…(笑)。
小西:僕はただの、なんの価値もないド変態です!
<一同爆笑>
ー “簡単な気持ち”は井上さんの曲ですが、この中ではポップさがストレートに表現されているのかなと。
小西:このアルバムではポップさがすごくありますね。
ー ただポップさの中に寂しくなる瞬間みたいなものや、エモさが散りばめてる気が。それはどの曲にも感じる部分なんですが。
小西:やっぱりエモさだと思うんです。リーダーの僕がエモさのみで生きている人間なので(笑)。
ー アハハ。
小西:でもオダトモは自分のエモさって自覚してる?
小田:してないな。
小西:でしょ!そうだろうなとずっと思ってたんだ。でもオダトモから出てくる音ってめちゃくちゃエモいんだよね。歌もそうだけど、なによりピアノと作曲が露骨にエモいもの出してくる。
小田:へー。分からなかった。エモいのか、私…。
ー『シャーマン狩り』とは全然違うエモさは感じました。
小西:でも『シャーマン狩り』もすごくエモいと思ったけどな。
ー そうでしたか。CRCK/LCKSとはちょっと違うのかなと思っていたんだけど。
小田:通じる部分はあるんですが、明らかに違う部分もあります。CRCK/LCKSはみんなで曲を出し合っているということもあってか、「私たちの」という想いが強いんです。「私の」というより「私たちの」という感じ。
小西:5人が本当に良い塩梅で出てきているんだよな。
小田:うんうん。
ー 曲ごとに作者だけが際立つのではなく、必要な音がきちんと鳴っているというか。だから “簡単な気持ち”では石若さんのドラムに恋しちゃいましたもん(笑)。
小西・阿部:あれはカッコいい!
ー 小田さんと小西さんのツインヴォーカルの表現力も好きです。あとコーラスの感じとか。
小田:サビの最後、一回だけハーモニーを付けているんですが、あれは銘くんなんです。 私はあの部分がすごく好きで。
ー あの部分気になっていました!小西さんの声じゃないし誰だろうって。
小西:ちなみにあの部分は、音量の変化はつけているけど声のピッチは全然変えていないんです。
ー え?イジってないの?!
小西:イジってない。超頑張って「簡単な気持ちは~♪」って高音で歌ってる。
小田:すごく可愛かった(笑)。しかも本人は「これ、いる?」ってすごい言ってたよね。でも絶対に必要だった。
ー “スカル”は園子温さんの詩を歌詞にしているんですね。
小田:はい。園さんの詩集のアーカイブがネットに載っていたのをたまたま見つけて惚れ込んでしまい、1フレーズだけずっとメロディが鳴っていたんです。それを1年くらい温めていた後に曲として全てのイメージや音が出てきたので、 阿部さんを通じて園さんにご快諾いただき、楽曲化することが出来ました。でも実はCRCK/LCKSの為に書いたのではなく、一年前くらいに角田くんを含めた弦楽カルテット入りの7人編成のために書いた曲だったんです。その時のヴァージョンも大好きなんだけど、この曲をCRCK/LCKSでやったらもっと疾走出来るんじゃないかと思って。で、CRCK/LCKSで一番最初にライヴをした時、この曲でみんな好き勝手なことをし出したんです(笑)。私もアコースティック編成の時とは全然違うことをしていて、最初がフリーインプロみたくなってしまい。
ー それが今のイントロにもあるようなグワーッとした感じ?
小田:そうです(笑)。それがすごく面白かったんです。
小西:CRCK/LCKSというバンドは、みんなが曲を持ってくると大体は良い曲になるんです。勿論みんなの作曲やアレンジ能力、リーダーとしての統率力があるからこそなんですが、CRCK/LCKSというバンド自体にも曲を引き寄せる力がある気がして。曲がもの凄い勢いでブラッシュアップされていく。ブラッシュアップするポテンシャルがない曲だと、多分みんなの自己判断ではじかれるんじゃないかな。「これだったらまだ持っていけないな。」って。その代わり、持ってきた曲では「おー!」っていう感じになる。
小田:一回目のリハで全然形になっていなくても、みんなウズウズし出してくるんだよね。次のリハでは全然違うアプローチを仕掛けてきたり(笑)。ちゃんと一曲一曲に対してみんなが向き合ってくれるから面白いんです。
1. グッバイガール
2. いらない
3. 簡単な気持ち
4. スカル
5. 坂道と電線
6. クラックラックスのテーマ
CRCK/LCKS(クラックラックス)1st EP「CRCK/LCKS」リリースライブツアー
2016年6月16日(木)青山 月見ル君想フ
出演;CRCK/LCKS(クラックラックス)and more…
開場19:00 開演19:30
前売¥2,500 当日¥3,000(どちらもドリンク代別途600円)
2016年6月20日(月)名古屋 今池TOKUZO
出演;CRCK/LCKS(クラックラックス)and more…
開場18:00 開演19:00
前売¥2,500 当日¥3,000
2016年6月21日(火)大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
出演;CRCK/LCKS(クラックラックス) and more…
開場18:00 開演18:30
前売¥2,300 当日¥2,800(どちらもドリンク代別途600円)