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CRCK/LCKS 1stEP『CRCK/LCKS』インタビュー

CRCK/LCKS 1stEP『CRCK/LCKS』インタビュー

May 3, 2016 22:00

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ー 勿論技術が全てではないけれど、これだけ技術のある人たちが集まると、バンド内で自分たちが鳴らしたい音や頭の中のイメージをスムーズに表現出来るのは大きいですよね。

小西:そうですね。しかもセフルプロデュースまで出来るポテンシャルをみんな持っているし。

小田:自分が思った通りというよりは、それ以上になるケースが多いかな。

小西:うんうん、それは絶対ある!多分自分の思った通りのことは、今まで自分たちのプロジェクトでそれぞれが経験していると思うんです。完全に思った通りとはいかなくても、それに近いことは。つまり全てが自分の中心にいる状態。例えば角田は、“ものんくる”だし、駿も自分のプロジェクトを動かしている。銘も自分の名義でアルバムも出してリーダーとしても固定メンバーで活動をしているし、オダトモもいくつかやっているしね。

小田:うん。ドラマーの田中教順さん(dCprG)と「エビデュオ」というユニットを組んでいるんですが、そこではオリジナル曲ではなくカヴァーのみ。筋肉少女帯からブルガリアン民謡まで何でもやるんです(笑)。

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ー 面白い!というか、すごい(笑)。ちなみにお二人って、ルーツになる音楽はどういうところなんですか?

小西:それって結構難しいんだけど、一番最初に買ったCDで言うと僕は浜崎あゆみさんだけど(笑)。

小田:私はユーミン。

小西:あ、でもユーミンは親が聴いていたこともあって僕も結構聴いていたな。あとキャンディ・ダルファーとか。

小西:僕も秋山さん同様、音楽的にはすごく雑食なんです。まぁ筋肉少女帯からブルガリアン民謡までいけるかは分からないけど(笑)、グレゴリアン・チャントからノイズまではいけます!


ー アハハ、それも凄い。

小西:その時々のルーツというかブームがあって、その振り幅が激しいんです。大学一年の頃は、それこそ菊地成孔さんや大友良英さんを真っ暗な部屋でヘッドフォンしながらスピーカーでも流して大爆音で聴いているみたいな感じ(笑)。

小田:いっぺんに両方で聴くんだ(笑)。

小西:それが凄いんだよ!耳の近くでも超聴こえるし、肌でも感じるから。そうやって学校の防音室で聴いていました。


ー 面白い!その発想はなかったです。

小西:でも高校の頃は椎名林檎さんやサンボマスターをよく聴いていましたね。


ー なるほど。椎名林檎さんのイメージって、今作『CRCK/LCKS』の“Goodbye Girl”の歌詞観や歌の表情で感じられたんですが、でもこの曲は小田さんが作詞作曲されたんですよね。

小田:はい。

小西:確かに初期の林檎さんの世界観はあるかな。『無罪モラトリアム』とか『閃光少女』あたり。“Goodbye Girl”の設定がそうなのかもしれないけど。ちょっと自暴自棄というか、落ち着かない少女の姿が描かれている感じ。

小田:自分で意識したことはないしあまりピンと来ていないんですけど、最近よく言われますね。一時期すごく好きだったのは確かです。


ー でも真似しているというわけでもないし。

小西: そうそう。しかも影響を受けたっていう感じでもないんだよね。

小田:ルーツ的なものや好きな音楽って無意識に自分の血肉になっている部分はあると思うんです。そういう意味での一番最初のルーツはクラシックになるのかな。母のお腹にいる頃、母がよくショパンを弾いていたせいか、異様に三拍子やワルツが好きだし(笑)。

小西:胎教だ。

小田:まあ胎教レベルまでいかなくても、無意識に出てくる部分ってあると思うんです。 だから“Goodbye Girl”は結果的に近い雰囲気になったのかもしれません。ただ、この曲の女の子の感じって全然特別じゃないと思っているんです。すごく普遍的というか。


ー 普遍的?

小田:私、女の人ってすごく矛盾していると思うんです。自分でもそうなんですが、すごく感情に振り回される。端的に言ってしまえば、生理の時にすごく機嫌が悪いみたいな。    


ー なるほど。

小田:昨日と今日では言っていることが違うとか、自分でも説明出来ないようなことしちゃったりとか。少し前までそういう女の人の矛盾した感じが大嫌いだったんですが、最近少しは大人になったのかやっと受け入れられるようになってきて(笑)、すごく面倒くさいんだけどすごくキラキラしているなと思えるようになってきて。なかなか自分のことは客観的に見られないんだけど、他人の矛盾を見ているのはすごく好きなんです。だからそういう二面性というか、言っていることがコロコロ変わっちゃう感じを曲で表現したくて、テンポチェンジを多く取り入れていました。


ー あのテンポチェンジは素晴らしいです!あと小西さんのヴォコーダーも好きです。クールなのに胸がきゅっとなる感じがして。

小西:良かった。 エモいですよね。


ー エモい、エモい!

小西:しかも“Goodbye Girl”を最初にプレイした時には鍵盤を使ったヴォコーダーだったし、今入っている部分には入っていなかったんです。最初に入れた時は苦し紛れ感があったから、あの感じがしっくりきたのはだいぶ後からですね。でも結果的に皆さんから好評価を頂いているので嬉しいです。

小田:サックス奏者なのに、ほとんどサックスは吹かない(笑)。

小西:そうそう(笑)。

小田:小西くんはあの曲で最初は踊っているだけなんだけど(笑)、段々と色彩を足す音を重ねてくれて、最終的には豪華になってくるんです。


ー そういう組み立て方って面白いですよね。

小西:やっていても面白いんです!組み立てることがすごく楽しくて。「あぁ、なるほどな。この曲はこうやると“正解”なんだな。」って。

小田:そう、“正解”を探していくという感覚はすごくある!


ー ハラサオリさん出演のミュージックビデオ(以下:MV)も楽曲の雰囲気にマッチしていて良い仕上がりでしたね。

小田:ありがとうございます!

小西:MVはオダトモと僕とハラさん、撮影監督の澤野洋土さんと撮影補助の松林大貴さんの5人で考えたんです。あの曲はオダトモの曲なので、どういう曲なのかを皆でハッキリ共有しました。

小田:実は撮影のプランを練る時に私がミャンマーに行って不在だったので、小西くんに私の持っているイメージを伝えました。ハラさんは最近一番仲が良い人なんですよ。


ー そうだったんですね。以前から交流があるとは伺っていましたが。

小田: 彼女の映像に私の音楽をつけるなど、5年以上色々な形でコラボをしていました。だから彼女のことはとても信頼していたし、矛盾しながらも力強く進んで行くこの曲の主人公のイメージにピッタリだったので、お願いしました。小西くんはとにかくパワフルなんですよ。バンドの音を作る時もそうなんだけど映像を作る時も、もの凄く動いてくれて撮影当日もリヤカーをガーッと押して彼らと一緒に撮っていたし。超有能なスタッフでした(笑)。

小西:アハハ。作ることが好きなんです。勿論一番は自己表現ですが、人の表現を手伝うのも楽しいですし好きなんです。ハラさんとオダトモの二人で三月中旬にイベントをやった時も、人手が足りないから手伝ったんですがそれもめちゃくちゃ楽しかった。

小田:音楽でもそうですが、映像の時もそれ以外の時も、最善の方向へ向かうために自分はどう動けば良いのか、何をやるべきかを常に考えている人なんです、小西くんは。

小西:CRCK/LCKSや「象眠舎」もそうなんですが、一人で何かをやっているより誰かと一緒にやって、その人たちのアイデアに対して足したり引いたりしていく方がもっと気持ち良いことに最近気づいたんです。昔はフライヤーも自分で作っていたし何もかも一人でやっていた。まぁ今でも台本や譜面は全て自分で書くんですが。

  リリース情報

CRCK/LCKS
「CRCK/LCKS」

2016年4月20日発売

-収録曲-

1. グッバイガール
2. いらない
3. 簡単な気持ち
4. スカル
5. 坂道と電線
6. クラックラックスのテーマ

CRCK/LCKS

CD

APLS1605 / 1,800円(本体価格)+税

  インフォメーション

CRCK/LCKS(クラックラックス)1st EP「CRCK/LCKS」リリースライブツアー

2016年6月16日(木)青山 月見ル君想フ
出演;CRCK/LCKS(クラックラックス)and more…
開場19:00 開演19:30
前売¥2,500 当日¥3,000(どちらもドリンク代別途600円)

2016年6月20日(月)名古屋 今池TOKUZO
出演;CRCK/LCKS(クラックラックス)and more…
開場18:00 開演19:00
前売¥2,500 当日¥3,000

2016年6月21日(火)大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
出演;CRCK/LCKS(クラックラックス) and more…
開場18:00 開演18:30
前売¥2,300 当日¥2,800(どちらもドリンク代別途600円)

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