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NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』インタビュー

NakamuraEmi『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』インタビュー

January 20, 2016 20:00

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ー 厚木という土地は、音楽カルチャーとしてもレゲエやヒップホップが根付いていますしね。

そうなんです。彼らはその日その日でお客さんの雰囲気や天気、出来事をフリースタイルとしてライヴに取り入れるから、自分にとってはすごく衝撃で。だから私も「音楽」を変えるというより、「自分」を変えたいという気持ちが強くなっていきました。当時の私は人に流されるし、「はいはい。」と人の言うことに従っていれば楽だったから、そういう部分を含めて、色々と変えないと駄目だと思ったんです。もうそのことで頭が一杯だったから、音楽で食べていくとか、ましてやメジャーデビューなんて考えられなくなっていました。音楽は自分の仕事や家事、恋愛があって出来るものだから、まずはそういうものが一番。だからこそ音楽が楽しいという状態で。


ー じゃあ、今回のメジャーデビューの話があった時は、正直戸惑いもありました?

メジャーデビューもそうだけど、事務所に所属するということが戸惑いでした。事務所に入って音楽をお仕事にするという肝も座っていなかったし、自分は違う仕事をしながらでないと音楽を作れない人間だと思っていた。だからオフィスオーガスタと出会ってから半年は、所属の意志を固められずにいました。


ー 今作『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』は今迄の『NIPPONNO ONNAWO UTAU』シリーズからの楽曲も入りつつ、それ以前の楽曲も収録されているんですよね。

“I”と“オネガイ”がそうです。 “オネガイ”は、ライヴではずっと歌っていましたが、音源化は初なんです。


ー 今回はその曲たちを含む全曲を新録ということで、レコーディング合宿をしたらしいですね?

しました!大変でした。特に “YAMABIKO”が…。


ー ずっとライヴでも歌われてきてミュージックビデオもある、いわばEmiさんの代表曲のひとつでもあるのに?

そうそう!でも逆にライヴでやりすぎていたからかもしれません。たとえライヴでカッコ良く見えたとしても、それはパフォーマンスという視覚要素やその場のグルーヴがあるからのことで、それと同じ熱量やイメージでレコーディングをすると、逆に伝わらなくなるし、聴く環境で大きな違いがあると思うんです。 私が目の前で動いていない状態…例えば自分の部屋で音源として“YAMABIKO”を聴くとか。


ー なるほど。それは確かにかなり変わる部分ですよね。

それと、いつもドラムを担当してくださっている方の他に、TOMO KANNOさんにもドラムで参加して頂いたんです。私はブラックでグルーヴのあるドラマーが好きなので、TOMOさんのドラムも大好きなんです!お陰で新しい“YAMABIKO”が出来ました。でも新しく出来上がった音や、変化したリズムにまず自分が付いていけていなかったんです。それと併せて、最初はライヴでのプレイと同じものを出していたので、そこでのグルーヴもリンクしなくて、そこが本当に苦労しました。しかも新録ってやはり難しいんですよね。以前収録されたアレンジのイメージがあるので。でもそれを壊さず、今、自分たちが思っている素直な気持ちや、イメージとして目の前に広がっている映像をそのまま音に出せるようにしたいと思ったんです。だから昔の“YAMABIKO”が良いという人がいれば、新しい “YAMABIKO”が良いという人もいると思うんです。でも「それで良いね。」って言いながら作った音源なので、これはこれで沢山の仲間が増えて出来た新しい作品として聴いて頂けたら嬉しいです。


ー “YAMABIKO”は、色々な「道」を目指す人への歌詞が印象的だし、心が折れかかっても力が沸いて出るんですよね。

ありがとうございます!この曲は実際に出会った人たちを見て感じたことを、そのまま書いているんですが、自分自身は弱くてコンプレックスも多くて気も小さい人間なんです。だからこそ色々な場面で打ちのめされることが多くて、家に帰ってから「何で言えなかったんだろう。もっとこういう言い方をしたり、ハッキリと言えたなら伝わったかもしれないのに。」って考えちゃうんです。


ー 分かり合えなかった上司とのことがきっかけで生まれた“I”みたいに?

まさにそうです。でもそこで、駄目だ駄目だって言っていてもどうにもならないから、いつかまた同じような状況に出くわした時に、「もっとこうしたら違う結果が生まれているかもしれない。こうなれるじゃん!」ということが全部曲になっているんです。だから正直どの曲も、人の背中を押すというより駄目すぎる自分に、もう一度喝を入れて頑張れるようにと思って書いた曲ばかりなんです(笑)。


ー でもそれを自分の環境に置き換えて聴いた人たちは、同じように力を貰えている気がするんですが。

そうだと嬉しいです。


ー 話は遡りますが、2012年からリリースしている『NIPPONNO ONNAWO UTAU』。このアルバム名の由来を教えて頂けますか?

当時、アルバムのタイトルを考える時に、自分の周りの女性について考えました。私はいろいろな職場経験してきたので、その中で沢山の素敵な女性に出会ってきたんです。そういう方々から「こういう風に考えたら、もっと私も変われるのかな?」とか「こうやって接していれば、人は和むんだ。」とか色々なことを教えて頂きました。更にこの時期、いつかこういう女性になるために頑張ろうと思って出来た曲が沢山仕上がったので、こういうタイトルにしました。


ー なるほど。

でもタイトルだけを読むと、「日本の女の代表です!」みたいな感じにも見えちゃうけど(笑)、全然そんなことはなくて。


ー アハハ。でもそういう中でも“スケボーマン”と “オネガイ”は男性の目線で書いた楽曲ですよね。

そうです。


ー 大切なものを手に入れられる幸せって格別だけど、 “スケボーマン”を聴いていると、好きなことだけを自由にやっていた頃とは違うんだと、少しの切なさや胸の痛みを感じました。

地元の仲間たちも高校生の頃は馬鹿ばっかりやっていたけど(笑)、結婚した友だちに会うと「これから子どものことも考えているから、仕事を変えようと思っているんだ。」とか、「すごくやりたいことはあるんだけど、もう結婚しているしどうしよう…。」なんて、それぞれ今迄とは違う悩みが話題に上がり始めて。女性って、結婚してからも仕事を続けつつ、どこか寄りかかれるという意識もあるから結構自由な部分もあるのかなと。でも男性はちょっと違うんですよね。二人で支え合うと言っても、やっぱり男性は男性の覚悟があると思うし、実際男友だちを見ていると、そう感じました。


ー それをスケボーというワードと重ねた理由は?

街でスケボーに乗っている人を見かけたんです。交通手段として電車でもバスでもなく、スケボーに乗っている。それが何かカッコ良く見えて。きっとその人だけにしかない、揺るがない何かがあるからスケボーを選んでいるんだろうと。


ー そう言われると、ただのファッションやスポーツとは違う想いが、男性の決意や切なさにもリンクしますね。

スケボーって騒音問題もあるし、嫌がられる要素もあると思うんです。 でもあえてスケボーに乗るその姿が、決意する友だちの姿とダブりました。
 

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  リリース情報

NakamuraEmi
「NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST」

2016年1月20日発売

-収録曲-

01. YAMABIKO
02. スケボーマン
03. All My Time
04.I
05. 台風18号
06. オネガイ
07. 女子達
08. プレゼント~繋ぐ~
09. 使命
10. 七夕

□ iTunes
https://geo.itunes.apple.com/jp/album/nipponno-onnawo-utau-best/id1064840586?at=10lc6U&app=itunes

NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST

CD

COCP-39398 / ¥2,700+税

NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST

LP ※数量限定販売 ※本人直筆シリアルナンバー入り

COJA-9301 / ¥4,000+税

  インフォメーション

NakamuraEmi
"NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST"~Release Tour 2016~


5月17日(火)大阪 JANUS
開場18:30 / 開演19:00
席種:全自由 チケット一般発売日:3/26(土)
お問い合わせ:グリーンズ 06-6882-1224

5月18日(水)名古屋 TOKUZO
開場18:00 / 開演19:00
席種:全自由 チケット一般発売日:3/26(土)
お問い合わせ:ジェイルハウス 052-936-6041

5月25日(水)東京 代官山UNIT
開場18:30 / 開演19:00
席種:全自由 チケット一般発売日:3/26(土)
お問い合わせ:ソーゴー東京 03-3405-9999

チケット料金:¥3,000(税込)ドリンク代別

□ CD購入者先行
1/20(水)12:00~1/31(日)23:59
3/26(土)一般発売

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