POPSCENE - ポップシーン
POPSCENE - ポップシーン
OverTone、八上和希が語る「山本選手と出会わなければ生まれなかった曲」とは。ニューシングル「バックナンバー」インタビュー

OverTone、八上和希が語る「山本選手と出会わなければ生まれなかった曲」とは。ニューシングル「バックナンバー」インタビュー

March 29, 2023 17:00

OverTone

0
シェア LINE

ー OverToneで「ニシグチーム」グッズ作れば良いじゃん!

八上:特攻服とか。

GUCCHI:エグいな(笑)。でも地元はだいぶ沸きますね。


ー お二人の話が面白すぎてこのまま終わりそうなので(笑)改めて新曲「バックナンバー」の話を。とてもポップで爽快感すらあるのに背中を押してくれる力強さもあって。この曲はWBC2023でも活躍しているオリックス・バファローズ山本由伸選手へ捧げる応援歌だとか。

八上:捧げるというより、彼と出会ってから自分達も刺激を受けることが多くなったので、そこからイメージが湧いてきた曲なんです。歌詞の“世界で一番低い山”は、ピッチャーマウンドのことを書いているので、山本選手と出会わなければ生まれなかった曲ですね。


ー 山本選手と初めて会ったのはいつですか?

八上:3年くらい前ですね。僕の知り合いが「山本選手がOverToneの曲をめっちゃ聴いてるよ。」って教えてくれて食事に誘っていただいたんです。それで食事に行く日が決まったその日に新しい服を買おうと思って歩いてたら、たまたま山本選手がいて「八上さん!」って声を掛けてくれたんですよ。少し前に山本選手の顔を調べておいて良かったー(笑)。実は僕、野球を全く知らなくて。でも他のメンバーは野球を知ってるから「山本選手がOverToneのファンらしいで。」って言ったら3人ともめっちゃ沸いていました。でも嬉しいですよね。


ー 今回のタイミングでこの曲を書こうと思ったのは何か理由があったんですか?

GUCCHI:元々、新しい季節に向けて応援ソングを書きたかったんです。その上で山本選手から受けた刺激は、自分たちが考える<応援ソング>というテーマに合うと思ったんです。この曲は、“やるのかやらないのかどっちなんだい?”というあの芸人さん(笑)のネタを思わせる歌詞から始まりますが、僕はあのセリフがすごく好きでずっと歌詞にしたかったんです。ただコメディーっぽくはしたくなくて。めちゃくちゃシンプルだけど、やるのかやらないのかは本当に自分にしか決められないし人にやらされても意味がない。それを野球と関連付けて歌詞にしました。僕自身もずっと野球をやっていて、小学校5年生から中学校3年生までピッチャーだったんです。だからピッチャーの感情も少なからず分かるし、ひとりのスポーツマンとして過去を思い出しながらずっと書いてきました。先程八上も言ったように「世界で一番低い山」はピッチャーマウンドのことですが、ピッチャーマウンドって2歩くらいで上がれるんですよね。でもそこに行くまでの険しさを当時も感じていたので。

八上:2月中旬くらいに音源が完成したので、そのタイミングで山本選手に送って聴いてもらったんですが「なかやまきんに君がウロウロしてました。」言ってましたね(笑)。でも喜んでくれていました。


ー そうでしたか。個人的には結果重視の人に対して“苦しいだろうけど背中で語れ”という歌詞がすごく好きです。

GUCCHI:ありがとうございます!

八上:僕は今の自分達だからこそ歌える曲だと感じてます。まだまだこれからという自分達が歌うからこそ意味を持たせられるというか。もしアリーナ級のツアーを回れるくらい売れて大成功しているアーティストが歌ったら、それはそれで説得力があるかもしれませんが、“結局成功しているもんな”ってひねくれちゃうというか……。でもこれから成功していく物語の中で歌うからこそ成功した時に大きな説得力が生まれると思うんです。


ー 今回の曲を、例えばカラオケで歌ったりカヴァーしようと思った時はどういうところにポイントを置くと良いですか?

GUCCHI:この曲、結構難しいんですよね。テンポは速くないんですが言葉を詰め込んでますし。

八上:繰り返すサビは、リズム隊がバンバンバンって入ってくる後半でいかにグルーヴ感を出せるかがポイントですね。僕に逐一動画を送って欲しいです。ちゃんとチェックしてからお戻しするので。

GUCCHI:うざっ(笑)。


ー アハハ。でも確かにグルーヴ感は大切ですね。

八上:そうなんですよ。歌が上手くてもリズム感がそんなにない人が歌うとノッペリしちゃうからそこは重要です。


ー ちなみにお二人が“やったこと”、“やらなかったこと”は?

八上:えー、なんやろな……やらかしたことでもいいですか?


ー ではやらかしたことで(笑)。

八上:僕、ずっとサッカーをやっていて、小学校2年生から中学生までずっとゴールキーパーだったんです。でも子供の頃ってゴールキーパーは人気のないポジションで。みんなやっぱりゴールを入れたいから前に出たがるし、オフェンスはシュートを外しても責められないけどゴールキーパーがゴールを入れられたら責められる。だからみんなやりたがらないんですよ。でも僕は冬場に走って肺が痛くなるのがめっちゃ嫌だから(笑)、それを悟られないように「僕、ゴールキーパーやりたいんです。」って監督に申し出てゴールキーパーになりました(笑)。で、中学の時、結構圧倒していた試合で油断してたのかゴールポストに手をつきながら当時流行っていたEXILEの「Lovers Again」をちっちゃい声で歌ってたんですよ。“ひとりでは〜♬”って。で、気付いたいつの間にかゴール入ってて。なのに僕「お前ら何してんねーん!」って味方を責めまくったから、みんなにドン引きされた上にスタメン外されました(笑)。


ー それはかなりのやらかしですね(笑)。ではGUCCHIさんもお願いします。

GUCCHI:じゃあ僕はちょっと真面目パターンで(笑)。先程野球をやっていた話をしましたが、小学生の頃から土日含めて毎日野球をやっていて、“マジで俺はプロになるんだ。多分このままやったらほんまになれる”と思って、中学も野球部に所属、高校から本気でプロ目指す為に野球の強い高校へ願書を出しに行ったんです。でもその日、練習を見て“あれっ?”って感じる部分がちょいちょいあって。ただ強いって聞いてるし、もうこの学校に決めたから気合入れて入部したんですが、弱いというか覇気がなくてそこで一気に萎えてしまって。ただ野球は好きでずっと続けてきたから実業団とか色々探したんですが、経済面の問題などありつつ結局不本意ながら野球を諦めたんです。それでその時、同じく好きだった音楽をやろうと決めたんですが、野球は途中で尻尾巻いて辞めてやり続けなかったので、まぁ現在進行形ですが音楽は一生やっていこうと思って。


ー 格好良いですね。

八上:あの……僕、やり直しても良いですか?

<一同爆笑>


ー 曲の話に戻りますが、今作はUNCHAINの谷川正憲さんのプロデュースで、演奏もUNCHAINのメンバーが担当されたそうですね。

GUCCHI:そうです。今回UNCHAINさんとは初めてお仕事させていただきましたが、まず曲の構成がガラッと変わったんです。例えば2番の“辛い苦い痛いが無い〜”の部分は最初なかったし、“やるのかやらないのかどっちなんだい?”の回数も増えました。それで自分自身がもう一つ何か欲しいと思っていたことがスッと解決しましたし、どこを一番聴かせたいかなどの構成を勉強させてもらい、この1曲だけで少し成長出来た気がします。それに今回初めてバンドの音を入れてもらったんですが、生感が全然違いますね。ライヴだと打ち込みか生のバンドサウンドかで更にパッションが変わってくると思います。


ー 現在卒業シーズンですが、お二人の卒業の想い出は?

八上:卒業式の最後、校歌や「旅立ちの日に」を歌う時に泣き出すことが多いと思うんですが、僕、中学時代の先生や友達への愛が強くて入場でボロ泣きしました!それで死ぬほど練習した歌をひとつも歌えず、僕につられてみんなが泣いてる感じになっちゃって。でも教室に戻った時に担任の先生が「みんなのために歌を練習してきたねん。」ってラジカセでアンジェラ・アキさんの「手紙」を流して泣きながら歌っているのを見た時はちょっと引きましたね。

GUCCHI:そこは感動せーや!


ー アハハ!そんなGUCCHIさんは?

GUCCHI:僕は小・中学校の友達と今も仲良いんですが、中学生の頃、事前に寄せ書きした卒業アルバムを卒業式前日にみんなで友人の家に泊まって見ようということになったんです。最初はワイワイしていたのに10分ぐらいしたらみんなグッチャグチャに泣いてましたね。ちょっと恥ずかしいけど「淋しいなぁ……」って言いながらすごく泣いたことを今でも覚えてます。

八上:青春やん。


ー 良い想い出ですね。まだ先ですが、6月からの全国ツアー【OverTone Live Tour 2023】も楽しみですね。

八上:地元、大阪のなんばHatchはOverTone史上最大のキャパなんですが、今の目標はより上を目指して大阪・Zepp Namba単独公演をソールドアウトなので、そのためにも絶対に成功させないといけないツアーです。まずは幸先良くスタートできるようにチーム一丸となって想いを一つに頑張っていきたいなと思っています。


ー 最後にポップシーン読者の皆さんに一言ずつお願いします。

八上:まさに僕たちはJ-POPというジャンルで戦っていますが、これからのJ-POPシーンを代表出来るアーティストになるのでチェックしていただきたいです。

GUCCHI:八上も言いましたが、僕らの軸はポップスというある意味ライバルが多いジャンルです。その中でOverToneらしさ、OverToneにしか出来ないことを結成してから5年をかけて徐々に研ぎ澄まされてきました。多分これからもっともっと洗練されていくし、本当にJ-POPシーンを席巻出来るようなアーティストになりますので、どうかチェックをよろしくお願いします。


ー ありがとうございました!


インタビュアー:秋山雅美(@ps_masayan


■ OverToneオフィシャルHP
https://overtone0906.com/

Information

Music Streaming