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高橋優が描く未来とは?「Piece」インタビュー!

高橋優が描く未来とは?「Piece」インタビュー!

September 22, 2021 18:00

高橋優

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ー 確かにネットや周りの言葉に耳を傾けすぎて、自分がどうしたいかとか何がやりたいのかとか、気が付いたらおざなりになっているのかなと、歌詞を観て気付かされました。

子供の時から何かやらない理由を探せばいくらでもあるというか、やると決めた時に必要なものは自分の意思しかないじゃないですか。


ー ええ。

特に夢を追いかけたり自分の趣味の時間を持ったり。そういう自分の気持ち的な部分を上げる為のもの…例えばそれこそパズルとかプラモデル、何でも良いんだけど「それをやってる意味は何?」と聞かれたら、世の中的にはそんなに生産的なものではないじゃないですか。一見すると歌を歌ってることだってそんなに生産的なことではなく見える時もあると思うんです。特にプロじゃなくて路上ライブをしていると「やめちゃえばいいじゃん。疲れるだけでしょ。」って言われることもあるし、それよりもっと建設的なことや生産性のあること、みんなと同じ普通のことをしていた方が良いとされる風潮みたいなものがあって、誰かが考えた普通に乗っかったり、無難に何もやらないでおく。


ー 自分がやりたいことより、人の目や言葉を気にして普通というパズルのカタにはまるとか?

そうそう。でもあえて今日は頑張ってみようとか、あえて自分の夢を追いかけてみようとか、他の人から見たらちょっと変わってるかもしれないけど、自分はこう思うということにチャレンジしする。そういう…何ていうんだろう……はみ出るみたいなところも今回のテーマなのかなと思います。うまいこと合わさらなくたって良いじゃないかってね。JICAの方々も自身の活動に対してのポリシーがすごくあるので、曲のやりとりをさせていただく中で、「JICAにはもっとこういう想いもありますので、こういう言葉も入れてください。」みたいな話は何度かありました。JICAさんには「世界もあなたも可能性に満ちている。」というキャッチフレーズがあって、それはつまりポリシーそのものなんですが、今はあまり良くないけど未来はきっと良くなるというニュアンスにはして欲しくないと言われたんです。今も良いけど未来も可能性に満ちてるというニュアンスにして欲しいって。そういうことを楽曲制作においてリクエストされることが今までなかなかなかったので、何か新しい試みというか、色々な人と関わりながら曲を書かせてもらえる貴重な経験でした。


ー それとミュージックビデオ(以下:MV)も観させて頂きました!曲は勿論良いけど、あのMVもめちゃくちゃ好きです!

ありがとうございます!皆さんにも本当にいっぱい観て欲しいです。暑い中、結構頑張ったので(笑)。


ー あの銭湯って京成小岩の「鶴の湯」さんだよね?

え?何で知ってるんですか?!


ー 銭湯ファンだけでなく、あのレトロな佇まいは結構人気というか。撮影はどうでした?


銭湯って大抵クーラーの設備があまりちゃんと整っていないというか、基本的には扇風機なので……何ていうか涼しくなくて(笑)。あれは想定以上に過酷な撮影でしたね。


ー あんな爽やかな顔をしていたのに。

いえいえ(笑)。でもスタッフも大変だったと思いますよ。みんな汗かきながらやってましたし。


ー 「one stroke」を思わせるシーンにはクスッとしたし、タイルの模様が変わったりケロリンの音湯桶がリズムに乗って動いたりするのもポップでした。監督は「ever since」のMVに続き、高田青二才さん。銭湯と優くんって何だかとても合っている気がしました。すごく自然というか。

多分、“近所の兄ちゃん”感なんでしょうね。


ー これ、なるほどねって言って良いとこなのかな(笑)。

いやいや、大切だと思うんですよね。僕ね、カリスマ性とか山のてっぺんにいそうな人とか白タイツが似合いそうとか、元々あんまりそうなりたいと思ったことないんですよね。


ー 王子様的な感じ?

そうそう!いや、いますよ、たまに僕のことを王子様っぽく言ってくれる人も、一応ね(笑)。ただ僕自身としてはやっぱり自然体でいたいし、誰と話していても一緒なんです。いつもこんな感じ。勿論ライヴで話す時にはちょっとテンション高いとかはありますが。


ー 確かにラジオとかテレビに出ている時と今ってそんなに変わらないよね。

でしょ!だからその感じがMVに出てきた銭湯の番台の兄ちゃんに合ってるというか、しっくりきてるんでしょうかね。(取材時)まだ感想をそんなにいっぱい聞いていないので、秋山さんの感想がすごく新鮮だけど、でも僕自身もあれは気に入ってます。


ー あと最後のマッサージチェアーのシーンが良かった。あれ何て言ってるの?

“ぬぐだまったぁ”ね。あれは秋田弁で“体が温まったなぁ”という意味の言葉です。


ー なるほど。曲もすでに大好きになっているけど、このMVもやっぱりかなり好きだな。

嬉しいですね。暑い中で頑張った甲斐がありました(笑)。それに演技経験って多少ありつつもまだまだ勉強中の部分が多いので、「番台さん役」の演技をする上で、本物の番台さんの動画とかを観たりはしましたけど。


ー 番台さんの動画があることにビックリなんだけど。

今は何でもありますからね。番台さんが日々やってるルーティーンワークみたいなのを自分なりにちゃんと落とし込んで出来るか考えながらやってみました。それは大変だったところでもあり、一番楽しませてもらった部分でもありますね。今回のMVは箭内さんがアイデアを出してくれたんですが、箭内さん曰く、ウイルスとか色々汚れた世の中を浄化しているイメージだそうです。何かを綺麗にしていたり整えているイメージなので、クリーニング屋さんとかその他アイデアが出ましたが、今回色々な巡り合わせで鶴の湯さんで撮影させて頂きました。


ー 冒頭でライヴの話もしましたが、10月からはツアー【高橋優 LIVE TOUR 2021-2022「THIS IS MY PERSONALITY」】が始まりますね。

もしかしたら状況は今とそんなに変わってないかもしれないけれど、とにかく健康で!スタッフ一人一人もそうだし僕自身もそう。最近は何をやらかしたかにフォーカスが当たって、すごく叩き合ったりいがみ合ったりしているように見えるんですが、何をやったかもそうだけど、それよりちゃんと健康だったことを喜ぶべきじゃないかな。それを忘れてる人もちょっと多い気がするんですね。無事で良かったという話はさておき、“でもあんなことがあったんだぞ!”って責め立てる。そこは健全じゃないなというか……。ツアーをやることに関しても、もしかしてまだ色々な声が聞こえてくるかもしれない。でもとにかくみんなが健康だった。みんなが楽しかったって思えるよう最善の策を尽くしたいです!


ー ありがとうございました。


インタビュアー:秋山雅美(@ps_masayan


■ 高橋 優 オフィシャルサイト
https://www.takahashiyu.com/

■ ワーナーミュージック・ジャパン HP
https://wmg.jp/artist/takahashiyu/

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