【レビュー】aiko『相思相愛』
April 23, 2024 17:00
aiko
5月8日にリリースされることが決定しているaikoの45枚目シングルから表題曲「相思相愛」の配信が4月12日にスタートした。この曲は現在公開中の、劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の主題歌としてすでに話題を呼んでいる。
タイトルは「相思相愛」だが歌詞を読み進めると、過去のものと考えられる沢山の経験や想い、些細なことなのに自分にとって重要なことなど、一見すると相思相愛とは言い難い切なさも伺い知れる。だがコナンファンは、服部平次と遠山和葉の関係をはじめ、歌詞のいたるところでコナンの世界観を感じ取っているのではないだろうか。
曲の中でひとつのキーワードとなっている歌詞、“あたしはあなたにはなれない”は、相手への尊敬。ただ優しいとか楽しいではなく、尊敬出来ること。それはaikoが恋愛で大切にしていること。また自身もコナン好きと言うだけあって、aikoらしい言葉のセンスで映画を説明しすぎず、しかし見る人が見ればニヤリとしてしまう言葉のオンパレード!
更に今作では、ブルーノート・スケールを多用した“aiko節”を極力抑えているのも印象に残る。プロデューサーにはトオミヨウ氏を迎え、シンプルな歌声と、バラードではあるが力強さやポップさを巧みにに取り入れたサウンドで、大切な人を想う心をより強く感じ取れる一曲となっている。