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【レビュー】Murakami Keisuke『Dawn』

February 23, 2023 10:30

Murakami Keisuke

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【レビュー】Murakami Keisuke『Dawn』

時代は巡る。新たな羽をつけて。You TubeやSNSがなかった1980年代の日本では、バンドであれアイドルであれ歌謡曲のDNAを軸に新風の如く取り入れられたシンセや洋楽のリズム、メロディがエッセンス(たまにエッセンスを超えるものもあったが)となりヒットチャートを賑わせていた。しかし40年の時を経た今の邦楽は違う。世界と繋がり、ネイティブやそれに近い感覚で音楽の創造、発信、聴くことを自由に楽しむ。

前置きが長くなったが、最近自身が好きなものや格好良いと思えるものにマインドを振り切り制作に取り組んでいるMurakami Keisukeの変化もそのひとつだ。新しいものを創り出す葛藤をテーマにした今作「Dawn」は、80年代のシンセポップにMurakamiがインプットしてきたビートが刻まれている。メロやシンセの音色は懐かしさもありつつ、トラックのクールさとループの心地よさで現代らしさを表現。シンセはボトムを効かせてカラフルにしすぎていないのも良い。アレンジを担うのは日系ブラジル人プロデューサーRenato Iwaiと、ギタリストElias ThiagoによるプロジェクトCity Bossa。Renato Iwaiは前作「Midnight Train」でもアレンジを担当しており、筆者は勝手にMurakamiとの音楽的相性が良いと感じている。そして今回Murakamiと共にリリックを手掛けたのはジョージ・ブラウン(Kool & the Gangのオリジナルメンバー)を父に持つシンガー/ラッパーのgb。神や妖精のような神秘的な存在がいたずらに近寄ってきては遠ざかっていく姿に喩えて表現したという今作。Murakamiの創造の夜明けを感じてはいかがだろうか。


■ Murakami Keisuke オフィシャルサイト
https://www.murakami-keisuke.com/

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