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【レビュー】星野源『異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)』

July 20, 2022 18:00

星野源

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【レビュー】星野源『異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)』

星野源の新曲「異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)」がリリースされた。星野源といえばVアニメ『SPY×FAMILY』のエンディングテーマとして書き下ろした前作「喜劇」がSpotifyのグローバルバイラルチャートにランクインしたことをきっかけにSNSでの広がりだけでなく、DJジャジー・ジェフと音楽プロデューサーのカイディ・テイタムによる「喜劇 (feat. DJ Jazzy Jeff & Kaidi Tatham)」がリリースされるなど、海外でも大きな話題となっており、その熱は未だ覚めやらない。そんな中リリースされた「異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)」は7月22日(金)に公開される映画『ゴーストブック おばけずかん』の主題歌となっており、楽曲の一部が公開された予告編の段階で早くも話題に。更にMUSIC VIDEOのディレクションは大ヒットアニメ「呪術廻戦」第1期のエンディングの作画を手掛けたアニメーター・五十嵐祐貴が担当したこともあり、こちらも大きな話題を呼んでいる。

無論映画的にはなんら違和感ないが、フィーチャリングが“おばけ”というのはやはり何度観ても可愛い。おばけを想像させる音(ホラーほど怖くない!)を連れ立ち、ゆっくりフェイドインするイントロ、MinimoogやProphet-5、Emulator IIその他シンセを駆使したサウンド、ジャズやソウルを彷彿とさせる複雑なリズムを刻むドラム(筆者がかなり大好物なリズム!)、そして星野らしい旋律。星野自身、アルバム『ばかのうた』(2010年)をリリースした頃より遥かにオーバーグラウンドな存在となり、個人の成長とは別に、求められる音楽や音作りも少し変わってきたのかもしれない。それでも星野の軸は変わらない、良い意味で。相変わらず天才だ。人千倍苦悩を繰り返しながら素晴らしい創作物を生み出す天才。

楽曲の話に戻ると、“おばけは いるぞ だけど 生きた人よりは 怖くないよ”芯を食った歌詞や、囁くように歌う2番のAメロ、ラスサビへの盛り上がりなど聴きどころは色々あるが、『ゴーストブック おばけずかん』で、図鑑坊の声を演じる釘宮理恵、一反木綿の声を演じる下野紘、山彦の声を演じる杉田智和の3人がサビのコーラスで参加していることも大きな注目ポイントだろう。

兎に角、耳に残る!脳内に残る!1度聴いたらいつの間にか口ずさんでしまうかもしれない。そして更に聴きたくなる。この「異世界混合大舞踏会(feat. おばけ)」はそういう中毒性のある楽曲だ。

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