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【レビュー】aiko『ねがう夜』

April 29, 2022 20:00

aiko

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過去の恋人が夢に出てくる。そんな経験をした人は少なくないはず。aikoのニューシングル『ねがう夜』のタイトルナンバーは、元恋人が夢に出てきたことによってのに、未練をひっぱりだされてしまう、そういう曲だ。もう大丈夫だと思っていたのに……いや、もしかしたら心が空っぽすぎて大丈夫と勘違いしていただけかもしれない。本当は未練たっぷりで、その本音が夢に元恋人を登場させたのかもしれない。別れた後も夢を相手に強がりと本音とせめぎあう乙女心を、“かき氷の雨”や、“勘違いの苺味”などaikoらしいワードで表現。繰り返す転調や中毒性が高いリズムやコード使い、ブルーノート全開なのもやはりaikoらしいが、トオミヨウのアレンジにより新たな一面も生まれ、楽曲が更に瑞々しく弾む。(先に書いた“勘違いの苺味”の部分のメロディもトオミヨウのアイデア)同じくトオミヨウのアレンジによる「友達になりたい」は別れた人を想う切ないバラード。不安な気持ちをきちんと伝えれば良かったんだろうかと後悔しながらもう他人になってしまったその人を淡々と想い、友達になりたいとさえ願ってしまう。“あなたの生活をハンカチに見つけた”。違う誰かの影に悲しみうろたえる。まだかさぶたにもなっていない恋愛の傷を「ねがう夜」とはガラリと雰囲気を変え、静かに歌う。しかしそれがかえってエモーショナルに聴こえた。またもうひとつのc/w「ゆあそん」は、とろけるほど甘く切なく苦しい。ソウルフルに寄り過ぎないaikoのポップセンスと島田昌典のアレンジが光る逸曲。今作の初回限定仕様盤 の特典には「Love Like Pop vol.22 〜本当の初日 無観客ライブ〜」がBlu-rayとして収録。今作もシングルにして濃厚かつ新たなaikoの世界感に浸れるだろう。


■ aiko official website
http://aiko.com

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