【レビュー】H ZETTRIO『SPEED MUSIC ソクドノオンガク vol. 6』

配信シングル64作連続iTunesジャズチャート1位を獲得するモンスターバンドH ZETTRIOの最新アルバム『SPEED MUSIC ソクドノオンガク vol.6』がリリースされた。この作品について語るにあたり、まず「SPEED MUSIC ソクド ノ オンガク」について少し紹介しよう。「SPEED MUSIC ソクド ノ オンガク」とは、毎週水曜（22:55〜）tvk テレビ神奈川にて放送中の、ピアノ・トリオH ZETTRIOによる音楽番組。時代を超えた日本の名曲をカバーするこの番組では、彼らの独創的なアレンジで昭和、平成、令和の音楽旅行が楽しめる。例えば和田アキ子の「古い日記」や松任谷由実の「真夏の夜の夢」、久保田利伸 with Naomi Campbellの「LA・LA・LA LOVE SONG」、Official髭男dismの「Pretender」やLisaの「紅蓮華」。その他演歌や童謡だってある。これら番組で演奏した楽曲はすでに作品化されており、今作はその第6弾となる。松たか子「明日、春が来たら」から始まる今作では、スターダスト☆レビューの「木蘭の涙」、山下達郎の「RIDE ON TIME」など今も歌い継がれる名曲や、国民的映画「男はつらいよ」の主題歌、山本リンダの昭和のインパクト曲「どうにもとまらない」など70年代〜90年の名曲をメインに再構築。常識を突き破る収録曲のセレクトをアリにしてしまうのは、高いアレンジセンスを持つ超絶技巧のH ZETTRIOに他ならない。＜ジャジーなカバーインストアルバム＞と言ってしまうにはあまりにもエッジーでユニークでスピード感に溢れている。ピアソラのバンドネオンまで聴こえてきそうな「シルエット・ロマンス」。佐橋佳幸のギターカッティングが印象的な「ラブストーリーは突然に」のイントロはウッドベースで表現している。H ZETT M（pf/青鼻）、H ZETT NIRE（ba/赤鼻）、H ZETT KOU（dr/銀鼻）によるキレのあるリズムセクションを是非楽しんで欲しい。


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