宮本浩次、いよいよ6月10日発売となるオリジナルアルバム「I AM HERO」ライナーノーツ到着!
June 5, 2026 21:00
宮本浩次
6月10日に発売される、宮本浩次4年半ぶりとなるオリジナルアルバム「I AM HERO」。いよいよ来週発売というタイミングで『ROCKIN'ON JAPAN』編集長 山崎洋一郎氏によるライナーノーツが到着した。このライナーノーツを手掛かりに、未発表の新曲群も含めたアルバムの全貌に大いに期待いただきたい。
宮本浩次のニューアルバム『I AM HERO』を一言で言い表すならば、最高到達点という言葉に尽きるだろう。エレファントカシマシとしてデビューしてからの38年、ソロデビューからの8年を経て、ついにたどり着いた音楽的な最高到達点。それがこのアルバムだ。ロック、J-POP、ヒップホップ、バラード、セカンドラインまで、これまでのキャリアの中で大胆に広げてきた多彩な音楽性が華麗に展開していることや、数々のタイアップや曲提供などで世間を巻き込んだメジャー感のある楽曲が多数収録されているということも、このアルバムを語るうえでの一つの要素かもしれない。でも、そんなことは取るに足りないほど些細なことだと言い切れるほどに、このアルバムは途轍もない高みに達している。そしてその凄さは、一つ一つの楽曲に、歌に、演奏に、そしてジャケットにも表れている。
これまで数多くの名曲、名アルバムを残してきた宮本浩次が今、なぜ、いかにしてその過去をも凌駕するこのアルバムにたどり着くことができたのか、そこにはいくつもの理由や経緯がある。そのいくつもの理由や経緯が絡み合いながら一歩ずつ前進することで、このアルバムについにたどり着いたのだ。前作『縦横無尽』からの宮本浩次の4年半は、その歩みそのものだった。
「歌」を入口にして紐解いていこう。このアルバムにおける宮本浩次の歌唱は、以前よりも明らかに前進している。そもそもがとんでもないレベルのシンガーであることはもちろん大前提の上で、それでもさらに以前よりももっと自由に、もっと力強く進化している。アレンジとのバランスや、演奏のテンションとの整合性を踏まえた歌ではなく、「これでしかない」という絶対的な説得力を持った歌唱になっている。なぜそんなことが起きたのか? それはデモの歌をそのまま最終テイクとして採用したからだ。では、なぜ今回はデモの歌をそのまま使うことができたのか。それは、今回のアルバムは宮本浩次とサポートのミュージシャンが、裸のままで楽曲の本質と向き合い音を紡ぐという、とても高いレベルの制作が可能になったからだ。ではなぜそんなことが可能になったのか。それは、小林武史のプロデュースによって組まれたスーパーミュージシャン達による完成度の高い2年前のツアーを経て、さらにそこを離れた裸のプロジェクト「俺と、友だち」での1年前のライブや曲作りも経た上で、今回あえて再び名越由貴夫、玉田豊夢、須藤優、キタダ マキ、そしてドラマーの石若駿、トラックメイカーのGiorgio Blaise Givvnらスーパーアーティスト達とともにこのアルバムの新曲群のレコーディングに挑んだからだなのだ。だから宮本も今回は裸にして最強のデモの歌唱で挑んだのだ。
ツアーで起きたことがレコーディングと絡み合い、演奏における進化が歌へと絡み合う──これまでの宮本浩次のキャリアの中では起こり得なかったことが、この4年半の中で目まぐるしいほどに起きていた。そのことによって、このアルバムに収録された多くの楽曲は、これまでの作品とは違うレベルに到達しているのだ。
歌も演奏も宮本浩次のデモをそのまま今作流に活かした“さあ、出かけよう!”、衝撃の爆速ハードロックでありながらあえて語尾まで重厚に歌い切る“over the top”、クイーン?ジョーン・ジェット?いずれにせよ超定番のビートに曲ごと痛快に丸投げした”I love 人生!“、ラフに聞こえて最新型な石若駿のエイトビートで疾走する”かなりニュールネッサンスなnew dayよ!“、宮本浩次の歌とGiorgio Blaise Givvnのトラックのダイナミックな一騎打ち”零地点Bomb”、Adoへの曲提供そのものが新鮮な挑戦だった“風と私の物語”、これまでやってそうで実はやってなかった宮本流トーキングブルースの名曲”close your eyes”、失望と限界の中で、それでも内なる無限の自由の喜びを堂々としたミディアムロックで歌う“feel so fine”、小林武史の高らかなホーンアレンジとともに「今日」の確かさを噛みしめるように歌う”Today‐胸いっぱいの愛を‐”、ツアーを重ねる中で素顔の歌が巨大な名曲へと開花した“哀愁につつまれて”、宮本本人による、まるで呼吸のようなドラム、ギター、ベースの演奏があまりにも尊い“生きているから”、Giorgio Blaise Givvnによるミックスで曲の新たなダイナミクスが姿を表した“I AM HERO”、そして0曲目の”さあ、出かけよう!“の小林武史アレンジ・フルバージョン”愛を抱きしめろ“。以上全13曲。どの曲にも共通しているのは、宮本浩次そのものが鳴っているということだ。曲の細部に至るまで、どの音からも宮本の熱とエッジがほとばしり、スケール感と厚みが迫ってくる。これまで、あまりにも巨大で規格外であるがゆえに完成した楽曲として表現し尽くせなかった宮本浩次の才能とエネルギーと感性が、このアルバムではくっきりと輪郭を持った音楽として鳴っている。そして、不鮮明であるがゆえに存在そのものが浮かび上がり、裁断されているがゆえに立体感を持つ河村康輔によるジャケットのアートワークも、このアルバムの本質を見事に表現している。
長い間、宮本浩次が追い求めていたものが音楽として、作品としてついに現実になったことが限りなく嬉しい。そして僕らが待っていたのもこれだったのだと確信できる。
ロッキング・オン 山崎洋一郎
■ 宮本浩次「I AM HERO」特設サイト
https://sp.universal-music.co.jp/miyamotohiroji/i-am-hero
■ アルバム予約リンク
https://hirojimiyamoto.lnk.to/2026_album_cd
■ アルバムスポットYouTubeリンク
https://youtu.be/Li2fwxCXCtk
■ 宮本浩次 HP
http://miyamotohiroji.com