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MISIA、魂震えるパフォーマンスを11月9日WOWOWでオンエア!

November 7, 2019 15:30

MISIA

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MISIA、魂震えるパフォーマンスを11月9日WOWOWでオンエア!

2018年にデビュー20周年を迎えたMISIA。「FUJI ROCK FESTIVAL」への参戦や「紅白歌合戦」への出場で、心に訴える歌声で多くのリスナーを驚嘆させた記憶も新しい。2019年に入っても、4月にスペシャル・ライブ「MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND  ON」を開催。アフリカから受け取った愛を物語にした初の絵本「ハートのレオナ」を出版するなど、多方面で精力的に活動を続けている。そんなグローバルな知性と音楽への熱情を併せ持つMISIAが、ここ数年開催している「SOUL JAZZ」。その最新ツアーのファイナルがZepp Nambaで開催され、詰めかけたオーディエンスを魅了した。

芳醇なブラス隊と程よい緊張感を携えたバンドが絡み合うサウンドに、観客もいつしか手拍子で応えていた。そこへ、世界的トランぺッターで、「SOUL JAZZ」ツアーに欠かせない黒田卓也のソロが鳴り響く…。その音色を呼び水に、まろやかにループするグルーヴが印象的な「BELIEVE」へとなだれ込み、ライブの火ぶたは切って落とされた。

盛大な拍手で迎え入れられたMISIA。包容力溢れる歌声で観客を奥深い「SOUL JAZZ」の世界へと誘った後、「来るぞスリリング」では軽快なリズムに合わせてしなやかに身を翻した。「今夜はみんな思いっきり楽しんで行こう!」「(SOUL JAZZは)体中、全部で楽しむ音楽。準備はいい?」と、矢継ぎ早にオーディエンスを鼓舞し、場内のボルテージを高めた。MISIAが言うように、アフリカンビートが轟くナンバーでは、プリミティヴなビートによって日頃眠っている五感が呼び覚まされるような不思議な感覚を覚えた。

ファンキーで心弾む「LADY FUNKY」で、このツアーのために集った先鋭ミュージシャンを紹介。トランペットでは華麗で雄弁な黒田だが、MCとなると別もののよう。話し始めは、オーディエンスの予想を超える熱狂に圧倒され、照れ笑いするばかり。孤高のミュージシャンの普段は見られない素顔が垣間見れるのもライブの醍醐味だろう。和やかなムードで距離の近さを感じたかと思えば、各ミュージシャンが本領を発揮するテクニカルなソロパートでは、観客は惜しみない拍手と歓声が贈る。こんな有機的なあったかさに溢れていることもまた、「SOUL JAZZ」ライブの魅力となっている。

ライブの中盤、NHK「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」テーマソングで、8月に開催された第7回アフリカ会議(TICAD7)のイメージソング「AMAZING LIFE」の歌唱は、まさに圧巻のひと言だった。1年前に出逢ったというこの曲の秘めた物語について、ぽつりぽつりと語り始めたMISIA。世界的に活躍する内池秀和氏が「ぜひ、MISIAに歌ってほしい」と作曲し、MISIAが歌詞を書いて結実したものだ。美しくも壮大なバラードが世に放たれるのを待たずに、内池氏は急逝してしまったと告げたMISIA。「内池さんの大きな命のメッセージを託された」と感じているという。歌い始めは清らかで静けさをたたえながら、次第に力強さを帯び、ラストに向かい慈愛に満ちていくその歌は、まるで命の輝きそのもの。歌い終えると、祈るように深々と一礼したMISIAの姿は、神々しくさえ見えた。大きな感動に包まれ、観客から拍手が沸き起こったのは言うまでもない。

後半も、ライブで特に人気の高いナンバーが次々に披露された。むせび泣くようなトランペットの音色と、MISIAのハミングが重なり、幻想的な空間を創り出した「オルフェンズの涙」。サビで大合唱が起きた「陽のあたる場所」などを、「SOUL JAZZ」スペシャルアレンジで聴けることもまた、このツアーならではの楽しみだ。

「歌おう!みんな、一緒に」と呼びかけたラストの「MAWAE MAWARE」では、観客全員が全力で叫び、タオルを振り回し、笑顔を分かち合った。興奮冷めやらぬまま、熱烈なアンコールに誘われて再登壇したMISIA。心がじんわりと温まる大ヒットバラード「アイノカタチ」で、ファイナルは大団円を迎えた。…かに思えたが、そこでサプライズが待っていた。2020年1月から2月にかけて「SOUL JAZZ」がバージョンアップし、アリーナツアー「MISIA SOUL JAZZ BIG BAND ORCHESTRA SWEET & TENDER」として開催されるというではないか。

全身全霊で音を感じ、ほとばしる感情を歌に替えて届ける「SOUL JAZZ」がアリーナという大きなステージでどう進化するのか、今から楽しみでならない。力強くも繊細で優しい歌声や、ち密かつ生々しい極上のサウンドまでを肌で感じられるライブ映像でどっぷりと追体験して、その日に備えたいものだ。

(橘川有子)

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