川崎鷹也、自身初となる日本武道館での単独公演のオフィシャルライブレポートが到着!
June 1, 2026 12:00
川崎鷹也
シンガーソングライターの川崎鷹也が2026年5月29日に自身初となる日本武道館での単独公演を開催。「魔法の絨毯」を始め、「君の為のキミノウタ」「サクラウサギ」といった代表曲から最新ナンバーの「オリーブ」「90°C」までアンコールを含めて全16曲を歌い、会場を埋め尽くした満員のオーディエンスを魅了した。
昨年、全国13都市13公演を回った「川崎鷹也 2025 Hall Tour『まだ夢の中』」の追加公演として5月8日に大阪城ホール、そして29日に日本武道館と両会場でキャリア初となる単独公演に挑んだ。本編、追加公演合わせて4.6万人を動員したツアーの締めくくりとなる本公演には入場前から多くのファンが会場に集まり、コンサートグッズを求める行列や入口の写真を撮影するファンでにぎわっていた。
開演時刻となり、場内が暗転すると会場のあちこちから「鷹也!」という大きな声援が起こる中、ステージ中央に現れた川崎が客席に向かって一礼する。そして、ゆっくりとした動作でアコギを持つと、会場は一転、水を打ったような静寂に包まれた。記念すべき初の日本武道館公演の1曲目に選んだのは弾き語りによる「君の為のキミノウタ」だった。川崎の奏でるギターの音色と美しい歌声が2階席の最後列まで鳴り響いた。
「夢を叶えにきたぞ。日本武道館」落ち着いた声で語りかけると客席から温かい拍手が起こった。武道館に集まった観客一人ひとりとの奇跡の出逢いに感謝を込めて川崎の原点でもあるアコースティックギター1本での弾き語りでもてなした。
1曲目を歌い終えるとバンドの演奏が始まり、2曲目の「愛の歌」へ。「さあ、夢を正夢に変えにきたぞ!日本武道館。受け取る準備はできていますか?」と呼びかけると満員の観客が大きな声援でそれに応えた。2023年に書き下ろした大切な人への感謝や愛を歌った一曲「愛の歌」を武道館では笑顔を見せながら元気いっぱいに歌い上げた。
演奏を終えるとマイクに聴こえるくらい思い切り「フゥー」と息を吐いて呼吸を整え、「川崎鷹也 Hall Tour『まだ夢の中、追加公演、日本武道館へようこそー!」と元気に挨拶。そして大きな声援と拍手に包まれた光景を目に焼き付けるように嬉しそうな表情を浮かべながら「すごい景色」とつぶやき、ゆっくりと客席を見渡した。
「僕の夢だったステージ(大阪城ホール、日本武道館)でこんなにたくさんのみなさんに見守られながら、一緒に夢を叶えることができて本当に嬉しく思います」すると客席の男性ファンから「泣けー!」という大きな掛け声が飛び、「まだ2曲しか歌ってないのに『泣けー!』はおかしいでしょ(笑)」とツッコミを入れ、笑いが起きた。
「でもね、こういう大きな会場の時ってスタッフさんから『じゃあ、ひと言お願いします』みたいなのがあるんですよ。そこで今までのことを語ろうとすると確かに泣きそうになるんです。夢を持って18歳の時に東京に出てきて、でもいつの間にかその夢は自分一人だけのものじゃなくて、スタッフやファンのみなさん全員の夢になっていたんだなって、ここ数年でようやく気付くことができました」と明かした。
ここから3曲続けて演奏した。まずは日本武道館公演のみの選曲で「ぬくもり」を披露し、続けて人気曲「エンドロール」を演奏した。人生や恋を物語に例えて映像作品のエンドロールのように大切な日々を振り返るラブソングだが、この日はMVでコラボした漫画家・赤井千歳氏の作品がステージ後方のスクリーンに映し出され、川崎の歌と映像がシンクロしながら楽曲の世界観を表現した。
そして5曲目に歌ったのは「曖昧Blue」。昨年リリースした同名のオリジナルアルバムのリード曲でタイトルの言葉通り、曖昧でブルーな恋心を描いたポップなラブソングだ。川崎は複雑な心の動きや感情の揺らぎをソウルフルに歌いあげた。一呼吸置いて4月に配信リリースした新曲について紹介した。
「眠れない夜を過ごしているあなたにそっと寄り添えるような曲を書きたいと思いました」そう言葉をかけると、新曲の「オリーブ」を歌った。孤独と向き合い、苦しみもがきながら、その先にある光を目指して前に進む姿が歌詞に描かれており、祈るように静かに歌い上げた。
「最高な景色の前で歌わせてもらっています」としみじみ。続けて「これまで客席からこのステージに立つ人たちを見てきたけど、この場所って特別で『いつの日かこのステージに立ちたいな』って夢見ながら客席から見ていました。同世代の優里が、そしてTani Yuukiがこのステージに立ち、いつか俺もって……」そういうと感極まった川崎はギターを奏でたまま、しばらく話を止めると客席から温かい拍手が送られ、少し間をおいて話を続けた。
「ありがたいことに『川崎鷹也ってまだ武道館やってなかったんだ』とか言ってもらえる機会が多くて、でも、そのたびにプレッシャーを感じていたんだけど『いつかやります』とか言ってヘラヘラしていたんです。本当は今日このステージに立つまで『ここに立てるのかな?』とか『立ったとしてもお客さんは来てくれるのかな?』とか不安だったし、怖かった。だけどここに立って、あなたたちの顔を見たらそんな不安は一瞬で消し飛びました。あの頃から何も変わらないし、変わるつもりもないし、変えちゃいけない。そんな気持ちを今日、心を込めて歌います。『魔法の絨毯』」
弾き語りで涙を溜めながら懸命に歌う川崎の姿に心を打たれた観客たちからもすすり泣きが聞こえてきた。
歌い終わると「もう一曲だけ弾き語りをしていいですか」と問いかけ「オリーブ」のカップリング曲「90°C」を歌った。大切な人との別れや恋の終わりを相手目線で描いた歌詞が切なさを増幅させる。また、ささやくような甘い歌声から一転、後半は力強いヴォーカルが聴く者の感情を激しく揺さぶった。
弾き語りを終えるとバンドの演奏でファンにも人気の高い名曲「サクラウサギ」を披露した。青春時代の甘酸っぱい風景がよみがえるような歌に合わせてステージ後方のスクリーンには学園のイメージなど懐かしさを想起させる映像が流れた。演奏の後半には楽曲に呼応するように桜吹雪の映像が広がり、武道館の天井からは本物の桜の紙吹雪が舞い落ちた。バーチャルとリアルが溶け合う粋な演出に、観客から驚きの声が上がった。
後半戦に突入すると、川崎の子供の誕生日をタイトルにした「4.11」(フォーダブルワン)を披露した。
「4月11日我が子の誕生日です。もう6歳になりました。言うことを聞かなかったり、わがままを言ったり、子育てしているといろんなことがありますよね。その子が我々夫婦のもとにきた理由は、分からないし、でもきっと意味があるんじゃないかって思うんです。この歌がいつの日か(我が子に)伝わればいいと思います。生まれてきた我が子へ。そして生まれてこれなかった子にも『4.11』」と、父親目線で我が子への深い愛情や新たに芽生えた家族愛の感情をリアルな言葉で歌にした。
後方のスクリーンには川崎を始め、スタッフたちの幼少期の写真や映像が映し出され、客席では涙をぬぐうファンの姿があちこちで見られた。
続いては「またね、ヒーロー」。上京した当時の心境と重ね合わせて「頑張れ」という言葉にある様々な思いを描いた一曲だ。
「きっと音楽を始めたらすぐにライブハウスはお客さんで埋まり、デビューして有名になって大きいステージでライブをして――。そんな夢を抱え地元の友達たちに『頑張れよ』って言われながら、東京に来ました。でも、甘くなかったな。お客さんは0人からスタートして、誰も聴いてくれないライブを何百回とやって。あの頃は、『これ以上何を頑張ったらいいの?』っていつも思っていたし、『頑張れ』という言葉がすごくプレッシャーで好きじゃなかった。でも今思えば、あの時の『頑張れ』が、僕をステージに立たせる、マイクの前に立たせる、覚悟をくれる。そんな彼らの『頑張れ』を理解するのに10年もかかった。だから今日この場所にきてくれたあなたは、『頑張れ』を今すぐに理解できなくていいと思うし、いつの日か本当の意味が伝わればいいと思います」
川崎はこの歌を噛みしめながら、まるであの頃の自分と向き合うように感情むき出しの「頑張れ」を叫んだ。
歌い終わると「声を出す準備はできてますか?」と呼びかけ、座って聴いていた観客も一斉に立ち上がった。川崎はエレキギターに持ち替えてライブ定番曲「This is 人生」へ。空回りして四苦八苦することがあってもユーモアを忘れないポジティブさが描かれた曲で、サビの「This is 人生」を観客と一緒に大合唱した。そのまま「ほろ酔いラブソング」へ。この曲もサビの「Oh,My love」で大合唱し、本編が終了した。
アンコールの手拍子の中、川崎が再びステージに上がり、今回のツアータイトルにもなった4thアルバム『曖昧Blue』の収録曲「夢の中」をソウルフルに歌い上げた。そのままステージを降り、客席を歩きながら観客の目の前で届けるひとときに会場の熱気がさらに高まった。ステージに戻ると「またあなたたちと再会できるように今日一番の声を聞かせてくれ!」と呼びかけ、アンコール2曲目となる「再会歌」へ。特効の青いテープが発射されると大きな歓声が上がり、拳を高く突き上げて全員で「HEY!」と叫んだ。
「最高に楽しかった。夢が叶う瞬間って、こういうことなんだなって。立ち会ってくれて本当にありがとうございます」とこの日一番の笑顔で感謝を伝えた。
日本武道館の終了時刻が近付く中、「シンガーソングライター川崎鷹也はアコギ1本で始まったら、アコギ1本で終わりたいと思いますので」「最後の曲は苦しい時に外を歩いたときに照りつける太陽ですら嫌で自分のことをあざ笑っているみたいで、だから太陽のまぶしさも輝きも嫌だったんだよね。それぐらい心が折れかけていました。いつの日か自分が思い描いた夢を、希望を、なりたかった自分の姿になれるように、自分自身の人生に誇りを持てるようにここまで歩んできました。そしたら今日、日本武道館が待っていたよ。ありがとうございます。この曲だけは当時の自分に対して歌ってあげてもいいんじゃないかと思います。本当に今日はありがとうございました。」
アンコール3曲目に歌ったのは川崎がつらい下積み時に書き下ろした「素晴らしき日々を」。ありのままの自分を受け入れながら何度でも立ち上がり、前に進み続ける泥臭さやそこで生きる覚悟を感じるナンバーだ。最新アルバム『曖昧Blue』のラストナンバーをこの日の最後に選んだ川崎は、明日への希望を歌い、記念すべき一夜の幕を下ろした。
「シンガーソングライター川崎鷹也でした。また会いましょう!」と最後の言葉を残し、深く一礼してステージを去った。
オフィシャルライター 福嶋剛
PHOTO:西槇太一
■ 川崎鷹也 オフィシャルHP
https://kawasaki-takaya.com/