KI_EN、地元京都で初のワンマンツアー『奇縁ノ壱』を完走!愛と誇りに満ちたファイナル公演!
December 26, 2025 18:00
KI_EN
京都発の3ピースバンド・KI_ENが、12月14日(日)の東京公演を経て、12月21日(日)、KYOTO MUSEで初めてのワンマンツアー『奇縁ノ壱』を大成功で終了した。
昨年11月にトイズファクトリーよりメジャーデビューし、今年3月と8月に京都でワンマンライブを行ったKI_EN。本公演は彼らにとって、11月19日配信リリースの1st アルバム『旅立ちのとき』を提げた初めてのワンマンツアーとなる。この日のMCによると、先立って行われた東京公演も手応えがあった様子がうかがえたが、なんといっても京都はKI_ENのホーム。応援ムード満載のとてもあたたかな一夜となった。
開演時間の少し前に会場に到着すると、フロアは既に熱気と高揚感が充満していた。グッズを身につけた人、手作りのうちわを持参している人。ファン同士で喋っている人も多く、“総出でお祝いするぞ”といわんばかりに、子どもも大人もウキウキした様子で開演の時を待っていた。
スタッフは皆、バンドロゴと本公演タイトルが焼印で押されたオリジナルの木札を首にかけていて、よりチーム感が感じられた。これは祇園祭で神輿担ぎが首から下げる木札をモチーフにしたもの。彼らが京都発であることの矜持が感じられる。
ステージにはバンドのロゴが大きくあしらわれたバックドロップが張られ、お馴染みの提灯が置かれていた。会場内BGMでは、京都α-STATIONでKI_ENが担当しているラジオ番組『OTABI STATION』(毎週金曜24:30〜25:00)のCMや、メンバーによる注意事項の影アナが流れ、じわじわとテンションを高めていた。
定刻を少し過ぎた頃SEが流れ、いよいよメンバーが登場。ステージに設置してある提灯にも火が灯る。これまでは野川爽良(Vo.&Gt)、橋本歩夢(Key)、澤風雅(Gt)の3人でライブを行なっていたが、今回のツアーから林純乃介(Dr)と椿拓朗(Ba)がサポートメンバーとしてジョイン。盤石の布陣でライブに臨んだ。
野川、橋本、澤がフロントに並んで立ち、「よーさの! チャチャチャ!(x 3回)ヨー!」と祇園祭の掛け声で手締めを行う。8月のワンマンではライブの締めに叫ばれていた手締めが、オープニングで行われた。オーディエンスももちろん大声で斉唱し、のっけからすさまじい一体感を生み出した。
野川が「待たせたな、KYOTO MUSE!」と叫び、「性根」をパワフルかつ爽やかに響かせる。真っ直ぐに伸びる歌声とバンドアンサンブルは輝きを放っていて、早くも多幸感を感じさせた。もう最高の幕開けだ。続けて「創造と感動」をロックにぶつける。一聴しただけで伝わる楽曲のレベルの高さ。練り込まれた構成やフレーズの妙に実力を感じて舌を巻いた。野川と橋本がツインボーカルで歌った「Fifty-Fifty」では、澤の華麗なタッピング奏法が炸裂し、オーディエンスは手をあげて呼応する。
野川は元気に「改めまして『奇縁ノ壱』へようこそー!」と挨拶し、カントリー調のイントロが軽快な「記憶の地図」、アルバム収録曲「輪廻」、ロックバラード「春風」を連続で披露。どの曲もグッドメロディーで、サウンドの表情も幅広い。コンポーザーである野川のメロディーメーカーぶりがひしひしと伝わってきた。
MCでは「あったかいですね、京都は。楽しいね」と野川。橋本が「1曲1曲に手締めしたいくらいや」と言うと、フロアからは愛のあるガヤとツッコミが飛び交う。「東京めっちゃ声でかかったよね。京都も負けないでくださいね(野川)」と笑いも交えつつ、リラックスした雰囲気でトークを展開していった。
野川は1st アルバム『旅立ちのとき』について、「すごく大事なアルバムになりました。いつか自分が旅立つ時に、もう一度聴き返したくなるアルバムになったらいいなと思って作り始めて。“等身大の自分たち、今の自分たちに歌える歌を歌おう”ということで8曲が並びました」と言及。トオミヨウとKI_ENの共同プロデュースで生まれたリード曲「旅立ちのとき」のMVを叡山電車「八瀬比叡山口駅」で撮影したところ、澤の髪色と電車の色が全く同じだったというエピソードで笑わせ、楽曲へ。生き生きと鳴らされるアンサンブルに惹き込まれ、身体が細胞レベルで喜んでいる感覚になる。この曲はもっと大きな場所で歌われる代表曲になるのだろうな、という予感がした。
バラードソング「夢のまた夢」をしっとりと聴かせると、ここでメンバー紹介。橋本ソロ、澤ソロと続けて、野川はバイオリンソロを惜しげもなく披露した。そこから「忘れられんな」へ。クラップするオーディエンスを見て笑顔を浮かべるメンバーが心底楽しそうで、思わずこちらも頬が緩んだ。
突如、彼らが担当するラジオ番組『OTABI STATION』のジングルが流れ、公開収録を行うことに。アルバム『旅立ちのとき』にちなんで「タイムスリップするなら過去か未来どっち?」「2026年の抱負は?」というお題で、和気藹々とトークタイム。本日12月26日(金)のオンエアで放送されるので、そちらもぜひチェックしてほしい。
ライブ本編に戻ると、先ほどまでの雰囲気からは一変して、クールで大人っぽい楽曲群で魅了。澤が編曲した「Better (ALBUM ver.)」、橋本のボーカルとラップが印象的な「シミラー」、ミラーボールと赤い照明が妖艶な「茶柱」をエッジーに奏でていく。
熱気と歓喜が充満する会場。楽しい時間はあっという間だ。「残すところあと2曲」と野川がアナウンスすると「えー!」という声があがる。野川は「あっという間なのはこの1年もそうでしたよね」と切り出し、「昨年11月1日にデビューして1年。3人で活動を開始して、1年経ってようやくアルバムという形を残せて、ツアーも行えて、いつのまにかサポートメンバーも増えてるやないかって。すごい進化を遂げました。本当にありがとうございます。まだまだ発展途上ですし、やらないといけないこともたくさんあります。それでも僕たちはこれからも日々突っ走って頑張っていこうと思うので、応援よろしくお願いします!」と想いを語る。
おそらくメンバーと顔見知りなのだろう。フロアからの容赦ないガヤにたじたじになりつつも、野川は「最後までデカい声出してください! でも次バラードなんですよね」と綺麗なオチをつけ、フロアを大爆笑の渦に包み込む。どこまでもアットホームな空気感だ。
そうして歌われたラスト2曲。壮大なサウンドメイクと王道のJ-POPメロディーが心に沁みわたる「星空に一番近い場所」を最後の1音まで丁寧に届け、本編ラストは「Better」のシングル ver.で、思い切りロックに駆け抜けた。
アンコールのクラップ代わりに、「ヨーイヨーイ」「ホイットホイット」と祇園祭の御神輿の掛け声が叫ばれる。やがてそれが伝播し、フロア全体に祭りのパワーが宿っていく。これぞ京都。圧倒的な結束力とホーム感だ。しばらくして、ツアーグッズTシャツに着替えた野川、橋本、澤が「よーさの! チャチャチャ! ヨー!」で手締めして「アンコールありがとう!」とステージにカムバック。
「今日楽しかった人ー!」と野川が問うと多くの手があがり「良かったー!」とホッとした表情を見せる。橋本による新グッズ紹介を経て、アンコール1曲目は3人だけで「日晴」をアコースティックバージョンで披露。<淀みなく澄み渡る 未来を携えて 高く高く上昇気流を背に受け 今飛び立つ>と晴れやかに歌われる歌詞は、今のKI_ENにマッチしているようだ。野川のバイオリンも高く天を貫き、美しく空気を震わせていった。
ここで、サポートの林と椿を呼び込む……と、出てきた2人が手に持っていたのはケーキ! ライブ前日に22歳の誕生日を迎えた澤をサプライズでお祝いする。橋本の伴奏と野川の歌で「Happy Birthday」を歌唱。メンバーはこのために、頑張って前日にお祝いをしなかったそうだ。澤は驚きつつ、「歳をとるごとにどんどん祝われる規模が小さくなるやろうと思ってたんですけど、まさかのここでトップがきました。ありがとうございます」とはにかみながら感謝を口にした。事務所とメンバーからの誕生日プレゼントも手渡され、記念撮影をした後に、フロアから「ホイットホイット」と掛け声が聞こえてきて、白羽の矢が立った澤が本日3回目の「よーさの!」で締め括った。
野川は改めて「本日初ツアー『奇縁ノ壱』最終日、皆さんのおかげで楽しい1年になりましたし、楽しい1日になりました。本当にありがとうございます!」と述べて、メジャーデビューシングルである「スノーハート」を、優しくも壮大に歌い上げた。
「また来年会いましょう! KI_ENでした!」と叫んだ野川。「2025年最後の手締めで終わりましょう!」ということで、全員による渾身の「よーさの!」が響き渡った。
こうして『KI_EN初ツアー 2025 「奇縁ノ壱」』は大団円で終了した。地元らしい祝祭で、会場にはとにかく3人を前へ前へと送り出そうというポジティブで力強いエネルギーが満ちていた。この日何度も響いた「よーさの!」の掛け声は、彼らにとって誇りでありお守りなのかもしれない。そして、集まったオーディエンスにとってもKI_ENの3人が誇りで自慢なのだということが存分に伝わってきた。彼らの進化を成長を躍進を、心から望んでいる。こんなに応援してくれる人がいたら、きっと大丈夫。そんなふうに思えるポジティブなツアーファイナルだった。これからKI_ENがつむぐ“奇縁”が広がっていくのが、楽しみで仕方ない。
テキスト:久保田 瑛理
写真:オガワタクヤ
□ セットリスト
1.性根
2.創造と感動
3.Fifty-Fifty
4.記憶の地図
5.輪廻
6.春風
7.旅立ちのとき
8.夢のまた夢
9.忘れられんな
10.Better(ALBUM ver.)
11.シミラー
12.茶柱
13.星空に一番近い場所
14.Better
アンコール
1.日晴(Acoustic ver.)
2.スノーハート
■ Link
https://tf.lnk.to/KI_EN_official