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石崎ひゅーい、初ホールワンマンライブ『宇宙百景』オフィシャルライブレポート!

May 11, 2024 17:30

石崎ひゅーい

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石崎ひゅーい、初ホールワンマンライブ『宇宙百景』オフィシャルライブレポート!

石崎ひゅーいが初のホールワンマンライブ『石崎ひゅーい LIVE 2024「宇宙百景」』を5月10日、東京国際フォーラム ホールCで開催した。

昨年7月リリースの最新アルバムと同名のライブは、アルバム『宇宙百景』収録曲で2022年に菅田将暉に提供した曲「虹」のセルフカバーからスタートした。穏やかな表情でホールいっぱいに歌声を響かせる石崎。続く「邂逅」では〈ここは確かに僕の見たかった景色だ〉というフレーズを口ずさみながら、手でひさしを作り客席を見渡すことで、今目の前に広がるこの景色のことを指しているのだと伝えた。『宇宙百景』には、石崎がこれまで出会ってきた人たちとの縁から生まれた曲が収められている。彼が大切に思う“人”にはもちろん、リスナーの存在も含まれているのだ。

ライブの前半は、『宇宙百景』収録曲に加え、アイナ・ジ・エンドに提供した「アイコトバ」のセルフカバーも披露される嬉しい展開。「母親の葬式の歌でデビューして、歩幅は狭めだけど一歩一歩着実に歩んできました。その一歩一歩をみんなと共有できていることを幸せに思います。そして今日のこの景色を、天国にいる大切な人も喜んでいると思います」というMCから始まったライブの後半では、「花瓶の花」「天国電話」を続けて歌ったシーンがひとつのハイライトとなった。自分の癖や思考の中にはあの人の名残があると気づき、救われた気持ちになる瞬間と、ふと不在を痛感し、底なしの喪失感に襲われる瞬間。石崎が歌うのは、人として生きる上で無縁ではいられない振り子にもがき、悩み、それでも希望を見出そうとする人の歌だ。だから心揺さぶられる。その上で石崎は、時間も距離も飛び越えて孤独な人の元に駆けつけられるのが音楽なのだと「夜間飛行」で歌う。「スタンドバイミー」では温かい歌声で聴く人の心に寄り添う。

初のホールワンマンとなったこの日のチケットはソールドアウト。「ひゅーい、ちゃんと埋められるのかな?って心配してた人も多かったと思うんですけど」と笑っていた石崎は、最後の曲を歌う前にこう語った。

「俺は欲がないタイプの人間で、大きな野望とかなくてさ。でもただ一つだけ、これだけは大切にしたいなってことがあって。それはみんなと……あなたと、君と見る景色です。それを見るためには何だってしてやる気でいます。今日はみんなのおかげで素敵な景色が見られました。もっと素敵な場所に連れていきたいと思っているので、ついてきてください」

ishizaki2024051101.jpegそんな言葉を添えて届けた「宇宙百景」は、リスナー一人ひとりへ手紙を綴る感覚で書いた曲だという。石崎の歌を受け取った観客がリズムに合わせて手を振り、かけがえのない景色がまた一つ生まれた。曲の終盤に入るとバンドの音が止み、星空のような照明が浮かぶ。そしてアカペラでの落ちサビ。〈見上げてごらん そばにいるよ〉というフレーズは、終演後、日常へと帰っていった一人ひとりの心の中でいつまでも瞬き続けるはずだ。

ライブ中に発表されたように、石崎は9月7日より、全国20ヶ所を巡るツアー『石崎ひゅーい TOUR 2024「宇宙百景」』に出発する。この日観客に伝えたメッセージを体現するように、今度は石崎があなたの住む街へ歌いに行く。全国から国際フォーラムに駆けつけたファンに対し、「『宇宙百景』の旅はまだ続くってことです。その時また会いましょう」と伝えてからステージをあとにしたのだった。

□ 石崎ひゅーい LIVE 2024「宇宙百景」セットリスト
2024年5月10日(金)@東京国際フォーラム ホールC
M1. 虹
M2. 邂逅
M3. スパノヴァ
M4. ワスレガタキ
M5. デュラデュラ
M6. あいもかわらず
M7. あたしは恋をしている
M8. 花束
M9. アイコトバ(2023年アイナ・ジ・エンド提供曲セルフカバー)
M10. ファンタジックレディオ
M11. トラガリ
M12. 僕だけの楽園
M13. ラストシーン
M14. ピノとアメリ
M15. 花瓶の花
M16. 天国電話
M17. ジャンプ
M18. さよならエレジー
M19. 夜間飛行
M20. スタンドバイミー
M21. 宇宙百景

写真:小杉歩


■ 石崎ひゅーい HP
http://www.ishizakihuwie.com/

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