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スキマスイッチ、怒涛の2023年を締めくくる日本武道館公演の興奮をお届け!4つの重大発表も!

December 23, 2023 22:00

スキマスイッチ

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スキマスイッチ、怒涛の2023年を締めくくる日本武道館公演の興奮をお届け!4つの重大発表も!

12月22日(金)、スキマスイッチが日本武道館にて『スキマスイッチ 20th ANNIVERSARY "POPMAN’S WORLD 2023 Premium"』を開催した。

2003年にメジャーデビューし、記録にも記憶にも残る珠玉のポップソングを産み出してきたスキマスイッチ。デビュー20周年を迎えた今年は、6月から9月までホールツアー『POPMAN’S WORLD 2023』を開催し、7月には3枚組ベストアルバム『POPMAN'S WORLD -Second-』をリリース。他にもアニバーサリーイヤーにふさわしいスペシャルな企画を行なってきた彼らだが、その1年を締め括るのが、“POPMAN’S WORLD 2023 Premium”と題した、11月に開催された大阪城ホール公演と、今回の日本武道館公演だ。“Premium”とタイトルに付いている通り、このライヴは、前述のホールツアーの流れを汲みつつも、それをさらにパワーアップさせてお届けするというもの。また、2021年から3年連続で年末に日本武道館公演でライヴを行なっているスキマスイッチだが、今回の公演は彼らの歴史の中でも最速でチケットが完売したとのこと。大橋卓弥と常田真太郎は感慨深げに話しながら、「(日本武道館公演は)できる限り続けていきたい」と、今後の意気込みを語り、20年の感謝を込めたステージを繰り広げた。

場内が暗転すると、ステージにかけられた紗幕にライヴロゴがレーザーで照射され、ステージ左側に設置されたビジョンには、ギターの形をしたバックパックを背負った宇宙飛行士が、右側のビジョンにはハットをかぶったロボットが、見知らぬ惑星の荒地を歩くアニメ映像が流れ始める。それと連動するように、オーディエンスが腕につけているライトバンドが輝くと、客席から感嘆の声が上がった。じわじわと興奮が高まっていく中、紗幕の向こう側から「トラベラーズ・ハイ」が鳴り響く。ホーン隊とストリングセクションが華やかに盛り立てるソウルフルなアップチューンに合わせて観客がクラップを始める。そして、大橋のカウントで紗幕が落とされると、場内の熱気が一気に高まった。大橋がパワフルなスキャットをすれば、常田もグランドピアノを激しく叩き上げ、1曲目からとてつもない高揚感が日本武道館を包み込んだ。そこから「キレイだ」「up!!!!!!」をグルーヴィーに畳み掛けていくと、アコースティックギターを手に取った大橋が「武道館!すごいね!今日は今年の総決算みたいなライヴにしたいと思います」と叫び、「飲みに来ないか」へ。親密な空気を持った楽曲で、ステージと客席の距離を近づけていった。

今回のツアーは、ベストアルバムを引っ提げた形になっていることもあり、セットリストは「なるべくみんなが耳にしたことあるような曲」を中心にしつつ、初めて彼らのライヴに来た人も、彼らのことを応援し続けてきた人も楽しめるようなものを意識したとのこと。爽やかながらもセンチメンタルな空気が場内に立ち込めた「Revival」や、凄まじい躍動感を放った「ゴールデンタイムラバー」、ハチロクのリズムで力強く転がっていく「LINE」といったタイアップ楽曲や、20年間セルフプロデュースで活動してきた彼らが、初の外部プロデューサーとして亀田誠治を招いてリアレンジした「藍 〜僕たちの色彩〜」など、人気曲が次々に披露されていった。スクリーンにアメコミテイストのイラストが踊った「双星プロローグ」は、歌詞に〈ラブストーリー〉とありながらも、大橋と常田が出会った当時のことを想起させるような内容になっていて、軽やかに弾む演奏に、温かな空気が広がっていた。また、バラードナンバーも披露。人間の命とその儚さや、失われてしまったものへの喪失感に満ちた「さいごのひ」では、ビジョンにロウソクの灯りや、イスや花々といった日常に溢れているものが、粉々に砕け散っていく象徴的な映像が映し出さる中、大橋は昂った感情を吠えるように歌い上げる。続けて、常田が柔らかなタッチでピアノを奏で始め、「ボクノート」へ。徐々に熱を帯びていくドラマティックな歌と演奏で客席を魅了した。

後半戦の口火を切ったのは、彼らのメジャーデビュー曲である「view」。ビジョンには、ステージで演奏している2人の姿が映し出されていたのだが、その合間に同曲のミュージックビデオが差し込まれると、20年前の2人の姿に客席から歓声があがる。そこから間髪開けずに届けられたのは、今年9月に発表された「コトバリズム」。ギラついた空気をまとったデビュー曲から一気に時計の針を進め、ハートフルな最新曲に繋げるという粋な流れになっていたが、〈ココロとココロのスキマには 僕たちをつなぐスイッチがある〉という歌詞に、ニヤリとさせられつつも、20周年というタイミングで綴られたこの言葉に、胸に熱いものが込み上げてきた。その感動と興奮を「スフィアの羽根(CARNIVAL ver.)」の爽快感たっぷりなサウンドがさらに上へと引き上げていく。

ビジョンには惑星を歩く宇宙飛行士とロボットが再び映し出される中、躍動感のあるパーカッションの上で、常田の奏でるピアノとストリングスが絡み合い「SL9」へ。ステージ側では大量のLEDが、客席ではライトバンドが輝き、美しい星空が武道館に浮かび上がると、力強く高鳴らされる壮大なアンサンブルと共に、大橋も強烈なロングトーンを響かせる圧巻のパフォーマンスを繰り広げた。その余韻に浸ることなく、地平線から太陽が昇ってくる画を思い起こさせる大迫力のセッションが始まり、そのまま「全力少年」へ。常田がイントロのフレーズを奏で始め、ピークに達したところでキャノン砲が発射。大橋は要所で客席の歌声を求めながら歌い上げ、その勢いのまま「吠えろ!」に移ると、客席から大合唱が巻き起こった。

「本当にどうもありがとうございました!」と満面の笑みで叫んだ大橋は、「20年も音楽を続けられるなんて本当に思ってもいなかった」と、あまり注目されなかったデビュー当時の苦い思い出を振り返り、「それがこんなにたくさんの人たちに届くなんて、そんな奇跡あります?」と感慨深そうに話す。話題はさらに過去に遡り、まだ何者でもなかった2人が出会った当時のことへ。お互いの第一印象があまりにも悪すぎたことから「最悪の出会い」と様々な場所で語っている彼らだが、「自分の節目になった場面には、必ずシンタくん(常田)がいたんだよね」と大橋が話すと、「縁かな」と、常田がつぶやいた。

大橋「20年間もやらせてもらえたから、これから少しずつみんなに恩返しをしていきたい。新曲を作ったり、ライヴもなるべくたくさんやって、みんなが会いに来てもらえる場所を作り続けたい。それしか僕らはできないから。みんなからもらったものを作品にして、それをステージで爆発させて、みんなに返し続けていきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします」

大橋がそう告げた後、本編のラストナンバーとして「奏(かなで)」が披露された。スキマスイッチの名前を世に知らしめ、現在はJ-POP史に燦然と輝く名バラードになった楽曲だが、「自分たちで書いた曲に押しつぶされそうになって、歌うのをやめていた時期もあった」と、曲に入る前に大橋が明かしていた。「でも、やっぱりこの曲はここで歌いたい。そしてこれからも大切に歌っていきたい曲です」──。そんな2人のいまの思いを乗せた熱演に、割れんばかりの拍手が送られていた。

鳴り止まないアンコールの拍手に応えて、再びステージに姿を現した彼らは、「ラストシーン」を披露。〈僕の生き方すべてが 君の人生の道標になれるように〉と、客席に向かって一際エモーショナルな演奏を届けていた。そして、「みんなに支えてもらった20周年です。記念に持って帰ってください!」と、撮影OKの指示を出し、この日のラストナンバーである「Ah Yeah!!」へ。観客はスマートフォンのカメラをステージに向けながら、何度もタオルを宙に投げると、ラストに大橋が常田のグランドピアノの上に乗り、大きくジャンプ。2時間半を超える祝宴を締め括った。

別れを惜しむように客席に手を振り、「20年間ありがとう! 昨日好きになってくれた人も、みんなありがとう!」と常田が、そして「また来年も会いましょう!」と大橋が叫ぶと、場内が突如暗転。スクリーンに“緊急告知”の文字が踊り、スキマスイッチの2024年の活動が解禁された。新曲「Lovin' Song」が、2024年1月5日(金)から放送開始予定のテレビ朝日 金曜ナイトドラマ「おっさんずラブ-リターンズ-」の主題歌に決定したことや、春にはデビュー20周年を記念した初のトリビュートアルバムを、7月には10枚目のオリジナルアルバムをリリースすること。さらに、7月13日(土)、14日(日)には、彼らの地元である愛知県にて初の主催フェス「スキマフェス」が開催されることも発表され、ビッグニュースの連続に客席からは歓喜の声が上がり、アニバーサリーイヤーを超えるような期待と興奮に満ち溢れた最高のエンディングとなった。

ライター:山口哲生
カメラマン:福政良治



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