POPSCENE - ポップシーン
POPSCENE - ポップシーン

半崎美子、故郷札幌で5周年集大成ツアーを完遂!

December 5, 2022 12:00

半崎美子

0
シェア LINE
半崎美子、故郷札幌で5周年集大成ツアーを完遂!

「半崎美子「うた弁3」発売記念5周年集大成ツアー 〜地球の歩み方〜5周まわって立ち止まる〜」が12月2日に地元札幌の札幌市教育文化会館で開催された。同ツアーはコロナ禍で3年ぶりの開催となり、同公演は追加公演として実施された。

インディーズ時代から変わらず、半崎本人による感情溢れるカゲアナからスタートし、ステージは「帰途」でしっとりと幕開きすると「空の青」そして業界内でも高い評価をされているアルバム「うた弁3」から「色彩」「タンチョウの夢」を披露。3年ぶりにこのツアーを開催できたこと、そして無事に故郷でファイナルを迎えられる喜びと語ると、当日早朝にサッカーWカップで予選一位通過を果たす歴史的勝利をあげた日本代表と重ね合わせ「寝不足の方も多いと思いますが、このステージも負けられない熱い戦いを繰り広げます!」と宣言しつつも「そんなに盛り上がれる曲ないんですけどね。」と笑わせた。

続いては森山直太朗氏書き下ろしによる5周年記念シングル「蜉蝣のうた」、そしてメジャーデビューアルバムに収録され、NHKみんなのうたで大反響を巻き起こした「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~」では自然と起こる客席の手拍子と共に、会場を温かい笑顔で包み込んだ。先日放送された自身のドキュメンタリー番組でも母が話していたと、自分も歌手になりたかったが生活のために夜学に通いながら仕事を掛け持ちしていたエピソードを語ると、今年、NHKの番組で玉置浩二さんが歌唱したことで再度注目を浴びた楽曲「母へ」そして「桔梗の咲く頃」の母親への想いを描いた2曲を、涙を堪えながらも切々と語るように熱唱した。

続いては本田美奈子.の散文を元に半崎が書き下ろした「LIVE FOR LIFE」のオフィシャルソング「地球へ」を冒頭に英語と日本語の両方を用いた本田美奈子.バージョンの「アメイジング・グレイス」から始まるアレンジで披露した。万雷の拍手の中、セットの階段に腰を下ろし、自分の作品の中には花の名前が入っている楽曲が多いという語りから「ロゼット~たんぽぽの詩~」を歌唱するとスクリーンには沖縄に住む実姉・朝子が2人の子供と共にVTRでご挨拶。今日は会場に行けないというメッセージ動画のフリから、「愛の讃歌」歌唱中に3人で地球儀をまとって登場。半崎の節目でコンサートでは必ず登場することで有名だが、今年は中野サンプラザで行われた東京公演のみの予定だったが里帰りを兼ねて訪れたという。トークの中で年齢の話になると突然「ハッピーバースデー」のメロディが流れ、今月13日に誕生日を迎える半崎を祝おうとケーキが登場。それに感激しつつも客席で見守っていた両親にも「産んでくれてありがとう!」と叫び会場全体がアットホームな空間に。そこからは、半崎曰く「盛り上がれる曲は2曲しかない」という「赤色のヒーロー」「道の上で」と続き会場の熱量がさらに高まった。

そして「この曲を発表して以降、ほぼどの会場でも歌ってきた」という、ショッピングモールの歌姫としてブレイクした際に共に成長を遂げた自身の代表曲とも言える「サクラ~卒業できなかった君へ~」を熱唱した。そして「悲しくみ苦みの中にいて、そこから一歩も動けず立ち止まらざるをえない人にたくさん出会ってきた。そんな方たちからはぐれないように歌いたい」そして「立ち止まることも引き返すことも“歩み”だから、世間の足並みに歩幅を合わせる必要はないと思う。なので今回のツアータイトルは、地球の歩き方ではなく、歩み方なのです」とネーミングに込めた想いを語ると「足並み」「明日へ向かう人」でエンディングを迎えた。しかし、鳴りやまぬアンコールの声に「あとがき」をピアノの弾き語りで再登場。父の猛反対を押し切って札幌から上京した思い出と語り「真摯に活動を続けて故郷にできることをしていきたいと今日改めて思いました。」と語ると「布石」を熱唱した。

通常のツアーではここで幕を下ろすのだが、最後にみんなで楽しく笑ってお別れしたいという想いから、この日のために制作をし、一昨日できてバンドメンバーとは今日初めて合わせたという、カントリー調の楽曲「風の生まれた故郷」を披露し、姉の朝子とバンドメンバーがオールラインナップして幕を下ろした。

コンサート中、客席との心のキャッチボールをしているかのような雰囲気、そして1000人を超え満席となった全ての人に柔らかく丁寧に届けるような歌唱は、受け手だけではなくコロナ禍を経て人との対話を求める半崎の心の渇きも潤したのかもしれない。「皆さん」ではなく「あなたへ」歌う半崎のスタイルは、混沌とした今の日本にこそ大きな需要があるアーティストであろう。


■ 『半崎美子 「うた弁3」発売記念5周年集大成ツアー 〜地球の歩み方〜5周まわって立ち止まる〜』
セットリスト
2022年12月2日札幌教育文化会館

M1. 帰途
M2. 空の青
M3. 色彩
M4. タンチョウの夢
M5. 蜉蝣のうた
M6. お弁当ばこのうた〜あなたへのお手紙~
M7. 母へ
M8. 桔梗の咲く頃
M9. 地球へ
M10. ロゼット〜たんぽぽの詩〜
M11. 愛の讃歌
M12. 赤色のヒーロー
M13. 道の上で
M14. サクラ〜卒業できなかった君へ〜
M15. 足並み
M16. 明日へ向かう人
EN1. あとがき
EN2. 布石
EN3. 風が生まれた故郷


■ 半崎美子「足並み」Studio Live Movie
https://youtu.be/M8QXxxJ3P5g

■ 半崎美子「蜉蝣のうた」MV
https://youtu.be/FBaj1H5e1eI

Related Images

Music Streaming