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DEPAPEPE、『ほろり二人旅2022』ファイナルの大阪で奏でた再会の喜び

October 17, 2022 18:00

DEPAPEPE

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DEPAPEPE、『ほろり二人旅2022』ファイナルの大阪で奏でた再会の喜び

ギターインストゥルメンタルユニット・DEPAPEPEが10月16日、大阪・umeda TRADで『DEPAPEPEワンマンライブツアー「ほろり二人旅2022」』ファイナル公演を開催した。

約2カ月にわたり行われてきた全20公演の弾き語りツアーも、ついにこの日が最終日。満員御礼のステージに現れた三浦拓也の奏でる豊潤な音色が、静寂をかきわけ染みわたったかと思えば、それに絡み合う徳岡慶也のドラマチックな旋律が導いたのは、「星の数だけ願いは届く」。ツアーにおける熟成を存分に感じさせる幕開けに、オーディエンスも思わず息を飲み引き込まれていく。

「今日はツアーの千秋楽。しかも満員御礼! 僕が拍手が欲しいなというタイミングでちゃんと拍手をくれる、何て素敵なお客様でしょう(笑)」と三浦が場を沸かせば、「ただいま!」と地元関西への凱旋に顔がほころぶ徳岡。コロナ禍で満足にライブができなかった2年間を経て、満を持しての全国ツアーの開催。その充実感の極みとも言えるファイナルに、「いきなり感無量でございます。ライブ大好き!」と喜びを爆発させる三浦に、「子どもみたいになってますけど、もうデビュー17年目ですから(笑)」といなす徳岡と相変わらずの名コンビぶり。「FLOW」でも、結成当初から神戸・三宮の路上で輝きを放っていた丁々発止のアンサンブルが、今もなお見る者を魅了するなど、アコースティックギター2本でめくるめく景色を脳裏に浮かばせる、さすがのパフォーマンスが続く。

その後も、ゲストと称してメトロノームと演奏する一幕に加え(笑)、日替わりカバーのコーナーでは、拍手の大きさで演奏する曲を決めることになった結果、あまりの僅差に「ファイナルやし両方やりましょか!」という徳岡の鶴の一声で、The Beatles「Lady Madonna」~CARPENTERS「I Need To Be In Love(青春の輝き)」という何とも豪華なメドレーが実現。ユーモアたっぷりのMCでは時折、楽曲の構造や奏法のギミックについて惜しげもなく語り合うなど、見どころは絶えない。

終盤はライブの定番曲「SUMMER PARADE」を皮切りに、エモーショナルなプレイの連鎖でヒートアップした「KATANA」、ラギッドな風味と豊かな低音にシビれた「Quarrel」と畳み掛け、満場のクラップと共に駆け抜けた名曲「ONE」でフィナーレへ!

アンコールでは、「コロナで学んだことがあります。みんなの力があればライブはできると思っていたんですけど、そんな当たり前すらできない事態があるんだなと。だからこそ、一回一回のライブをさらに大切にしていきたい。今日も自分たちにとって特別な一日になりました」と三浦。「お客さんがいなかったら、僕らがステージで演奏する意味は全くない。同じ空間でライブができることを改めてありがたく思います。本当にありがとうございました!」と徳岡が述べ、最後は代表曲の「START」を。会場の隅々までが手を振る絶景に見送られ、各地でファンとの再会を果たし続けた幸福な二人旅は、こうして見事な終着点を迎えた。

そんなDEPAPEPEは、12月には金沢 北國新聞赤羽ホールで、押尾コータローとともに、スペシャル・クリスマスライブを開催する。

取材・文:奥“ボウイ”昌史
撮影:ヨシモリユウナ

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