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長澤知之 BAND LIVE 2021 オフィシャルライブレポート

March 8, 2021 17:00

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長澤知之 BAND LIVE 2021 オフィシャルライブレポート

シンガーソングライターの長澤知之が、3月7日に東京・恵比寿LIQUIDROOMにてバンドスタイルのライブ「長澤知之 BAND LIVE 2021」を開催した。

長澤にとって、観客とリアルで対面するバンドライブは、2019年の「長澤知之:Nagasawa Tomoyuki Band Tour 2019‘SLASH’」ぶり。2020年は配信ライブやInstagramでの配信を精力的に行い、「青いギター」「クライマックス」「広い海の真ん中で」などの新曲も多数リリースしてきた。とはいえ、やはり生のライブは特別。しかもLIQUIDROOMは、長澤がこれまで多くのライブを行ってきた“聖地”のひとつ。開演前から、長澤の登場を今か今かと待ちわびる観客の熱が会場を満たしていた。

この日のバンドメンバーは、Dr:吉田佳史(TRICERATOPS)、Ba:キタダマキ、Gt:松江潤、Key:山本健太といった、初コラボレーションの面々を含むレアな顔ぶれ。ライブには初参加となる吉田とキタダは、「広い海の真ん中で」の制作に続いての参加となった。開演時間になると同時に、メンバーと共にステージに現れた長澤は「今日は楽しんでいきましょう!」とあいさつし、1曲目の「あんまり素敵じゃない世界」を披露。トップバッターにふさわしい、跳ねるようなサウンドに、コロナ禍で一層胸に迫る「君 君と虹を刻む まだあんまり素敵じゃない世界で」といったリリックが重なり、会場の雰囲気は一気に最高潮に達した。長澤の顔からも、自然と笑みがこぼれる。

なお、長澤は現在「ムー」のMVも手掛けた映像監督・⾼橋健⼈と組み、これまでに発表してきた楽曲に映像を融合させたリリックビデオ制作プロジェクト「L Y R I C S」を展開中。そのこともあり、今回の「長澤知之 BAND LIVE 2021」では、高橋監督による映像演出がほぼ全編にわたって取り入れられた。2曲目の「広い海の真ん中で」でも、楽曲の内容に合わせて広大なブルーオーシャンの映像が広がり、世界観に奥行きをもたらしていた。

万雷の拍手のなか、2011年にリリースされて以来、ファンから愛され続ける名曲「明日のラストナイト」を含む3曲を演奏した長澤は、観客の前で演奏できる喜びを表すようにガッツポーズを決めたのち、4曲目の「フラッシュバック瞬き」で一気に新たな世界へと連れていく。

長澤の楽曲群の中でも特に高音から始まる本作だが、その後のラップから低音の締めに至るまで、ますます冴えわたる彼のボーカルには驚かされるばかり。かと思えば、ウェットなピアノの入りが印象的な「クライマックス」(ミラーボールの照明演出と演奏中の姿がリアルタイムに加工されて投影される映像演出が美しい)を経て、「ただ会いたい人はどこにもいない」と孤独と生活を歌う「センチメンタルフリーク」で、メロウな雰囲気へとスライド。続く「Back to the Past」に移る際には、「こういう時代ですが、遊びに来てくれてありがとう。ここにいてくれてありがとう」と改めて感謝を述べ、「いまから過去に戻ることはできないし、恐れるべきことを恐れて楽しむことが大事ですよね」と人柄が伝わるMCで観客を包みこんだ。

8曲目の「青いギター」からは一気に疾走感をきかせ、続く「世界は変わる」と共に「これぞバンドサウンド!」といったラウドな音像で、観客を“生の体験”に引きずり込んだところで、バンドメンバーはいったん退場し、長澤の弾き語りパートが始まる。

「バンドライブと言いながら、いまからソロをやります」とのジョークで場をなごませた長澤は、弾き語りで力強く歌い上げる「ソウルセラー」、感情がないまぜになった「パーフェクト・ワールド」、小山田壮平らとのバンド「AL」の楽曲「あのウミネコ」を立て続けにかき鳴らす。

山本を呼び込み、奏でられたのはデビュー曲の「僕らの輝き」。この曲を有観客で演奏することには、やはり大きな意味がある。コロナ禍の開催のため、観客はマスク着用・声を発せない環境下ではあるが、そのぶんぐっと集中し、音楽に身をゆだねていた。ここでは、長澤のギターに合わせて足元の電飾が光るという粋な演出も。見事なセッションで魅せたふたりに松江も加わり、続く演奏曲は「無題」。それぞれの歌声が重なる部分では、讃美歌のごとき清らかなムードが生まれた。その後、吉田とキタダを迎え入れて再びバンドに戻り、3月10日に配信予定の「三月の風」を初披露。長澤が温かくも伸びやかな歌声で引き込みつつ、歌詞が背景に映し出され、「人と人の別れや旅立ち、未来への希望」をテーマにしたこの曲の優しいメッセージを、観客にはなむけのように届けていた。

ライブも、いよいよ大詰め。代表曲のひとつ「左巻きのゼンマイ」をしなやかに響かせれば、「ありがとうございました! また会う日まで」とのMCと共に届けられたラスト曲「蜘蛛の糸」では、歌詞の一つひとつをかみしめるように切実にシャウトし、この日一番のグルーヴを観客との間に作り上げた。

鳴りやまぬ拍手のなか迎えたアンコールでは、近年のライブではやれば必ず盛り上がる“新・定番”の「ムー」を演奏。観客の全力のクラップに背中を押され、メモリアルなパフォーマンスを共に創り上げた。

この日のライブを通して、何度も「ありがとうございます」と感謝を述べた長澤。演者にとっても、観客にとっても待ちに待ったライブだったことだろう。ステージで喜びを爆発させていた長澤やバンドメンバー同様、参加した観客たちのマスクの下は、皆笑顔だったのではないだろうか。


■「長澤知之 BAND LIVE2021」
2021年3月7日(日)LIQUIDROOM
セットリスト

1「あんまり素敵じゃない世界」
2「広い海の真ん中で」
3「明日のラストナイト」
4「フラッシュバック瞬き」
5「クライマックス」
6「センチメンタルフリーク」
7「Back to the Past」
8「青いギター」
9「世界は変わる」
10「ソウルセラー」長澤弾き語り
11「パーフェクト・ワールド」長澤弾き語り
12「あのウミネコ」(AL)長澤弾き語り
13「僕らの輝き」長澤 with 山本健太
14「無題」長澤 with 松江潤、山本健太
15「三月の風」
16「左巻きのゼンマイ」
17「蜘蛛の糸」

アンコール
18「ムー」

Text:SYO
カメラマン:岩佐篤樹



■ 長澤知之 Official HP
https://www.office-augusta.com/nagasawa/

関連画像

インフォメーション

「三月の風」
3月10日(水)配信


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