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安藤裕子 LIVE 2020 クリスマスの恋人 オフィシャルライブレポートが到着!

December 25, 2020 22:00

安藤裕子

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安藤裕子 LIVE 2020 クリスマスの恋人 オフィシャルライブレポートが到着!

安藤裕子がクリスマスイヴの12月24日(木)に、有楽町ヒューリックホールで「安藤裕子 LIVE 2020 クリスマスの恋人」を開催した。

温かい拍手に迎えられ、ステージに現れた安藤裕子。幕開けは、穏やかなピアノのイントロで始まる「海原の月」。ひさしぶりに人前に立って歌えることをかみしめるかのように歌を紡いでいくなか、大サビでは感極まったか、言葉を詰まらせる場面も。

「人前で歌うの、今年はこれが3回目……だそうです」。手短なMCをはさんで、『Barometz』から「Tommy」、そして『ITALAN』から「風雨凄凄」でぐっとテンションを上げ、「スカートの糸」では、これまで溜め込んでいたものを解放するかのように全身を使って力強く歌い上げた。

続くパートでは、「恋しい」を手始めに、新旧取り混ぜた楽曲をパフォーマンス。リズミックなナンバー「Live And Let Die」、ファースト・アルバム『Middle Tempo Magic』から「ロマンチック」というアップテンポなナンバーに続いて、「さみしがり屋の言葉達」を披露し、客席は豊かな感情で包まれた。長らくのファンにとっては、この日のひとつのハイライトだっただろう。「お誕生日の夜に」、そして「クリスマスの恋人」では手に持った鈴をシャンシャンと鳴らしながら、クリスマスムードを演出を盛り立てる彼女が微笑ましい。

しばしのブレイクをはさみ、後半は、配信シングルとしてリリースされたばかりの「衝撃」で再開。奥行きと広がりを感じさせるスケールの大きな音像と、そこに乗る彼女の力強い歌声。続けざまに披露した『Barometz』から「Little bird」における気怠くも熱のこもった歌唱とともに、思わず鳥肌の立つ瞬間だった。続く「パラレル」は、現バンドでのダウンテンポなリアレンジ・ヴァージョン。ここまでの3曲は、いずれもイスに腰掛けての熱唱だったが、いまにも立ち上がりそうな勢いで歌に向かって魂を解放する姿が、熱いものを誘う。

「レコード会社を離れたり、一回止まらないといけないなあと思い……でも、自分でも何か作らなきゃなあと思っていて、弾けないギターを弾いたりして作っていた曲のひとつで、2017年の夏に作った曲です」という「nontitle」は、安藤裕子の真骨頂でもあるバラードナンバー。そこからの「箱庭」「73%の恋人」……物静かなようでいてものすごく力に満ち溢れたこの流れはとてもスリリングで、この日のステージでもっとも引力を放っていた瞬間だ。

そんなクライマックスからのエンディングは、「一日の終わりに」とユニコーンのカヴァー「雪が降る町」で和やかに締めくくり。アンコール「聖者の行進」を含めて2時間弱のステージは、最新アルバム『Barometz』からの楽曲のお披露目という意味合いを含みつつも、今、パフォーマーとしてとてもノッている安藤裕子の姿を見届けることができた、うれしいクリスマスプレゼントになった。

Text by 久保田泰平
Photo by Taku Fujii



■ 安藤裕子 オフィシャルサイト
https://www.ando-yuko.com

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