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Augusta Camp 2020 DAY2 ライヴレポート

Augusta Camp 2020 DAY2 ライヴレポート

October 11, 2020 19:00

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9月26日(土)・27日(日)の二日間にわたりオンラインで開催された【Augusta Camp 2020】。Day2のNewcomer ActはOkayuka。高橋結子氏(Per)と金子巧氏(Key)を迎え、ナチュラルな装いと心地良いリズムで新曲の「何言ってるか分かんないけど何かいい感じ」を含む3曲を披露。


DAY1から続く『いいちこpresents 杏子・山崎・秦・松室のスペシャルトーク!!』の「オーキャン裏話 できれば言いたくないガチバトル」で黒ひげを飛び出させたのは秦 基博。秦曰く「某卓弥さんがすべてを潰しにかかる」話をし、自分に風当たりが強いのは直属の部下だからと爆笑トーク。

バンドセットだったDAY1。9月27日(日)のDAY2は、山崎まさよし以外がアコースティックだということ加え、山崎のステージが多いことも語られたが、この時点で筆者自らネタバラシをすれば山崎は勿論のこと、すべてのアーティストが短い持ち時間の中、かなり濃密なステージを繰り広げた。

画面がステージに切り替わると、DAY1のエンディングポーズの山崎と杏子。「昨日からずっとこのポーズだったよ。疲れたよ。(杏子)」と2日間観てくれているファンの顔を綻ばせるようなオープニングトークから始まると、トップバッターの浜端ヨウヘイを呼び入れた。浜端はDAY1を終えて、オンラインならではの楽しみ方も感じていたようで「新たなコンテンツとして今後のオーガスタキャンプに追加されることでヴァージョンアップされると思う。」とコメント。
最初に歌う「カーテンコール」について、「一曲目から終わらすんかい、お前!」と山崎。DAY2幕開けのプレゼンター役を担った杏子と山崎は退場。ひとり鍵盤の前に座る浜端は「時代の流れの境目に…そんな瞬間に鳴り響いていたら良いと思う“はじまりの歌”」と「カーテンコール」を紹介。清々しいまでの伸びやかな声が響き渡った。


浜端から紹介され登場したのは松室政哉。筋トレにハマっている話をバラされ照れつつも軽いトークの後、人を好きになった気持ちを海に浮かぶクラゲに例えた、人気のバラードソング「海月」を、深海と月明かりを感じるライトの下、ギターでしっとりと弾き語る。その静寂は、歌に魅了され聴き入るオーディエンスの静けさにも感じた。

「今日は2日目。こんな感じでバトンを繋いでいきたいと思います。続いてはスキマスイッチのお二人です。」松室からの紹介で登場したスキマスイッチ。この後の進行も考え退場しようとする松室に「まだそんなに急いで行かなくても(笑)」と大橋。常田は「そういう立ち位置だよね、もう(笑)」と言って松室を送り出す。大橋は椅子に腰掛け「これが本来のフルメンバーですからね。」と常田と笑い「んじゃ、いくよ!」ジャジャっと軽くギターを鳴らし、すぐさま「ガラナ」を歌い出す。そのあまりにも自然な流れは格好良く、ここだけの話だが何度もリピートした。軽快な音でありながら動きの激しい鍵盤、アコギでありながらそのアグレッシブさを失わない音色と歌声は、画面のこちらにいるオーディエンスを盛り上げるのには十分すぎるものだった。

スキマスイッチに紹介され登場したのはDAY1でドラムを担当したあらきゆうこ。あらきがこのステージで着ている衣装には、あらきとアートユニット“calyboo”を組んでいる近藤康平氏による手描きイラストで、何と山崎まさよしが描かれていた!あらきとスキマスイッチの話題は再び松室へ。大橋は「松室って何か可愛らしいよね。ああいう可愛らしさは秦にはなかったからね。」と、今度は秦がターゲットになったかと思えば結局「松室はDedachiくんにもイジられていて欲しいな(笑)。」と、やはり松室ネタで盛り上がる。この様子を松室や他のメンバーはどういう風に観ているのか想像すると笑ってしまうが、あらきと大橋が歌い、常田の鍵盤による「Passage」は、ギターのスクラッチノイズとリズムトラックが特徴的なオリジナルよりオーガニックな雰囲気を感じ、野外で聴きたいと思わせるカヴァーとなっていた。

「25周年BOY、山崎まさよしー!」美しい白のドレス姿の杏子に紹介され登場した山崎まさよし。あらきが「Passage」を一人では無理だと考えたのと同じように、これから演る山崎のオリジナル曲「ソノラマ」のグルーヴやビートは山崎と一緒でないと、と語る杏子。この「ソノラマ」はソノシートのことで、アルバム『ドミノ』(1998)に収録されたこの曲の歌詞カードにはその旨の記載があることや、当時仮歌で歌ったものをドラムの山木秀夫氏に「それをタイトルにしたら良いじゃない。」と言われたことなどのエピソードも飛び出した。ブルージーで大人の色気が溢れる杏子と山崎による2ギターの「ソノラマ」。杏子は山崎にこのままギターを弾いてほしいと頼むと、急遽用意された拡声器を手に「この際なので山崎まさよしに言いたいことがあります。山崎まさよし、歌い続けてくれてありがとーーー!山崎まさよし、生まれてきてくれてありがとうーー!強いて言えばマーちゃんのお母さん、ありがとう。そして今日このオーガスタキャンプを観ていてくださっている皆さん、そしてこのオンライン配信を作ってくれているミュージシャン、スタッフの皆さん、そしてオーガスタのスタッフとミュージシャン、みんな、山崎まさよしが大好きだーーー!」と沢山のありがとうを伝え、再び歌に戻る。突然のことに山崎は驚いたり、わざとおどけた表情をしながらも、曲が終わると照れくさそうにボソっと「ありがとう。」と笑った。


杏子が退場すると、さかいゆうが登場。何か言いたいんだけど何を言っていいかわからないさかいのシャイな笑顔と、それを察したやはりシャイな山崎の笑顔。一瞬の無言が妙に胸を打つ。「覚えてます?」さかいは2011年、山崎と二人で出演した長崎県島原市での【Augusta Caravan】 が楽しかった話をすると、大好きだという山崎の「コイン」をふたりで演奏。さかいの「コイン」は驚くほど彼の声にぴったりで、声質、色合いの全く違う二人の歌声に酔いしれた。

浜端と松室によるトークタイムが終わると、元ちとせのステージへ。 山崎のギターと、あらきのパーカッションで山崎作曲の「ひかる・かいがら」を歌う。この曲のファンも多く、それはコメント欄にも反映されていた。その後二人は退場。DAY1に続き、奄美のシマ唄で元らしい世界観を繰り広げた。

続いて登場したのは秦 基博。静かな空気感の中で歌う「在る」。アコギの弾き語りというシンプルなスタイルだからこそ感じ取れる秦のメロディセンスと歌声の魅力。「音楽をダイレクトに楽しめるというか、オンラインならではの楽しみ方が自分なりにも出来ていて、観ていてくださる方もそうだと良いなと、そう思っております。」初のオンラインオーガスタキャンプについてそう語る秦は「鱗(うろこ)」を歌い終えると、同期の長澤知之を呼び入れた。
「ウェーイ」と軽い挨拶で登場した長澤に「ゆきゆきのウェーイ聞いたことないわ(笑)。」と秦。それに対しわざと突き放した口調で「ゆきゆきって誰ですか。」と長澤。どうやらお互いをどう呼び合うか決めたらしいが、さすがにやめたらしい。(ちなみに秦は「もともと」)
「なに昨日、松室とコラボして。まず俺に声かけるべきでしょ。(秦)」「だって怖いんだもん(長澤)」。どうやら楽屋で「Joan」が優しい曲だという長澤の言葉に、照れて反応に困った秦の表情が怖く感じたらしい(笑)。ひとしきりそんなやりとりを繰り返した後、「おじゃま虫はドロンいたします。」と山崎スピリッツ(?)をしっかり受け継いだ挨拶で秦は退場。


山崎まさよし25周年を祝う今年のオーガスタキャンプは楽しく演るのが一番と語る長澤。ありふれた言葉で祝いのリボンをかけない無骨さは好感が持てる。実際この2日間、長澤のパフォーマンスは素晴らしく、新曲「コルク」では淀みなく張り詰めた声と優しいメロディで歌の世界に引き込まれた。


「僕の大好きな先輩を紹介させて頂きたいと思います。」長澤の言葉で岡本定義が登場すると「何日、何時にしましょうか(笑)」と長澤。どうやら二人は飲み友達らしく、軽くそんな話を交わした後、長澤は退場。岡本が歌うのは福耳への書き下ろし曲「八月の夢」。こういう状況下、「あたりまえ」の尊さを改めて実感させられるこの曲。岡本の歌声とフライングVの歪んだ音色が色々な想いを包み込む。


「サダさーん、格好良いですよ。」岡本に紹介され登場したのはDedachiKenta。コロナの影響でLAの大学に戻れないDedachiだが、現在Mid-term Exam(中間試験)のため、楽屋でも必死に論文を書いていたらしい。
「山さんみたいな先輩がいてすごく幸せです。これからも素晴らしい音楽を日本に、また世界に届けてください!このピアノはスキマスイッチのシンタさんのものなので、デリケートに扱いたいんですけど、シンタさんもピアノを貸してくれたありがとうございます!」山崎がデビューした1995年、まだ生まれていなかったDedachiには人生だけでなく音楽の素晴らしき先輩が沢山いる。そしてこの日初披露したのは、未発表の新曲「Where We Started」。愛と決意を感じる全編英詞のバラードはコメントでも「歌詞がわからなくても泣ける。」と書かれていた。


まるでリングに立つ試合前のボクサーのようにスタッフのセッティングを待つ竹原ピストル。「この曲はお客さんの前で歌うの初めてで、だいぶドキドキするんですが沢山稽古したんで。」そう言うとDAY1に引き続き山崎のカヴァーで「名前のない鳥」。いぶし銀のような竹原らしいこの曲はかなり味がある。「緊張しました(笑)。山崎さん、デビュー25周年本当におめでとうございます。」歌の世界から戻った竹原はホッとした様子で笑顔を見せた。


ここからはスキマスイッチと秦 基博による「ホップステップショッピング」のコーナーに。大橋は、秦の言うことに「え?」と聞こえないふりをしたりパンフレットに映る秦をイジったり。帽子の試着やマルシェバックを誰が一番先にたためるか競争したり縄跳び対決をしたり、とにかく始終楽しそうな3人だった。


そしてここからは山崎まさよしのステージ。「こんばんは。山崎です。」セットチェンジされたステージに神妙な面持ちで登場。様々なアーティストがこの2日間、山崎の楽曲をカヴァーしていた。「その中でも二日続けてカヴァーしてくれたピストル、本当にありがとうございます。」竹原にお礼を述べつつ「あえて“未完成”を歌います。」と真剣な表情で同曲を選曲したことに感動を覚える。だが次の瞬間「これは“未完成”の倍返しだ!」と、まさかの半○直樹のモノマネ!最近Instagramを始めた山崎はよく半沢○樹のモノマネをしているが、まさかここで……。江川ゲンタ(Dr)、中村キタロー(B)を呼び入れると、いつもの「まきげ」トリオ編成で「月明かりに照らされて」。無論山崎ひとりの弾き語りには言い尽くせない魅力があるが、聴き慣れた安定のサウンドはやはりテンションが上がる。8月にリリースしたEP『ONE DAY』収録の「Flame Sign」のダークなメロディと<炎>をキーワードにしたこの曲は、昨年山崎が主演を務めた映画『影踏み』をどこか思い出せる。

ここで江川と中村は一旦退場。入れ替わりにストリングスの室屋光一郎(Vn1)、伊藤彩(Vn2)、榎戸崇浩(Va)、堀沢真己(Vc)を呼び入れると、ストリングス・カルテットと山崎の鍵盤による「ツバメ」。アウトロのストリングスに一瞬だけ酔いしれ目を伏せる山崎は忘れがたい。「花火」が終わると再びバンドメンバーも登場。呼び入れようとしたがすでにセッティング済みだった二人をみて「早いな。付き合い長いな(笑)。」と山崎は楽しそうに笑った。「One more time, One more chance」はいわずもがなの名曲だ。ストリングスの繊細さとリズムのエモーショナルさは何度聴いても感情を揺さぶる。先程触れた映画『影踏み』の同名主題歌「影踏み」を聴くと、この物語の中にどっぷり浸かっていた昨年を思い出す。初めて山崎にインタビューをさせてもらったのもこの映画だった。熱を帯びた演奏が終わった瞬間、思わず画面越しに拍手を贈ってしまった。「晴男」はやはりオーガスタキャンプで聴きたい一曲だ。山崎は歌いながら楽しそうな笑顔を見せるが、本来シンガロングが広がる「ラララ」の部分で「今日はありがとうございます。今観てくれている、お客さん……お客さーーん!」と、いつもの呼びかけ。「こういう時には絆と強さを持って、こういった物事に立ち向かっていかなければいけないと思います。」真面目なトーンで話をしながら再びの○沢直樹(同日が最終回)の話をするのが山崎らしい。
今年のオーガスタキャンプでは、山崎の様々な表情を目にすることが出来た。

アンコールで山崎はオーガスタメンバーを呼び入れるも、なかなか出てこないメンバーに不安な表情のままトークで繋げる。「おーい!…気持ち悪っ!ちょっと待って、ちょっと待って!それ気持ち悪い!」やっと出てきたメンバー全員が、サプライズで山崎のお面を被って山崎の周りにぞろぞろ集り、山崎も驚愕の表情で目を白黒させている。どうやらフェイスガードの意味もあるらしいが、記念撮影では「これあかんって。オカルトや!倫理違反や!」と苦笑。
山崎の「Updraft」、大きなリズムの「ラーラーラー」を福耳が歌い、その存在感と開放感に満ちたサウンドにオーガスタキャンプを感じる。残念ながら今年は、空を仰いで風を受けることが出来なかったが、みんなが巡り会えたこと、それは変わりがない。


「オーガスタキャンプ1日目、2日目、自信を持って皆様に届けられたと思っています。音楽の力を私たちは信じています……これが…山が25周年で…本当に音楽の力で私たちは繋がっているなって思っています。」話しながら声を震わせ涙を流す杏子に、山崎はおどけた調子でタオルを渡す。「山の25周年なんだよね(笑)。」タオルを受け取りながら笑顔を見せる杏子。多分山崎も油断すれば涙がこぼれるのだろう。「私たちがずっと大切にしてきた歌を皆さんに届けたいと思います。」そう言うと最後はやはり「星のかけらを探しに行こう  Again」。こうやってオーガスタキャンプを、音楽を、楽しめるのは決して当たり前ではない。同じことなんて何もない。それでもあえて言おう。何も変わることはない。シンガロングを求める声も、オーガスタメンバーの笑顔も、その歌声たちも。

「俺は客の顔が見えたね!」やりきった山崎は興奮した表情でそう言う。それがすべてかもしれない。ただ違ったのは、打ち上げ花火ではなく会場の裏手でメンバーが花火をしたこと。山崎から花火の火をわけてもらおうと次々くる後輩たちがいる一方、主役である山崎が真面目に話しているのにマイペースに花火を楽しんでいる姿も、どこか微笑ましい。
今回コメント欄を見ると、このオンラインでのオーガスタキャンプが初参戦という人たちがいた。来年はその人たち含め、みんなで広い空の下、歌声を共有したいと願いながら2日間に及ぶ【Augusta Camp 2020】のライヴレポートも幕を下ろそう。

Text:秋山雅美(@ps_masayan
Photo;岩佐篤紀


■ Augusta Camp 2020 DAY2 セットリスト

<Newcomer Act>Okayuka
OA1. 太陽があるかぎり
OA2. 何言ってるか分かんないけど何かいい感じ
OA3. 風凪

□ Acoustic Part 1
M1. カーテンコール/浜端ヨウヘイ
M2. 海月/松室政哉
M3. ガラナ/スキマスイッチ
M4. 星のうつわ/スキマスイッチ
M5. Passage <オリジナル:山崎まさよし>/あらきゆうこ with スキマスイッチ
M6. ソノラマ <オリジナル:山崎まさよし>/杏子 with 山崎まさよし
M7. コイン <オリジナル:山崎まさよし>/さかいゆう with 山崎まさよし
M8. ひかる・かいがら/元ちとせ with 山崎まさよし・あらきゆうこ
M9. 行きゅんにゃ加那節 <奄美シマ唄>/元ちとせ
・Acoustic Part 2
M10. 在る/秦 基博
M11. 鱗(うろこ)/秦 基博
M12. コルク/長澤知之
M13. 回送/長澤知之
M14. 八月の夢 <オリジナル:福耳>/岡本定義(COIL)
M15. Where We Started ※未発表新曲/DedachiKenta
M16. 名前のない鳥 <オリジナル:山崎まさよし>/竹原ピストル
M17. Forever Young/竹原ピストル

□ Yamazaki Masayoshi Act
M18. 未完成/山崎まさよし
M19. 月明かりに照らされて/山崎まさよし
M20. 振り向かない/山崎まさよし
M21. Flame Sign/山崎まさよし
M22. ツバメ/山崎まさよし
M23. 花火/山崎まさよし
M24. One more time, One more chance/山崎まさよし
M25. 影踏み/山崎まさよし
M26. Fat Mama/山崎まさよし
M27. 晴男/山崎まさよし

□ Encore
En1. Updraft/山崎まさよし with 福耳
En2. 星のかけらを探しに行こう  Again/福耳

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