POPSCENE

森山直太朗、時代をまたいだロングツアー『人間の森』千秋楽!

June 3, 2019 14:30

live_label
0
0
シェア LINE
森山直太朗、時代をまたいだロングツアー『人間の森』千秋楽!

森山直太朗の全国ツアー「森山直太朗 コンサートツアー2018〜19『人間の森』」の最終公演が2019年6月2日、東京・NHKホールで行われた。「人間の森」(ドラマ『記憶』主題歌)、「みんなおんなじ」(NHK Eテレ『みいつけた!』エンディングテーマ)などを含む最新アルバム『822』を携えた同ツアーは、昨年10月末にスタート。自身初の2部構成のステージ、“境界を超える”をテーマにした演出など新たなトライが多かったこのツアーの最終日で森山は、豊かさとスケール感を増した素晴らしい音楽世界を体現した。

第1部のステージは、大量の古着で作られた大木を中心にした舞台美術が施され、まるで森の中に迷い込んだようなムード。バンドマスターの河野圭(Key / G / Sax)をはじめとする7人のミュージシャンが開演の前からステージに姿を見せ、それぞれ自由に音を奏でる。やがてチャイムの音が鳴り、ゆっくりとした足取りで森山直太朗が登場。長いイントロに導かれた「夏の終わり」からライブはスタートした。さらにケルト音楽と日本の古典音楽が融合したようなアレンジが印象的な「生きとし生ける物へ」などを披露し、最初のMCへ。「『人間の森』と題して昨年10月から始まったこのツアー、今日が最終日です。行けるところまで行きます!」(森山)という言葉に客席から大きな拍手と歓声が送られた。

その後も最新アルバム『822』の収録曲、そして、デビューから17年のキャリアを彩ってきた名曲が次々と披露される。<自分らしさってなんだろうっていうブルース>という歌詞と高揚感のあるサウンドが響き渡った「糧」、メンバーの厚みのあるコーラスを取り入れた「シルビア」、童謡的な歌を観客が楽しそうに合唱した「みんなおんなじ」、メジャーデビュー盤『乾いた唱は魚の餌にちょうどいい』収録曲で、ツアーでの歌唱は14年ぶりとなる「今日の日はさようなら」。アルバム『822』収録曲の演奏時に“822ランプ”が点灯する演出も楽しい。第1部のラストは、ツアータイトルになっている「人間の森」。ピアノ、バイオリン、チェロによるオーガニックなサウンド、深遠な詩世界と大らかな歌声が会場全体を包み込み、大きな感動が生まれた。

休憩タイムを挟み、第2部はアルバム『822』収録曲の「出世しちゃったみたいだね」から始まった。続いて4つ打ちのリズムが心地いい高揚感を演出した「やがて」、森山が客席に降り、観客と間近でコミュニケーションを取りながら披露された「風曜日」も。幻想的なムードを醸し出していた第1部から一転、ここではカラフルな盛り上がりに満ちたステージが繰り広げられた。「祭りだ 祭りだ!」と笑顔で叫ぶ森山も本当に楽しそうだ。ツアー直前に出来たという新曲「すぐそこにnew days」では、ミュージカル風のサウンドに乗せてメンバー全員がソロ演奏を奏で、会場全体の一体感が増していく。そして、前向きな意志がまっすぐに突き刺さる「絶対、大丈夫」からライブは終盤へ。最後はアルバム『822』の1曲目に収録されている「群青」。<Hey Siri 僕の悩みを聞いてくれよ>とスマフォに語りかける歌詞が強く心に残るこの曲によって、本編は幕を閉じた。

拍手と歓声に導かれ、森山が再び登場。詩人の御徒町凧(森山の楽曲の共同制作者)と写真家の佐内正史による写真詩集「Summer of the DEAD」を紹介していると、御徒町が突然ステージに上がり、「人間の森」と題した詩を披露。これもまたファイナル公演ならではのサプライズだ。

アンコールの1曲目は、ピアノ1本で歌唱された「さくら(独唱)」。何度も聴いてきたはずの楽曲に新たな表現が加わり、豊かな感動へとつながっていく。続いてはアルバム『822』収録の「時代は変わる」。フォークロック調のサウンドとともに普遍的なメッセージが高らかに響き、ライブはクライマックスを迎えた。ここでライブは終わり…と思いきや、森山が「もう1曲やらない?」とメンバーを呼び戻す。「ツアーが始まったときは『人間の森』を“おっかない場所だな”と思っていたんだけど、いまはふるさとみたいな場所になりました。この先、迷ったり、息詰まったときは、『人間の森』を思い出します」(森山)という言葉に導かれたのは、「どこもかしこも駐車場」。会場全体にシンガロングが鳴り響き、圧倒的な解放感が生まれた。全員が舞台を降り、客席の照明が付いた後も拍手はまったく止まず、森山がもう1度ステージに登場。大きな歓声を受けながら、アコギの弾き語りで「君は五番目の季節」を歌い上げ、ツアー『人間の森』は幕を閉じた。

アルバム『822』を軸にした今回のツアーで森山直太朗の音楽は確実に広がり、自由度を増した。演出、歌唱、演奏を含み、新たな表現を切り開いたこのツアーを経た森山はこの後、どんな歌を生み出し、届けてくれるのか? この先の未来に対する期待がさらに高まったことが、ツアー『人間の森』の最大の収穫なのだと思う。

テキスト:森朋之
撮影:田中聖太郎



■ 森山直太朗 コンサートツアー2018〜19 『人間の森』
2019.6.2 東京・NHKホール

□ セットリスト
1. 夏の終わり
2. 生きとし生ける物へ
3. さなぎの時代
4. 糧
5. 花
6. シルビア
7. みんなおんなじ
8. フューズ
9. 今日の日はさようなら
10. 人間の森
〜休憩〜
11. 出世しちゃったみたいだね
12. やがて
13. 風曜日
14. すぐそこにnew days
15. 絶対、大丈夫
16. さよならさよならさようなら
17. 群青

-アンコール-
En1. さくら(独唱)
En2. 時代は変わる

-ダブルアンコール-
W-En. どこもかしこも駐車場

-トリプルアンコール-
T-En. 君は五番目の季節


■ 森山直太朗 オフィシャルサイト
http://naotaro.com/

関連画像

ピックアップ

RECOMMEND

iTunes TOP 20