POPSCENE - ポップシーン
POPSCENE - ポップシーン
THE COLLECTORS 30th Anniversary TOUR "Roll Up The Collectors" ライヴレポート

THE COLLECTORS 30th Anniversary TOUR "Roll Up The Collectors" ライヴレポート

November 10, 2017 19:40

THE COLLECTORS

0
シェア LINE

今年はTHE COLLECTORSがアツかった。デビュー30周年を迎え、キャリア初の武道館単独公演を大成功に収めたかと思えば、映像作品のリリース。更に昨年12月にリリースしたオリジナルアルバム『Roll Up The Collectors』を携え6月からTHE COLLECTORS過去最大規模、全国32箇所に及ぶ全国ツアー【THE COLLECTORS 30th Anniversary TOUR “Roll Up The Collectors”】を決行。11月3日(金)東京・中野サンプラザホールをもってファイナルを迎えた。

緞帳が上がると、日比谷野外大音楽堂や日本武道館でも使われた「THE COLLECTORS」と書かれた電飾。古市コータローのギターと、今年から正式メンバーとなった古沢 'cozi' 岳之のドラムが鳴らす“地球の歩き方”のイントロは、否応なくテンションが上がる。しかも加藤ひさしの歌声は、長期ツアーの疲れなど一切感じさせない!“Million Crossroads Rock”では会場が揺れまくり、あちこちから歌声、歓声、拍手が響き渡った。

「22年ぶりに帰ってきました。」

この中野サンプラザホールでのライヴは何と22年ぶり。古市の言葉に「俺たちどれだけ長生きしてるんだろう(笑)。」と加藤。更に「何となくレアな曲、聴いてください。」と言うと、“孤独な素数たち“へ。(確かにライヴではかなり久々な気が)
フジテレビ系TVアニメ『ドラゴンボール超』エンディング主題歌でもあった“悪の天使と正義の悪魔“に続き、サウンドにビートルズ愛が宿る“That’s Great Future ~近未来の景色~”、歪むギターから山森JEFF正之のベースリフでしめるエンディングはかっこよすぎる!

semi_exclusive20171110.jpgといいつつTHE COLLECTORSといえば、やはりMCも楽しみのひとつ。高知 X-pt.や高松 MONSTERから中野サンプラザホールのような大キャパシティの会場になると、パフォーマンスの見せ方も変わるらしく、加藤は「ダンスのキレが悪くなる。遠いから大きく見せようと思うでしょう。そうするとね、ちょっと息があがっちゃうんだよね。」と言って会場を笑わせた。6月の松阪ツアーで持ち帰ったカエルのうち一番高い声の子にフレディと名付けたことや、麻雀をした話などツアーでのこぼれ話に盛り上がると、古市は照明を指差し客電をつけることを指示。「これが好きなんだよね」とたまらなく嬉しそうな笑顔を見せた。更に中野サンプラザホールにあるゴンドラやポップアップの話からマイケル・ジャクソンの話になったあたりから、まるで副音声トーク状態!(かい摘みながらもMCで300字以上使ってしまった筆者も筆者だが…。)

ストレートな愛情表現とバラードでありながらポジティブに広がるメロディの“カラス”はやはり名曲だ。やはりこの聴きやすさは伊藤銀次の匂いがする。オーディエンスはゆったりとリズムに身を預けて聴き入っていた。22年前に果たせなかったSOLDOUTをこの日の公演では即日に果たし、加藤も「感謝しています。」と一言。話は一番最初に所属した事務所社長のことへ。信頼関係があるからこその、笑い溢れるイジりをしている途中、古市はふと思い出したように「来年クアトロ12ヶ月やります。」と恒例「CLUB QUATTRO MONTHLY LIVE」をあまりにサラッと告知。それでも興奮気味の歓声はすぐに広がった。しかしセットリストを考えるにあたり、忘れている曲もあり「コータローくんさ、『UFO CLUV』の“UFO”、サイドギターどうやって押さえたか覚えてる?(加藤)」「めちゃくちゃ難しい!(古市)」と言いながら押さえてみる。更に古市は12月のSpitz × VINTAGE ROCK std. presents「新木場サンセット 2017」出演に向けてスピッツの“ロビンソン”のカヴァーに余念がなく、少しだけ弾いてみせると山森と古沢も何となく合わせ始めるが、加藤はほぼハミング!笑いと拍手で盛り上がると、話の流れでTHE BEATLESの“A Hard Day's Night”をワンコーラス披露。そこから古市がヴォーカルを務める“マネー”へ。演奏が終わる頃、加藤は一旦退場。インスト曲を経て衣装を着替え、” 東京虫バグズ”で再び登場。 “NICK! NICK! NICK!”のイントロから歓声は上がり、“ノビシロマックス”で会場の熱気も上がる。すると拡声器が用意され、マーチのリズムの” がんばれG・I・Joe!”。クラップと加藤の「頑張れ!頑張れ!」の声にテンションマックス!加藤と古市がワンマイクで歌うパフォーマンスにも熱狂。そのまま本編は終了した。

アンコール、再び古市、古沢、山森が登場。突然Deep Purpleの“BURN”のイントロを演奏すると、そこから改めて“世界を止めて”のイントロで、加藤も登場。冒頭「神様 時間止めて このままキスさせて」を歌うオーディエンスの声、加藤のシャウト、古市のギター、この圧倒的名曲を前に筆者は感動するしか為す術がなかった。エンディングのギターソロは感傷的でロマンチックでロックだ!加藤はこの曲で叩いていたターゲットマークが描かれたタンバリンを床に投げ捨てると、続く“僕はコレクター”ではリズムに合わせ腕を振るオーディエンス。「30周年イヤーも今日でいよいよ終わります。ありがとう。」クラップは拍手へと変わり、再びクラップへ戻る。「後ろの電飾、みんな覚えてるね?日比谷の野音で使って、武道館で使って、今日使って……ようやくペイ出来ました。」笑いを入れつつも加藤は「32公演、どこも飛ばすことなく最高のライヴが出来た。ありがとう!ありがとう!来年は、コータローくんも言ってたけど、毎月クアトロ!」感謝と次なるクアトロ公演の期待を語ると、そのままコール&レスポンスへ。

POPSCENE_exclusive20171110.jpg「コータローくんがもう一曲やろうって言うので。」

加藤と古市が耳打ちしていたかと思えば、ファンには嬉しいサプライズ!もともとセットリストにも用意されていなかった“恋はヒートウェーブ”を披露。確か武道館公演でもこの曲を最後に演奏していた。The WhoやThe JamもカヴァーしたMartha Reeves & The Vandellas のモータウン・クラシックだが(スネアの連打やBPMなど、どちらかといえばThe Jamっぽい!)カヴァーでしめるあたりは音楽愛が身体に染み付いた彼ららしい。

12月24日は新宿JAMで初ワンマンの完全再現ライブ【WELCOME TO THE FLOWER FIELDS AND THE MUSHROOM KINGDOM】が開催され、来年は東京・渋谷CLUB QUATTROでの12ヶ月連続マンスリーライヴ【 LAZY SUNDAY AFTERNOON】が開催される。30周年を過ぎ、更にこの大人たちは音楽の楽しさを私たちに見せつけてくれるだろう!

撮影:柴田恵理
文:秋山昌未



■ Set List

M1. 地球の歩き方
M2. ロマンチック・プラネット
M3. Million Crossroads Rock
M4. TOUGH -all the boys gotta be tough-
M5. 孤独な素数たち
M6. 悪の天使と正義の悪魔
M7. That’s Great Future ~近未来の景色~
M8. Stay Cool! Stay Hip! Stay Young!
M9. 問題児
M10. カラス
M11. 希望の舟
M12. マネー
M13. インスト
M14. 東京虫バグズ
M15. NICK! NICK! NICK!
M16. ノビシロマックス
M17. がんばれG・I・Joe!

Encore
En1. 世界を止めて
En2. 僕はコレクター
En3. 恋はヒートウェーブ

Related Images