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ましまろ"ほーぼーツアー2016" 東京公演 10月7日 ライヴレポート

ましまろ"ほーぼーツアー2016" 東京公演 10月7日 ライヴレポート

October 15, 2016 22:00

ましまろ

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ザ・クロマニヨンズの真島昌利、ヒックスヴィルの真城めぐみ・中森泰弘で構成される、ましまろ。8月にリリースしたセカンドアルバム『ましまろに』を携え、9月よりスタートしたライブツアー【ましまろ“ほーぼーツアー2016”】が、10月15日(土)北海道cube gardenで全11会場12公演のファイナルを迎えた。東京公演は10月6日(木)7日(金)渋谷クラブクアトロでの2DAYS。筆者がレポートした2日目(7日)の公演は和やかさと熱狂が混在、音楽愛、ましまろ愛に溢れていた。

客電が落ちSEの「ムーンリバー」が流れる中、ホッピーを持ってメンバーが登場。真城は満員のオーディエンスから発せられる大歓声に笑顔を見せる。今ツアーも『ましまろに』のレコーディングにも参加した伊賀航をベースに加えた4人編成。真島がメインヴォーカルの“朝”からライヴがスタートすると、中森のスライドギターが印象的な“さがしもの”へ。音源よりもパワーある真城のかけ声と真島のブルースハープに、オーディエンスは笑顔で曲を口ずさみながらクラップ。

「今夜もどういう夜になるか予想もつきませんけど(笑)、私たちもリラックスして楽しもうと思ってやってきましたので、みんなもお好きに楽しんで帰ってください。」真城が挨拶すると次曲、“はだしになったら”のイントロ、ストラップが外れ「あっ!」という声をあげる中森。(実は中森ハプニング、珍しくない。笑)ストップした演奏にオーディエンスも大喜びで歓声を上げると「ストラップ外れるのは全然構わないんだけど、その声どうにかならないですか、毎回毎回。その吹き矢でいられたような声。(真城)」「吹き矢でいられたことないんで…(中森)」真城と中森のやりとりに今度は大爆笑。しかし真城のヴォーカルに重なる二人のコーラス、鳴りの良い真島のアコギに、先ほどまで手を叩いて笑っていたオーディエンスも魅了されている。MCを絡めたメンバー紹介のリラックスムードは、長い付き合いならではのメンバー同士だからこそだろう。

音源ではマリンバの音色が美しく情景を描き出した“ナポリの月”。ライヴでは異国の月夜を思わせる青いライトの下、真島と中森のギターがそれをトレモロ奏法で表現。心地良い音色が響いた。「マーシー、かんぱーい!」フロアから煽られホッピーで喉を湿らすと、真島のギターとブルースハープはゆっくりと“海とにくまん”へ。唸るような歌声とブルーズ臭たっぷりのリフにフロアのあちこちから歓声が飛ぶ。まさに真城が冒頭で言っていた、好きに楽しむスタイル。更に真島のシャウトと中森のギターがボルテージを上げると最後は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。「中森くん、ギター上手。」真島の言葉に、シャイな中森は無言でチューニング。その中森と真城が共作した“けあらしの町”。フロアは、全てを包み込むような真城の深い声と切ないメロディに酔いしれている。

「例のやつ、今日は何かないですか?」真城の言葉で大喜利大会に。大人がユルく遊んでいる様子は何だか楽しく、オーディエンスの容赦ないダメ出しに真島もタジタジ。“妙なねじれ”のネオアコ感、 公園”のクールなベースラインとアンニュイなメロディが後半戦へ誘うと、ファンにも人気の高い“ローラー・コースター”へ。キテレツで哲学的な詞世界は面白く、真島は降り注ぐ大歓声も一緒に飲み込むようにジョッキを傾けた。

「大ヒットナンバーの時間です。」真島と真城の言葉に再び大きな歓声。「永く愛される曲になると良いなと、これからの3曲は思っています。」真城はそう言うとデビューシングルの“ガランとしてる”へ。「今年は思ったより早くアルバムが出せて、こんな風にツアーも出来て。マーシーがすごく良い曲をいっぱい作ってくれて、それを中森さんと伊賀ちゃんと一緒に演奏が出来て、こんなに沢山の人が観に来てくれて、こんなに有り難いことはないです。ありがとうございます。」拍手が真城の沢山の感謝を包み込む。今年、もう1曲好きな曲が出来たというのは“遠雷”。やはり人気曲のひとつ。最後はモノローグのような“ひき潮”で本編は終了した。

「ボブ・ディランの真似。」アンコール、割れんばかりの歓声を受け登場したメンバー。真島は腰に手をあてディランの真似で盛り上がる。「皆さん、ビートルズの映画を観ましたか?」 椅子へ腰掛けると話題は『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』へ。公開初日にこのメンバーで観にいった話の流れから、元々セットリストには組まれていなかった“Twist and Shout”と“She's a Woman”(イントロのみ)、"Dizzy Miss Lizzy"を少しずつ披露するとフロアは大興奮!(『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』冒頭三曲の再現か!)

ロックンロール、ブルース、ネオアコその他、3人の音楽要素が調和するオリジナル曲の良さに加え、その場の流れや空気を汲んでサラッと、しかも格好良く(ここが肝心!)カヴァーをやってのけてしまう。 こういうところなのだ、ましまろのおもしろさは! こういうところなのだ、ライヴのおもしろさは!更にその流れから“天国の扉”へと続ければもう、ぐうの音も出ない。鳥肌が立つほどの格好良さに筆者も痺れっぱなし!アンコール最後に予定していた“ずっと”が終わるも、オーディエンスの大歓声と拍手は鳴り止まない。3人は顔を見合わせ、真島が「もう一曲演ろう。」と急遽“ハートビート”を演奏することに。嬉しいサプライズにフロアも大興奮。ご機嫌なリズムにクラップも弾み、【ましまろ“ほーぼーツアー2016”】東京公演2日目は熱狂と幸せなムードで幕を閉じた。

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Photo:柴田恵理
Text:秋山昌未



□ Set List
01. 朝
02. さがしもの
03. したたるさよなら
04. 体温
05. ナポリの月
06. しおからとんぼ
07. 海とにくまん
08. けあらしの町
09. わたりどり
10. 妙なねじれ
11. 公園
12. 成りゆきまかせ
13. ローラー・コースター
14. ガランとしてる
15. 遠雷
16. ひき潮
Encore
En1. 天国の扉
En2. ずっと
En3. ハートビート


■ オフィシャルサイト
http://www.mashi-maro.net

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Release

ましまろ
「ましまろに」

2016年8月31日発売

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CD

BVCL-745 / ¥2,913+税

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完全生産限定盤

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