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堀込泰行【HORIGOME,YASUYUKI LIVE TOUR 2017】ツアーファイナル@豊洲PIT

堀込泰行【HORIGOME,YASUYUKI LIVE TOUR 2017】ツアーファイナル@豊洲PIT

April 25, 2017 18:00

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17年間在籍したキリンジを2013年に脱退。2014年よりソロアーティストとして再スタートを切った堀込泰行が、昨年10月に1st Album『One』をリリース。今年3月から京都を皮切りに、ツアー【HORIGOME,YASUYUKI LIVE TOUR 2017】を開催。4月16日(日)東京・豊洲PITにてファイナルを迎えた。

“Buffalo”をSEに、ツアーメンバーの沖山優司(Ba,Cho)、伊藤隆博(Key,Cho)、北山ゆう子(Dr,Cho)、松江潤(Gt,Cho)、真城めぐみ(Cho,Per)と共に、大きな歓声を浴び、堀込泰行が登場。1曲目の“Wah Wah Wah”を歌い始めると再び歓声が沸き上がり、歌い終えると更に大きな歓声。勿論ワンマンライヴなので、どのアーティストだろうが歓声など当たり前に湧く。しかし堀込に対して拍手や歓声という形で表現された、オーディエンスのながきに渡る満ちあふれた「ヤス愛」を、筆者はワクワクしないではいられないのだ。(なぜなら筆者もそのひとりだから!)更に言えばキリンジを脱退、馬の骨作品からも8年経過、堀込泰行名義としては初のアルバムのツアーとなれば、楽しみでないわけがない。ブライアン・ウィルソンのような美しくポップなメロディの “涙にあきたら”は、コーラスワークも素晴らしい。

「ツアーで色々と回ってきましたけど最終日ということで、今日もはりきってやりたいなと思っています。曲も沢山用意してきましたのでゆっくり楽しんで下さい。」
その言葉通り、アルバムの曲は勿論、キリンジ時代の曲や馬の骨の曲などバランスよく散りばめられていた。

main_170416_165.jpg“New Day”の開放的で心地よいR&Bのリズム、ホーンの音色を響かせる伊藤の鍵盤、松江のギターソロは黄金の90年代を彷彿とさせつつ新たな堀込泰行も感じられる。UCC運営のウェブマガジン「UCC DRIPAR」内のコンテンツ「UCC DRIPAR MUSIC」用に書き下ろされた口ロロ(クチロロ)とのコラボレーションソング“バース・コーラス”では、甘くけだる気な歌声に魅了されるオーディエンスをミラーボールの光がキラキラと照らしていた。ベースの低いうねりと鍵盤が刻むダブのリズム。今ツアーでは“エイリアンズ”がDUBヴァージョンにアレンジされている。更に松江が持参したという、名機として名高いリズムマシン「ローランド・TR-808」が特徴的な“PING & PONG”へと続く。現在、“エイリアンズ”のオリジナルヴァージョンがLINEモバイルのTVCM【LINEモバイル愛と革新。(デビュー)篇】として起用されていることに堀込は「レゲェヴァージョンを演奏し始めた矢先に、テレビで普通のヴァージョンがCMで流れて(笑)。」と発言。これには会場からも爆笑と拍手が湧いた。再び『One』からは“Shiny”。清々しく輝く光を連想させるピアノフレーズは、ライヴで更に瑞々しく響いた。冒頭で「ヤス愛」と書いたが、メンバー紹介で、各プレイヤーへ贈られる拍手の大きさが、堀込と慣れ親しんだ彼等への愛としても感じられ(個々のプレイヤーとしての尊敬の念も含め)同じ空間を共有出来ることに心温かくなった。堀込は、ファイナルに多くのファンが詰めかけてくれたことに感謝を述べつつ、気付けばライヴも中盤。“Round and Round”のイントロに歓声が上がる。

170416_119.jpg『One』には絶対に収録されるだろう…いや、収録してくれるだろうと踏んでいた筆者の予想と希望を見事に裏切ってくれた(笑)“ファイヤーバード”。しかし収録されていないからこそなのか、何度かライヴでこの曲を耳にするも、毎回アレンジの自由度が高い。イントロ、松江のギターが怪し気に歪む“クモと蝶”。ライトはメンバーの影を大きく映し出す。 “さよならテディベア”の歌詞に色々な想いを巡らせていると、続く“ポップコーン”では弾けるようなクラップが耳に響いた。松江は堀込に近寄り、二人のギターセッションにオーディエンスも大盛り上がり!「 “ポップコーン”は十何年前、レコ発ライヴ以来演っていない」その言葉通り、MCで曲紹介した時の歓声は凄かった。ちなみに2001年リリースの『Fine』に収録なので、何と16年ぶり!キリンジイズム…と言ってよいか分からないが、冨田恵一氏が共同プロデュースの“ブランニュー・ソング”は、当時の堀込泰行旋律を匂わせ、好きだと言わずにはいられない。堀込のギターにも大歓声!

“季節の最後に”で本編を締めくくるとアンコール、「なかなか波瀾万丈なライヴで。でも僕は楽しかったので、ありがとうございます。皆さんも同じだったら嬉しいなと思います。」とツアーを振り返ると、今後もライヴや作品など出していきたいと意気込みを語った。メロディだけでなく、裏声の使い方にもカントリーやブルースのルーツを感じさせる“Waltz”。2014年のツアーの東京公演で初めてセットリストに加えられた時はまだ“Swamp”という名前だった。 ゆったりした堀込の歌声は、自ら音楽を楽しんでいることが分かる。「じゃあ最後はパーティーチューンで盛り上がって終わりたいと思います。どうもありがとうございました!」ミラーボール輝く中、最後の“銀砂子のピンボール”のアウトロ、堀込と松江のギター対決でフロアもヒートアップ!大歓声に包まれ、【HORIGOME,YASUYUKI LIVE TOUR 2017】の幕は閉じた。


PHOTO:立脇卓
TEXT:秋山昌未



■ SET LIST
01. Wah Wah Wah
02. Jubilee
03. 涙にあきたら
04. New Day
05. バース・コーラス
06. エイリアンズ
07. PING & PONG
08. Shiny
09. カメレオンガール
10. Round and Round
11. ファイヤーバード
12. クモと蝶
13. サイレンの歌
14. さよならテディベア
15. ポップコーン
16. クレイジー・サマー
17. 最後の週末
18. ブランニュー・ソング
19. 僕らのかたち
20. 季節の最後に

Encore
En1. Waltz
En2. ブルーバード
En3. 銀砂子のピンボール

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