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サウンドクリエイター特集 Vol.1『飛内将大が辿った音楽』

サウンドクリエイター特集 Vol.1『飛内将大が辿った音楽』

December 11, 2015 20:00

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YUKI、木村カエラ、元気ロケッツ、Aimerなど多岐に渡るアーティストへの楽曲提供・アレンジや、TV-CM、広告キャンペーン、映画などの映像コンテンツ作品にも音楽で参加している飛内将大。 小学校6年生頃から作曲を始め、19歳からトラックメーカーリミキサーとしてのキャリアをスタート。ギター、キーボード、ドラム、DJなど様々な楽器遍歴を持ち、あらゆるジャンルに対応出来るオールラウンダー。そんな飛内氏がどういう音楽遍歴を辿ってきたのか?様々な楽器を演奏出来るきっかけは何だったのか?影響を受けた音楽は?多彩なサウンドクリエイト力を持つ飛内氏を二回にわたり特集!第一弾は『飛内将大の辿った音楽』。


ー 飛内さんが音に触れたのは、3歳頃。ご実家にあったオルガンを弾きながらラジカセに録音して遊んだのがきっかけだと伺いました。

はい。当時録音したカセットテープも実家に残っているんですが、CMの曲を耳コピしていたんです。


ー 3歳で耳コピってすごいですよね。

でも、ひたすらワンフレーズだけをずっと繰り返し弾いているだけで(笑)。今思うと、弾くことよりも録音して聴くこと自体がすごく好きだったんだと思います。その流れで今に至っているんじゃないかな。ラジカセでずっと録音していました。


ー 飛内さんの年齢だと、カセットテープはあまり主流じゃなかったのでは?

いいえすごく使っていました。中学生の頃もラジオ番組を録音したりしていましたから。


ー そう考えると、カセットテープって息が長いツールだったんですね。今もまたラジカセ熱が再燃しているらしいですが。

先週もカセットテープを録音・再生出来る機械を、ジャンクで2台購入してしまいました(笑)。


ー ジャンクを?

ええ。でも両方ともちゃんと使えたので良かったです。カセットはドラムを録っても音が太くなるし、テープならではのザラザラ感も良くて。音程もテンポも揺れるんですが、そこに人間味を感じるというか機械っぽくないところが好きです。


ー ちなみに飛内さんはどういうお子さんでしたか?

自然ばかりの街だったので、海で釣りをしたり、森で遊んでいました。でも結構マニアックな部分があったかな。小学生に上がるか上がらないかくらいだったと思うんですが、壊れた炊飯器をドライバーで分解して遊んだりしていました。


ー すごいですね(笑)。飛内さんはギターやキーボード、ドラムなど、様々な楽器をこなしますが、元々は音楽一家なんですか?

母親は学生時代に吹奏楽を、父親と祖父、曾祖父など父方は代々ねぶた囃子の先生をしています。だから家に和楽器は沢山ありましたね。家の隣の神社でいつもねぶた囃子の練習をしていたので、その音は常に聴こえていましたが、それも音楽一家というのかな(笑)。でも親も音楽が好きだったので、音楽が無い環境ではなかったです。

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ー そういう環境だと、囃子の先生も含めて、和楽器奏者の道へ進もうとは思わなかったんですか?

勿論ねぶた囃子はやっていましたが、やはり演奏より録ることが好きだったんですよね。和楽器の音が必要であれば叩いたり弾いたりしますけど。最近も、とあるCMソングで三味線を弾きましたし。


ー じゃあギターやキーボード、ドラム、DJに加えて、三味線もプロフィールに加えられますね(笑)。

アハハ!そうですね。まぁ似非ですが。ギターの延長というか。


ー ちなみに大学ではどんな分野を専攻されていたんですか?

音楽音響デザインコースです。作曲やトラックメイキングをやる人と、MIXやPAをやる人が混在しているところで、僕はいかに作品としてクオリティを上げるかを勉強したくてどちらも学びました。


ー 話は遡りますが、小学校6年生頃から作曲を始めたとのことですが。

当時のエレクトーンはフロッピーに録音が出来たので、弾いたものを録音したり重ねたりしていたんですが、そのうちに曲を作ってみようという興味が沸いてきて。だから親が出掛けている隙にコツコツと。


ー 親が出掛けている間?

やっぱり恥ずかしいじゃないですか、オリジナル曲って(笑)。


ー なるほど(笑)。

勿論人の曲を弾くのは平気なんですが、自分の中から生み出したものを人に、ましてや親に聴かせるのって、最初は抵抗があったんですよね。だからヘッドフォンの中だけで、親のいぬまに(笑)。


ー どういう曲を作曲したか覚えていますか?

覚えています。とにかくドラムが沢山鳴っていて、どちらかというとダウナーな感じの曲でした。小学校六年生の頃、『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』の主題歌がきっかけで、The Smashing Pumpkinsにすごくハマったんです。その延長というか、暗いけどロックとも言い切れないような曲を作って。その頃はまだドラムも叩けなかったのでリズムパターンもめちゃくちゃだったけど、何とか自分の熱を表現したいというか、形にしたかったんだと思今います。

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ー The Smashing Pumpkins以外によく聴いていた曲は?

ジャンルレスでした。アーティスト単位より曲単位で好きになることが多かったんです。小学校の頃はJ-POPから入って、中学校に入りメロコア、パンク系を聴くようになってからは洋楽を結構聴いていて、どんどん広がってきました。Fatboy Slimみたいなクラブミュージックや、メタルの早弾きとか。


ー SLAYERとか?

そうそう。あとRacer Xとか。それとジャズも聴いていました。高校半ばくらいからは、世間的にエレクトロニカが流行り始めていたので、聴く音楽も作る音もそういう方向に傾いてきましたが。


ー 中学高校でバンド活動は?

中学二年の時にバンドでギターを担当していました。その頃はコピーをしていました。同時期にエレクトーンでドラムとベースを打ち込んでギターを弾いてテープレコーダーに録音することを覚えました。


ー すごい!

そこで初めて人にオリジナル曲を聴かせたんです。反応的には「すごいじゃん。」くらいでしたが(笑)、当時は周りでデモテープを作っている人はいませんでしたからね。田舎だし、まず楽器屋さんがなかった!電気屋さんにちょっとギターの弦が置いてある程度。


ー そうだったんですね。ドラムはいつ頃から?

本格的に始めたのは高校生からです。でも中学生の頃、一緒にバンドを組んでいた友人の家にドラムセットがあったので、少し叩かせてもらった記憶はあります。僕、中学校三年生の時に大失恋をしたんです。


ー ほう。

その時ショックのあまり、その友人宅にあったエレドラを縦横無尽に叩いて、腱鞘炎になりました。


ー それは…(笑)。

未だに冬になるとうずきます(笑)。


ー ロックだなぁ(笑)。

ロックなんですかね(笑)。


ー ロック、ロック(笑)。でもそれだけ色々な楽器に挑戦するということは、録音自体は勿論のこと、やはり楽器にも興味があったということなんでしょうか?

そうかもしれません。色々な音を出したいというか。でも結局、音を出して録って重ねたい欲望の塊だったので、それで兎に角様々な楽器を買いました。壊れかけのキーボードとか、壊れかけのラジカセとか、壊れたギターとか…(笑)。あと、子どもをあやす時に使うシャカシャカ音のするおもちゃとか。


ー 探究心旺盛ですね。飛内さんが影響を受けた音楽を教えて下さい。

まず一番最初に踊り出さなきゃいけない曲だと感じたのが、小さい頃に「8時だョ!全員集合」で聴いた『「ヒゲ」のテーマ』です。ダンスの動きをやりたくなるし、すごく耳に残るんですよね。あのループの感じ。


ー 当時の子どもたちは、あの曲でループの楽しさを知りますよね。

そうそう!まさにループの楽しさを知った曲です。あとスマパンにハマった頃から今でも聴き続けている「Tonight, Tonight」。あの曲は自分の中で頂点に君臨するくらいに名曲だと思います。


ー 他にはありますか?

フジテレビ系アニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディングテーマ「あっけにとられた時のうた」です。ひょうきんな曲で全然耳から離れなくて(笑)僕が初めて自分のお小遣いで買ったシングルCDなんです。他にも色々ありますが時に聴くのはファットボーイ・スリムの「Ya Mama」。あとはやはりYUKIさんの『JOY』は何と言っても外せません。


ー そうですよね。

高校生の時から「こういう曲提供を出来る仕事が出来たら良いな。」と思っていたんです。


ー 夢が叶ったわけですね。

そうなんです!初めはまさかと思いましたけど。


ー ありがとうございました!第二弾もよろしくお願いいたします。


text&photo:秋山昌未

  インフォメーション

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飛内将大 Masahiro Tobinai
Produce / Sound Produce / Remix / Compose / Arrangement


ギター、キーボード、ドラム、DJなど様々な楽器遍歴を持ちあらゆるジャンルに対応出来るオールラウンダー。
小学校6年生頃から作曲を始め、19歳からトラックメーカーリミキサーとしてのキャリアをスタート。2007年agehaspringsに加入。YUKI、木村カエラ、元気ロケッツ、Aimerなど多岐に渡るアーティストへの楽曲提供、アレンジを手掛ける。数多くのTV-CM、広告キャンペーン、映画などの映像コンテンツ作品にも音楽で参加している。


■ agehasprings Official Site
http://www.ageha.net/

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