ー デザイン性も高いですよね。でも卓弥さんが牛丼食べてる(笑)。
佐々木:そうなんです。僕はこのパンフレットで、彼らの日常を撮りたかったんです。そしたら大橋が「吉野家行こう。僕はいつも行くよ。」って。
ー 常田さんはバイクに乗っていますが、これは私物ですか?
佐々木:実は常田のバイクが壊れてしまったので、同じ型のバイクを本人がバイク屋さんから借りてきてくれたんです。
ー 常田さんの熱量をとても感じます。
佐々木:でもこんなのはもう作れないだろうな…。正直、パンフレットってかなり労力がかかるですよ。でも作らない訳にいきませんしね(笑)。
ー いきませんねぇ(笑)。
佐々木:しかもグッズって一番最後なんです。コンサートの中身を決め込んで、次にセットを決める。そして一番最後にグッズを決めるので本当にスケジュールがなくて。その限られた中でどんなことをしていくかが、ここ最近のテーマです。ここにあるパンフレット達も、今だからこそ落ち着いて見られるし良いものが出来たとも思えるけど、作っている段階では、初日まで間に合わせなければいけないし、売っていかなきゃいけないしで本当に大変でした。(八嶋さんを見ながら)でもみんなに助けられています。
ー ツアーパンフレットのデザインは八嶋さんが?
八嶋:オーガスタキャンプの時期はグッズデザインやパネル等の案件も多いので、パンフレットは外部のデザイナーさんにお願いしています。
ー 佐々木さんから見て、八嶋さんはどういうキャラクター性を持った人ですか?
佐々木:良い意味でも悪い意味でも自分を崩さないので、やりやすいです。やりづらい時もあるけど(笑)。
ー(笑)それは冷静ということですか?
佐々木:うーん…頑固?
八嶋:(笑)。
佐々木:でも僕から「こういうデザインにしたいんだ。」って八嶋にアイデアを持っていった時、八嶋がきちんと意見を持っているとプレゼンに行く時、ある種自信を持って行けるんです。「八嶋はこれが良いと言っていました。」って。
ー ご自身の中で裏打ちされた確信のようなものがあるんですね?
八嶋:そういうわけではないのですが(笑)。何パターンか作って、そこから選んで頂いた方がスムーズだと感じる時もあれば、ある程度コンセプトや制作時間のことも考えたうえで、決め打ちした方が良い時もあると思っています。それを決定項として提案することはありませんが、方向性として「こっちの方が良いんじゃないか。」ということをまず初めにお伝えして、それが受け入れられた場合はそこから進行していける感じです。
ー なるほど。逆に八嶋さんから見て佐々木さんはどういう方ですか?
八嶋:佐々木さんは余白を残しておいてくれるんです。
ー 余白?
八嶋:単にデザインを落とし込むだけではなくて、デザイナーに自由にやらせてくれる遊びを残しておいてくれるんです。アーティストの方向性は守りながら、納期に余裕があれば提案する余地を作ってくれるので、僕達デザイナーからすると有り難いです。
佐々木:…これ照れますね(笑)。
ー 普段こういう話をあえてすることはないでしょうしね(笑)。
佐々木:でも八嶋に関しては、安心感があるんです。間違ったものは出てこない。イメージ案の多さも含め、そういう姿勢が好きで。たまに、ちょこっとだけしか修正しないこともありますが(笑)。
ー そうなんですか?
八嶋:ありましたね(笑)。自分の中では完成したものだったりすると、ちょっといじるだけで全体のバランスが崩れる事もあるので、少しだけ位置を変えたりして(笑)。すみませんでした。
ー アハハ!
八嶋:修正前と後を比べてこちらの意見を尊重して頂ける場合もあるのでありがたいです。
ー お二人が個人的に気に入っているグッズはありますか?
佐々木:特にこれ!というのはないですが、僕は帽子が好きなので自分が好きなものを作る時は人一倍気合いが入るかもしれません(笑)。あとは好きなメーカーとのコラボレーションとか。
ー なるほど。八嶋さんはいかがですか?
八嶋:グッズそのものというより、制作行程の面白さや喜びはアイテムそれぞれに感じます。例えば平面でデザインしたものがキーホルダーのような立体のグッズになった時は楽しいですね。
佐々木:まぁグッズも数が多いですからね。すべての企画をさせていただいている有り難みと辛さはあります(笑)。でも、「アーティスト」と「ファン」をつなげる役目としてやりがいは凄くありますね。
Interview/Text:秋山昌未
■ Augusta Family Club
http://www.augfc.net/
■ PRODUCE ROOM
http://sevendials.jp/produceroom/yamazaki.html
オフィスオーガスタ特集 Vol.2
テーマ:音を表現するアートワーク
インタビュー:有限会社セブンダイヤルズ 佐々木雄二さん/八嶋秀幸さん
佐々木雄二さん
東京工学院卒業。広告代理店に入社。事業制作部でCD発売記念やプレミア試写会などのイベント制作後、イベントディレクターとしてフリーランスになる。知人の紹介で知り合ったセブンダイヤルズの代表取締役社長に誘われ、2009年に有限会社セブンダイヤルズへ入社。オフィスオーガスタ各アーティストのツアーグッズやオーガスタキャンプのグッズを担当する他、Produce Roomというプロジェクトで、アーティストやブランドとのコラボレーション企画も担当。今回、山崎まさよしの20周年にあたり、吉田カバンとのコラボ作品も製作。
八嶋秀幸さん
東京工芸大学卒業。プロダクトデザインを学び、Webデザインの会社に入社。その後フリーランスを経て、2011年に有限会社セブンダイヤルズに入社。物販デザインは勿論、フリーランス時代に培ったグラフィックデザインの経験を活かし、ファンクラブの会報や浜端ヨウヘイのデビュー後全てのCDアートワークや山崎まさよしの『HARVEST』のアートワークも担当。