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海蔵亮太、『Anniversary Every Week Project』インタビュー!デジタルシングル連続配信世界記録達成を振り返って

海蔵亮太、『Anniversary Every Week Project』インタビュー!デジタルシングル連続配信世界記録達成を振り返って

June 26, 2024 17:00

海蔵亮太

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ー 今作では槇原敬之さんのカバーが全4曲ありますね。

好きだから、つい(笑)。公私混同甚だしいって感じですね。


ー いや、だから良いんじゃないですか!海蔵さんの好きがきちんと詰まってる。しかもそれだけでモチベーションが変わるし。

そうなんですよ〜〜!!そう思うと大尊敬している槇原敬之さんの曲を定期的にカバーさせていただけたことで、このプロジェクトが完走出来たと言っても過言ではありません。


ー 難しいとは思いますが、今回カバーされた槇原さんナンバーでどの曲が一番好きですか?

うわぁ、難しいな……と言いつつ「四葉のクローバー」がとにかく好きで!初めてこの曲の歌詞を見た時、なんて優しい人なんだろうと思ったんです。僕がこの曲と出会った学生時代、学業もありつつ社会に出る準備もあって。そんなモラトリアム期というか(笑)右往左往していた時期の自分の感情と重なり、僕にとっては絶対に必要な曲なのでずっと歌っていました。え、ちなみに秋山さんはどの曲が好きですか?


ー 私は「Hungry Spider」かな。

「Hungry Spider」は僕の兄弟もめちゃくちゃ好きです!槇原敬之さんといったらその時代ラブソングの王道を歩んでいたので、この「Hungry Spider」や「SPY」とかのちょっとエキゾチックな世界観にはみんなびっくりしましたよね。


ー そうそう。マッキーにこういう世界観があったのかって!……と槇原さん話に逸れそうなので(笑)新曲の話を。最初に発表された新曲が「未来のトビラ」。個人的にすごく好きな曲ですが、この曲では海蔵さんも作詞に参加。しばらく陽の目をみなかった曲だったとか。

そうなんです。2019年には出来ていて、リリースの座組もある程度出来上がっていたんです。でも新型コロナウイルスでのパンデミックで、リリースしても生で皆さんに聴いていただくチャンスが絶たれたので発表が見送りになり、ずっと寝かせていたんです。でも悪いことばかりではなくて。月日が経ち、今現在の僕の言葉を届けたいと思い、歌詞も当時とは少し変えました。それとオリジナルキーで歌えるようになって。


ー というと?

この曲はMISIAさんの「Everything」などを手掛けられた、松本俊明さんに作曲をお願いしたんですが、実はキーが高くて出来た当時は歌えなくて……。だからキーを少し下げることも考えたんですが、やはりこのキーでいきたいし下げると世界観が変わるなってモヤモヤしていたんです。でもコロナ禍で仕事がなくなってしまった分、歌をもっと勉強しようと思い、音楽に没頭して、当時は出なかったキーを今は出せるようになり自信を持って歌えるようになったんです。


ー すごいですね!私たちもオリジナルキーで聴くことが出来た!

いや、マジでホッとしました(笑)。松本さんにはとても素敵なメロディーで壮大な曲を作っていただきました。でも壮大だからこそコアな人達に届ける曲にしたかったので、歌詞を含め、“一対多”ではなくて“一対一”のような曲にしたいと意識しながら歌いました。

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ー 続く新曲「汚れた手」 (Piano Ver.)のテーマは平和を願う想い。改めてこの曲に対しての想いを教えていただけますか。

僕は気持ちを言葉にするのが得意ではないし、誰かからのクエスチョンに対して音楽でアンサーするのが自分のやるべきことだと思っているんです。今は報道されることが減ってきましたが、世界的で起こっている大きな戦争や紛争に対しても、音楽を通して自分の想いを伝えられたらと思っています。勿論僕は戦争経験者ではないので当事者の肌感で伝えるのは難しいんですが、平和を願い、みんなが誰かを思いやる世界であって欲しいという想いをこの曲に込めました。だって小学生の頃は、世界は一つ、世界は丸い。みんな手を繋いで仲良くやりましょうって教育されて育ってきたのに、大人になったら急に手も繋いでないし、下手したらその手に武器を持ったりして。



ー 話が違うじゃんって。

そう!あれ?小さい時に学んできた感じと違うぞって。青臭いかもしれませんが、そこはもうちょっとみんな子供の頃の想いに立ち返って欲しいと今でも思いますね。


ー 新曲「サメになって裸足で勇敢に新宿を泳ぎたい (Acoustic Ver.)」ですが、最初にタイトルを目にした時は突飛な曲かなと思っていましたが、とても美しい曲ですね。

僕が仲良くさせていただいてる萩原和樹さんが作ってくださった曲です。パンデミックになった時、みんなが自宅待機を強いられ社会が止まった状況の中で、人間は動けない状態なのに海にいる生き物とかは自由に泳いでるの羨ましいな。僕もサメのような回遊生物みたいに家から飛び出して足を伸ばしたい。そう思って作ったそうです。ただ難しくて歌えないって萩原さんが言い出だして(笑)。だから、じゃあ僕がトライしますって言って歌ったんですが、実際に僕も歌えているのかどうか(笑)。


ー いや、完璧に歌えているじゃないですか(笑)。でもやはり難しかったですか?

萩原さんが、この曲は上も下も縦も横も何もなくどこでもいけるような感覚と言ってたので、その浮遊感を出すのがすごく難しくてそこは苦労しましたね。普通ならエフェクトやシンセで表現されることも多いですが、なんと言ってもこのプロジェクトはシンプルと歌が軸なので、そういうエフェクトに頼らず自分でフワフワさせました(笑)。


ー それとやはり新曲の「ワインディング・ロード」。カントリーというかロカビリーテイストで少しユーモラスで。こういう楽曲や巻き舌での歌の表現が今までの海蔵作品には珍しかったので楽しかったし、元気が出ました。

毎週、武藤良明さんと協力してアレンジやイメージを考えていたんですが、息抜きで、今までの海蔵亮太のイメージと違うものを演ろうという話になり、セッション的に武藤さんがギターを弾いて僕が鼻歌を乗せて録ってみたんです。そしたらこれいいね!となって、歌詞も世界観もライブで盛り上がれるような楽しいイメージに振り切りました。ただその分、歌った後はものすごく疲れますが(笑)。


ー アハハ!でもこういう曲を皮切りに色々な海蔵さんが観られるのは楽しみです。

本当に毎週トライアンドエラーを繰り返しましたが、もしこのプロジェクトがなかったら、多分「未来のトビラ」や「サメになって裸足で勇敢に新宿を泳ぎたい」、そしてこの「ワインディング・ロード」も世には出ていなかった気がします。そういう経験が積み重なり歯車となって、沢山の曲を皆さんに聴いていただけたプロジェクトになった気がします。


ー そしてこのアルバムの<クラウン ミュージック ストア限定>では、対面イベントの招待特典もありますし、未発表音源の「愛のカタチ (Anniversary Ver.)」も収録。「愛のカタチ (Anniversary Ver.)」は、軸はやはりアコースティックでシンプルですが、大げさに言えば1本の映画を観たような充実感がありました。個人的にこのAnniversary Ver.は推しですね。

うわぁ、嬉しい!ありがとうございます。真面目な話をすると、僕は何かしながらBGM的に聴く音楽も大好きなんです。でも1曲1曲向き合って聴く曲があっても良いんじゃないかなと思って。そういう意味ではこの今回64曲、ちょっとヘビーですが(笑)、カバーもオリジナルも含め、素晴らしい仕上がりになったと思っています。


ー そしてアルバムの1曲目に収録されている「ありがとう」(オリジナル:井上陽水・奥田民生)。今回のプロジェクトの締めにふさわしい楽曲ですよね。

皆さんと作り上げるプロジェクトにしたいという想いから始まり、スタッフと協力や試行錯誤しながら出来たので、最終的にはやはり“ありがとう”というワードでひと区切りつけたかったんです。井上陽水さんと奥田民生さんのパートは勿論僕が歌いましたが、チームとして一緒に制作を手伝ってくださった皆さんの声や拍手なども入れつつ完成した曲です。このプロジェクトは絶対に一人では成し得なかったので、色々な方に感謝を伝えたいです。



ー 今後はどうなんでしょう。世界記録達成の目標は果たしましたが……

まだまだ挑戦は続きます!今回は世界記録達成を目標にやっていたので、言わばそのフェーズ1は終了ですが、今後も挑戦は続けていきます。でもこの歳になってこんなに何かに没頭することってあまりなかった気がするんですよね。社会人って組織の一人として動かなければいけないので、より広い視野で色々なことが出来るスキルが必要とされるじゃないですか。でもこのプロジェクトに関しては広い視野というより、とにかくやり続ける!それって学生時代の勉強やスポーツに類似していると感じていて。そういう意味では自分自身、ちょっとだけ青春の記憶を掘り起こせた感じがしました。そして今後続く海蔵亮太の挑戦に関しても多分皆さん、面白がって応援してくださると思うので、これからも宜しくお願いします!


ー ありがとうございました。

Interview&Photo:秋山雅美(@ps_masayan


■ 海蔵亮太 公式HP
https://www.ryota-kaizo.com

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