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長澤知之 15th Anniversary -15年を振り返って-「ああ、俺以外の人もちゃんと泊まってるんだな」

長澤知之 15th Anniversary -15年を振り返って-「ああ、俺以外の人もちゃんと泊まってるんだな」

August 3, 2021 21:00

長澤知之

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2006年8月2日にシングル「僕らの輝き」でデビューした長澤知之。一度聴いたら忘れられない歌声。哲学と皮肉と愛情に溢れた歌詞。ロック好きの血をくすぐるギター。長澤の音楽は触れる人によってかなり受け取り方が変わるだろう。無論筆者は魅了された人間のひとりだ。そんな独自の世界観を持つ長澤が今年デビュー15周年を迎え、8月4日に約8年ぶりとなるフルアルバム『LIVING PRAISE』をリリース。今回は長澤にその15年間を少し振り返ってもらった。


ー オフィスオーガスタに所属した頃や、福岡から状況した当時、特に印象に残っていること、または当時の心境などを教えてください。

最初は滞在と帰省を繰り返していたので、当時のホテルのことをよく覚えてます。
何号室かは忘れたけど偶然なのか同じ部屋に入ることが多くて、僕自身その部屋は気に入っていたんですが、ホテルなのでギターは弾けないし、当時はお酒飲まなかったし、知った散歩コースもなかったからやることがなくて、昼間のうちに近くの本屋でマンガを大量に買いこんで、夜読んだり、テレビ観たりして過ごしてました。

nagasawa20210803.jpg食事もずっとポテトサラダと缶コーヒーばっか飲んでて、窓から新宿方面のオリンパスの看板ボーッと見てたのを覚えてます。数日〜週間滞在したら福岡に帰って。

その当時泊まってた安ホテル、なかなか特徴的なホテルで、海外から来るバックパッカーとかがよく使うホテルだったんですが、ある時、そのいつも泊まる同じ部屋で、一度帽子を無くしたことがあって。
大切にしていた帽子だったので、悲しい気持ちで福岡に帰りました。
で、また東京行って〜を、半年ぐらい繰り返してたある日、また同じ部屋になったのでふとベッドの下を見たら他の滞在者の大量の落とし物と一緒にホコリまみれで僕の帽子もそこにあって。
同時にリップとか、新聞とか靴下とかも見つけて…なんていうか、「ああ、俺以外の人もちゃんと泊まってるんだな」と思いました。


ー この15年間の中でご自身が出会った音楽やミュージシャン、使用した楽器で刺激を受けたことを教えてください。

「15年間の中で」にしてしまうとどうしても長くなるので、最初にお会いした東京のミュージシャンの話をしますね。

nakamurakitaro20210803.jpg当時、代官山に事務所があったんですが、「中村キタローさんというベーシストと一度曲を作ってみてほしい」と言われて、彼にプロデュースしていただくことになったんです。
僕はキタローさんが誰かも知らなかったけど、当日、事務所の玄関の前でボーッと待ってたんですね。
そしたらキョロキョロしながら近づいてくるおじさんがいて。僕は相手を知らない上に、なぜか当時はそのおじさんがどうにもミュージシャンに見えなくって、「違う人だろう」と思ってまた待ちだして。
そのおじさんもしばらく玄関の前で立ってらして。

で、数分ぐらい経って、「もしかして、君、長澤くん?」と声かけられて。それが始まりでした。そこからミニアルバムを二人で制作しました。自分の名前でのセールスっていう意味ではキャリアはじめてだった。

それから、東京のミュージシャン=中村キタローさんってイメージになってって。
今にして思えば、あんな爆裂にミュージシャン過ぎる人もいないなと思うし、色んな笑える破天荒話聞くけど、なぜか当時はスーッと仲良くしていただけた気がして、すごい話しやすかった記憶だけがあります。

ただ、最初の知り合いのミュージシャンが中村キタローさんだったので、それ以降はどんなクセの強いミュージシャンとお会いしても、全く問題がなかったです。それについてはキタローさんの存在に感謝してるし、今も変わらず尊敬しています。

当時のキタローさんが住んでた家もすげえよく覚えてて。
なぜかやたら居心地が良かった思い出があります。今にして思えばキタローさんもそれなりに気を遣ってくださってたんだろうかもなと。

なんていうか、キタローさんの好きな部分は「ドカーーーン!」ってところなんです。「ズドーーーン!」でも「グワァアアア!」でもいいんですけど、そういうところは影響を受けました。
すげえバカみたいなこと言ってますし、もう少しその理由や繊細さ足した説明もできるけど、それだと違う意味でもっとバカっぽくなるんで、擬音だけで想像していただけたらと思います。


ー オフィスオーガスタの同期、秦 基博さんとは普段どういうお話をしますか?何か思い出深いエピソードなどあれば教えてください。また、同期としての秦さんはどういう存在でしょうか。

2shot20210803.jpg中村キタローさんとは共通する部分はあるんですが、秦くんと僕はかなり違うから、むしろのんびり話せるというか、気持ちをオフにして楽に話させてもらってます。
彼の歌声も、性格も好きだし、秦くんも15年経ったけど、僕との会話ではあまり変わった部分は感じないかも。
もちろん、彼自身や、周りの大きな変化のいいことや、悪いことによる成長や、葛藤はあるかもとは思うのですが、それを聞き出そうとは思わないというか。

だから、
「最近何かゲームやってる?」
「うーん、●●ってゲームやってる。知ってる?」
「あ、知らないかも。」とか。

「待ち時間って何してるの?」
「●●ってマンガ読んでるよ。マンガ読んでる?」
「あ、読んでないかも。」みたいな。

こう書くとなんかシュールコントみたいですけど、頭をオフにしてリラックスしてると、そういう会話でいいんですよ。もし何か面白そうなの教えてもらえたら、それはそれでやるだろうし。テンション的には15年前から全く変わってないかな。


ー 15年間で変わったこと、変わらなかったことは?もし、これからやってみたいと思っていることなどあれば教えてください。

正直自分っていうより、周りの変化を見てきたって感想の方が大きいかも。
時代の進化した部分と、退化した部分。そのどちらにも足をかけてバランスをとる様とか、立場の変化による責任の重さとか、あるいは単純に年齢だったりっていう周りの変化。
それを見てきてどう思ってきたかという感想の方が強いです。
音楽をやめた人もいるし、家庭を作ったあと地元でバンドをやる友人や、プロと呼ばれる世界にいても…「まだまだ出てくるなこの人。俺もっとすごいの作ろう!」って刺激をくれる人もいるし、まあ逆に「ああ、たぶんもう音楽でやりたいことなくなっちゃったんだな」って人もいなくはないし。

先日ギタリストの松江潤さんと話しててほんとそうだなと思ったのは、コロナ禍でも音楽を楽しんでる人は変わらず好きなことを追求してしてるんですよね。
周りがどうあろうが関係なくて。
そういうのって、そういうもんだなって思います。だから自分も好きなこと、興味そそられること追い続けていたいです。

LivingPraise_JK20210629.jpg
■ 長澤知之 オフィシャルサイト
https://www.office-augusta.com/nagasawa/

Information

Release

長澤知之 3rdアルバム
「LIVING PRAISE」

2021年8月4日発売

-収録曲-

M1. 羊雲 *配信リリース済み
M2. 朱夏色 *3ヶ月連続配信第三弾シングル 7月28日(水)配信
M3. 青いギター *配信リリース済み
M4. ポンスケ
M5. ラブソング2
M6. 宙ぶらの歌 *3ヶ月連続配信第二弾シングル 6月30日(水)配信
M7. 広い海の真ん中で *配信リリース済み
M8. シケ
M9. クライマックス *配信リリース済み
M10. とあるパーティーの終わり
M11. My Living Praise
M12. 三月の風 *配信リリース済み

■ CD購入者全員特典
未発表音源プレゼント(専用アプリをダウンロードいただく必要があります)

■ タワーレコード / UNIVERSAL MUSICストア&Augusta Family Club にてCD購入者限定特典
スペシャル映像のストリーミング視聴プレゼント(特典としてお渡しするシリアルナンバーを使って専用ページにログインの上、ご視聴いただけます)

※それぞれ楽曲は異なります。また、購入者特典の期間は未定です。
※詳細はアーティスト公式HPで決定次第発表致します。


■ CD予約
https://virginmusic.lnk.to/Chubura

LIVING PRAISE

CD

POCS-23014 / ¥3,000(本体 ¥2,727)

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