POPSCENE - ポップシーン
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高橋優インタビュー「僕には"優"という名前がつけられ、多分僕自身優しさについてずっと考えていくと思うんです。」シングル「ever since」から紐解く優しさとは。

高橋優インタビュー「僕には"優"という名前がつけられ、多分僕自身優しさについてずっと考えていくと思うんです。」シングル「ever since」から紐解く優しさとは。

May 7, 2021 18:30

高橋優

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ー 良いですね。じゃあこれからどんどんフィルムカメラで撮ったものがSNSとかで見られるんですね。

実は僕のファンクラブのみんなにはすでに付き合ってもらっているんですよ(笑)。ファンクラブ内のブログで「今日も僕の趣味に付き合ってもらって良いですか?」という前置きをしてから最近フィルムカメラで撮ってる写真をUPしています。最近のフィルムカメラって現像に出したらQRコードをくれてちゃんとデータでも落とせるんですよ。


ーえ!知らなかった。今時だね。

でも僕がフォローしている人の中にはプロカメラマンが何人もいますから、そういう人たちはきっと僕の写真を“下手だなぁ”って思って観ているんだろうな。蔑んだ目で。


ー いやそれ、どんだけ性格悪い人よ。そんな事ないでしょ(笑)。

あ、わざとうまく撮れていない写真をUPしようかな。渾身の1枚をあげて何か言われるの嫌だし。


ー それってまさに、傷つけられないように予防線を張るっていう歌詞そのものな気が(笑)。

だって傷つけられるの嫌ですもん。趣味でいたいじゃないですか。カメラで嫌な思い出ができちゃったらやりたくなくなっちゃうし。だからそこは大事に大事に、なんて言われても良いような写真だけUPしていく方が長く出来る気がするし(笑)。


ー めちゃくちゃ予防線張ってるな(笑)。楽曲の話に戻りますが、先程話していたギターリフ以外に気になったのが鳥の声。それに心地良いこのサウンド、個人的にもすごく好きです。

ありがとうございます。この曲のデモを弾き語りで作って、バンドサウンドにしていく時のイメージでスタッフとひとつ共通していたのが、オーガニックなサウンドにしたいということだったんです。結果的に色々な音は入っていますが、バンドだからといってあまり頑張って音圧を高めなくても良いかなと。ツアーを回ったバンドの編成で音を作っていく手法が前回のアルバムとかでも多かったんですが、今回はあのアコギのリフと僕の歌声さえ聴こえていれば割と自由に演奏してもらって良いし、何ならそれだけで成立する曲として聴こえたかったんです。で、そのオーガニックな部分やドラマの中での聴こえ方を踏まえ、始まりの雰囲気だったり朝を感じる鳥のさえずりなんかが聴こえると良いのかなって。最初、海のさざなみの音とか木々のざわめきの音とか色々アイデアはあったんですが、一番しっくり来たのが鳥のさえずりでした。それと今後ドラマの中でも出てくると思うんですが、原作の中でも鳥にまつわる話があるんです。あ、だからと言って無理にリンクさせてるわけではないんですよ(笑)。


ー じゃあ伏線っていうわけではなく?

伏線というつもりではないです(笑)。でも鳥のさえずりのアイデアが出た時、僕はまっさきに原作を思い出したので「鳥の声、良いんじゃないですか」ってなって。オーガニックな雰囲気含め、そういうアイデアってこの曲ならではじゃないかなと思います。


ー 曲を聴く方もそうだけど、作る側も脳内に映像が浮かぶってよく言うけど、自身が脳内でイメージした風景は?

自分の中では割と弾き語っている映像が浮かんでいるんですよ。今、この取材を受けている段階でMVは完成していないんですが……


ー ということは撮影はもう終わった?

それとなく(笑)。で、今、箭内(道彦)さんが作ってくれているところですが、僕も撮影に参加させてもらったりして結構壮大なスケールで描かれていますよ。


ー また箭内さんの無茶振りとかはなかった?

あのー…あったんですよ、それが(笑)。それは是非完成したものを楽しみにしてください。


ー 楽しみです!

前回の「自由が丘」は、はっちゃん(平畑徹也)にアレンジしてもらったのでピアノを基調としたアレンジだし、ケンカイヨシくんにアレンジしてもらった「room」ではギターサウンドから随分飛躍したものになりました。配信シングルとしてその後に出すこの「ever since」では、またギター1本に戻ってきたなっていう感じがしていて、自分としては爽やかで自然豊かな場所でギターを奏でているイメージを持っています。あと、こういう曲が出来たきっかけを作ってくれたせいか、結構ジェーン・スーさんや吉田羊さんのことを考えていましたね。


ー 今回、アレンジャーは宗像仁志さんですね。

宗像さんとはまだお仕事の場でしか会っていないのでプライベートを知らないんですが、多分あの人、面白い人だと思うんです。


ー どういうところが?

アルバム『PERSONALITY』に収録の「PERSONALITY」で初めて宗像さんとお仕事をさせて頂いたんですが、その時に面白いアレンジする人だなって思ったんですよ。まるでおもちゃ箱を開けたらブリキのオモチャが沢山出てくるみたいな(笑)。夢があってメルヘンチックというか。だけどどこかヒリヒリする部分も感じるし、ハモリの付け方も僕なら絶対に思いつかない方法を提案してくれるし。だからこの人と一緒に曲を作ったら今までにないものが出来るかもしれないと感じながら「PERSONALITY」のレコーディングが終わったんです。それで今回、改めて僕の方からラブコールを送ったんですが、やっぱり面白いものが出来ました。この曲は途中でテンポが変わっていくんですよ。1曲の中でそういうことをする人ってあんまりいないんじゃないかな。普通クリックを聴きながら録ることが多いし、クリックって一度流せばテンポは変わらないじゃないですか。


ー ええ。

今回バンドサウンドがすべて出来上がった上に僕のヴォーカルを録音したんですが、僕がそのレコーディングに参加した時点でテンポが変わっている音に耳馴染んでしまっていたので気づかないままレコーディングしていたんです。でも歌いやすかったのは間違いないんですよ。


ー 歌いやすかったんだ?歌いながら自分でテンポがずれたりはしなかった?

これ実際に宗像さんと直接お話していないから真意は分からないんですが、僕がそういう人なんですよ。


ー というと?

僕、歌っているとどんどんテンポが早くなっていっちゃうんですよ。だからちゃんとスクエアでリズムを刻める人たちは、“高橋が少し走っているからそれに合わせて叩いてあげよう”とか、“走りすぎだからブレーキになってあげよう”って、わざとゆっくりテンポを刻んで僕自身に走りすぎていることを気づかせてくれるとかするんです。そういうことが今までライヴで結構あって。だから僕は自分が原曲で作ったテンポよりどんどん早くなっていっちゃうんですよね。でもそういう走る感じってライヴならではじゃないですか。どんどん勢いづいていく感じとか。


ー まさにそうですね。

それを宗像さんは原曲で試したんじゃないかな。そういうことをやる人って良い意味で変わってると思うんです(笑)。だってみんな既存の公式に当てはめたがるというか、例えば音楽理論に沿うとこの音は不協和音だとか、テンポを変えることは演奏する上で後々厄介なことになるとか考えるから、公式以外のことをやる人って僕はなかなか出会ったことがなくて。でも宗像さんはそれを前回の「PERSONALITY」でも今回の「ever since」でも、割としれっとやってるんですよ(笑)。別にそのことを強調するでもなく「よろしくお願いしまーす。」ってスタジオに入って、淡々とレコーディングして帰っていく。で、後々考えたら「凄いことになってるぞ!」ってスタッフが気づくみたいな(笑)。


ー アハハ!でもそれは凄い!

でしょ!仕事でそういう人と出会えるって以外と嬉しいことだから、そういうところですかね。宗像さんと一緒に曲を作らせて頂いて一番楽しかったのは。


ー それと、「JICA海外協力隊」新CMのために書き下ろした新曲「Piece」についても教えてください。まだあのCM内のほんの数十秒しか聴いていませんが、すごく元気が出そうだなと思いました。

ありがとうございます。いつか是非フル尺聴いて欲しいです!めっちゃ元気でますよ。というかそういう想いで書きました。「世界もあなたも、可能性に満ちている。」がテーマなので、その言葉に見合う曲を要望されたんですが、自分が今まで曲で届けようとしてきたこととそんなに違わない気がしたんです。ちょっとひねくれた見方をすれば、可能性があるっていうことは今ちょっと足りないっていうことじゃないですか。


ー ええ。

今も素晴らしいけれど更なる素晴らしい瞬間を目指したいとか、更なる可能性をを目指したいという気持ちは、あった方が良いと思うんです。今が素晴らしい、完璧って思えることが僕はまだ少ないので、これから先もっともっと素晴らしくなっていくという想いを盛り込みました。聴いているだけで何か始めたくなる、動き出したくなる曲になったと思うので、是非楽しみにしていて欲しいです。それと「ever since」も是非大切な人を思い浮かべて聴いてください!


ー ありがとうございました。


インタビュアー:秋山雅美(@ps_masayan


■ 高橋 優 オフィシャルサイト
https://www.takahashiyu.com/

■ ワーナーミュージック・ジャパン HP
https://wmg.jp/artist/takahashiyu/

■ 高橋優 10周年初の弾き語りツアー「ONE STROKE SHOW 2021~NICE TO MEET U~」特設サイト
https://fc.takahashiyu.com/feature/tour2021_nicetomeetu

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