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【編集長コラム】チームスキマスイッチの想い -無観客ライブの生配信-

February 29, 2020 12:30

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【編集長コラム】チームスキマスイッチの想い -無観客ライブの生配信-

新型コロナウイルス感染症対策の基本方針に従い、うちのサイトにも「イベント延期・中止」のニュースが関係各社から続々と送られてきた。ライヴ1本延期したり中止することがどれだけのリスクか。昨日、取材先のレーベル担当さんがヘトヘトな顔でライヴ中止の対応に追われている旨を話してくれた。ただ英断だと思う。それと同時に正直ウンザリしている。様々なデマが流れ、不安が蔓延し、みんなが楽しみに待っていた時間が突然奪われる。そんな事態に……。

ところで、昨日2月28日(金)熊本県市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)にてファイナルを迎えるはずだったスキマスイッチのツアー【SUKIMASWITCH TOUR 2019〜2020 POPMAN’S CARNIVAL Vol.2】のファイナル公演が延期発表された。SNSではファンの落胆と、励まし合う声が飛ぶ。だがそんなファイナルに、何と無観客ライブの生配信が決定。何かやってくれると信じていた!……などと軽々しく言える状況でないことは重々分かっている。だがそれでも、このライブを観ずにはいられなかった。そのライブの生配信ニュースのスキマスイッチの公式コメントではこう書かれていた。


<スキマスイッチ本人からのコメント>

新型コロナウィルス感染拡大を考慮し、スキマスイッチのツアーファイナル熊本公演を延期することになりました。これについては何度も話し合いを重ねての結果ではありますが、その中で僕たち自身やサポートしてくれるミュージシャン、そして楽器、心強いスタッフがいる環境があって、何より僕たちのことを待ってくれているファンの皆さんがいるということで何かしたい!じゃあ何が出来る?ということになり、無観客ライブの生配信ということにたどり着きました。明日ファイナルを迎える予定だったツアーの内容とはまた違った内容で、さらに配信も携帯端末からなのでどこまでのクオリティで伝えられるかはわかりませんが、精一杯ライブという空間をお届けしたいと思います。観てもらえる皆さんと共有できたら幸いです。

スキマスイッチ
大橋卓弥
常田真太郎



生配信はtwitter、LINE、Instagram、YouTubeで行われ、それぞれアングルが違う。残念ながらInstagramは観られなかったが、まず筆者のPCでtwitter、スマホでLINE、スタッフのPCでYoutubeを観ながらアングルの違いを楽しんだ。

大橋氏もライブ中に言っていたが、急遽の話なので撮影はスマホ。機材も揃っていない中、スキマスイッチ、バンドメンバー、スタッフの「どうにか届けたい」という想いがひしひしと伝わった。曲に合わせスタッフさんたちがタオルを投げる。それを観て大橋氏が笑う。常田氏も通常のライヴ同様、バンドメンバーにアイコンタクトを送る。

ファンのコメントには「ありがとう」や「いま電車だけど泣いてる」「ライブ行きます!」「コロナに負けない!」などの他、一緒に歌うかの如く書かれた歌詞や、ファン同士の繋がりを感じる言葉が物凄い速さで流れていき、それを観ているだけで涙が溢れる。
なお、期間限定でこのライヴは観られるとのことなので、これから観る人たちのためにもセットリストについては書かずにおこう。

実は今ツアーは残念ながら伺えなかった。事情を書くと長くなるので割愛するが、とにかく人気のツアーということだ。だがこういう形でスキマスイッチのライブを観られることは、この10年のほぼ全ツアーをライヴレポしている筆者にとって、実に新鮮でもある。一緒に曲を口ずさみ、常田氏のピアノの音色で「次はあの曲かな?」と推理し、エアータオルを投げる。そんなこと、通常レポを書きながらでは絶対に出来ない。

おまけに勢いあまって「またライヴに行ってレポします!」とか拍手マークを呟いてしまった(笑)。それと…このことに触れると曲が分かってしまうが、(まぁSNSで、すでに分かっている人も多いだろうが)最後の曲には「祈り」を感じたし、どうしたって東日本大震災のことも思い出さずにはいられなかった。だがそれは悲しい記憶というより、「何かしたい」というスキマスイッチのお二人とスタッフの熱い想い。

ライブ配信後、スキマスイッチ公式アカウントの投稿(https://twitter.com/sukima_official/status/1233365167934599168)には「#チームスキマスイッチ」のハッシュダグ。それが全てを物語っている。

筆者にPCを略奪(笑)されたスタッフも、「ありがとうって素直に言えるライブだった。」と語っていた。そもそもこのコラム自体、書く予定ではなかったのだが、あのライブで貰った熱量をどうしてもアウトプットしたくなり、配信ライブ同様、急遽PCに向かっているというわけだ。更に、普段はニュース配信をメインとするポップシーン公式Twitterで、「こちらにも皆さんの感想など、コメントを残して下さい!」とつぶやいたところ、本当に様々なコメントを寄せてもらった。スキマスイッチの音楽と愛、スタッフへの感謝、ライブに参加しているつもりでいたことなど、読んでいるだけで幸せになる。感謝しかない。

これだ!これなのだ!ライブの魅力。そしてスキマスイッチと、そのチームの魅力は。冒頭にも書いたが、新型コロナウイルス感染症の情報一色の今、久しぶりに笑顔を感じられた。東日本大震災の時もそうだったが、ライヴやイベントなどのエンターテイメントは人間の命と生活の次に犠牲となる。そう言っても過言でない程、ダメージを受けるのだ。そしてだからこそ、その大切さを知る。

まだ予断を許さない状況が続く中、不安が多いのも事実だが、この配信ライブを自身の灯火として乗り切れる気がする。(勿論、手洗いうがい、マスクも忘れずに!)

最後に………
大橋さん、常田さん、バンドメンバーの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。皆さんも大変な中、ありがとうございました!

文:秋山雅美(@ps_masayan


期間限定で観られるこのライブの各SNSのURLはスキマスイッチさんの公式サイトよりご確認ください。


■ スキマスイッチ Official HP
http://www.office-augusta.com/sukimaswitch/

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