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DedachiKenta、1st Album『Rocket Science』インタビュー

DedachiKenta、1st Album『Rocket Science』インタビュー

November 8, 2019 20:00

Kenta Dedachi

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ー「Fly Away feat. Kan Sano」は都会的なサウンドで大好きです。90年代のテイストを感じさせながらも、きちんと最新のサウンドになっていて。

ありがとうございます。この曲ではKan SanoさんにRhodesを弾いてもらいましたが、その他にも沢山のアーティストの方々が携わってくれたんです。ストリングスもベースもドラムもギターも全部生音で。そのせいか音楽が生きているように感じるんです。ひとりひとりのテイストが素晴らしいハーモニーを醸し出している曲になりました。その中でもKan Sanoさんのソロは特に聴きどころだと思います。


ー すごく素敵ですよね。

ええ。バース1でコーラスに行くところはまだAtmosphere(大気圏)を飛んでいる感じだけど、Kan Sanoさんのソロが来たら宇宙に突入するみたいな、そんな新しい感じがしました。Kan Sanoさんは物静かな方なんですが天才ですね(笑)!それにすごく優しくて。レコーディングで「もう一回弾いてもらっても良いですか?」ってお願いしても「いいですよ、いいですよ。」ってすごく気さくに弾き直してくれるGeneralist(広範囲で知識や技術を持つ人)です。


ー 歌詞もユニークですよね。

日本語を少しずつ入れていくことにトライした最初の曲なんです。「Fly Away」は日本語を記号的に散りばめていけばよかったんですが、その後の「Ambiguous」「Life Line」と難易度が上がっていったように思います。


ー そういえばDedachiさんは11月で20歳なんですね。

そうなんです!


ー「20」はその気持を歌ったもの?

はい。この曲はLAでプロデューサーのAdam KapitとKrysta Youngsとコライト共作して録音とAdamにアレンジとミックスをお願いした曲なんですが、この時のコライトは2日間で3曲つくることを目標にしたんです。特に「20」は5時間くらいしかかけられなくて、「テーマは何が良い?」「じゃあ自分はこれから20歳になるからそれをテーマに!」ってパンパンパンと決めていって。


ー ハードでしたね(笑)。

はい(笑)。でもメロディも美しいし、歌詞の書き方も勉強になりました。


ー コライトの難しかった点と良かった点は?

今回に関してはやはり時間に制約がある点が難しかったですね。いつもソングライティングする時はアイデアが浮かんできたらつくるフリーなスタイルだったから自分のペースでよかったんですけど、この時はプレッシャーしかなくて(笑)。ただ、それでも曲がつくれることに気づきました。良かった点は、いつも英語で歌詞を書くので日本にいると歌詞について具体的なフィードバックがあまりもらえないんですよ。でもL.A.でコライトしたことによって、“歌詞はこうやってつくったら良いんだ”とか、“こういう言葉を使えばもっと自分の言いたいことを言い表せてグルーヴが良くなる”とかを学びましたね。


ー では改めて「20」についての想いを教えてください。

バースやプリコーラスでは、今までの感謝したいことを思い出して数えるという内容になっていて、そういう意味ではこれまで出会った人への感謝を歌っている「Memories」とテーマは近いかもしれません。この数年、本当に忙しく色々なことをこなしてきましたが、気持ち的にはまだ中学生くらいなんじゃないかなと思うこともあって(笑)。だから気持ちのどこかで20歳になる切なさもあるし、これからが楽しみな部分もあるし、色々な気持ちがミックスしていますね。そういう中でこの曲は、“今までありがとう。これから自分はもっともっと頑張って新しいステージに立つからよろしくお願いします”と決意表明も込めた曲になりました。


ー 20歳になったら何がしたいですか?

今はアメリカにいるからお酒は21歳にならないと飲めないし、成人は18歳なので日本のように、20歳がスペシャルではないんですよ(笑)。


ー ああ、そうか!20歳の意味合いが日本とは全く違うんですね。

そうなんです。ただこの曲を入れたのも、日本人として<20>という数がどれだけ大きな意味を持っているか出したかったんです。だからAdamやKrystaに「なんで20なの?」って聞かれて(笑)。


ー そうなりますよね(笑)。

ただせっかくなのでクリスマスに帰国した時、家族と20歳を祝いたいですね。


ー 先日、シングルとして先行リリースされた「Life Line」ですが、今年のオーガスタキャンプ、あの空の下で聴いたこの曲がとても印象的でした。

ありがとうございます。結構僕の曲は重いテーマのものがありますが、「Life Line」はその中でも一番重いかなと思っています。この曲は寮の部屋で書いたんですが、その頃学校の課題が多いし難しくて綱渡りしているような気分だったんです。人には“下を見るな”とか色々なことを言われるし、今までは前に進めていたのにどうやったら今、自分はもう一歩先に進めるのだろうと悩んだ気持ちを書きました。本当にプライベートなことだし、自分の心の中にあることを歌っているので、最初に書いた時は誰かとshare(共有)するのが難しかったというか…。でも結果的に良い作品になったと思います。この曲でのLife Lineという言葉は、綱渡りの綱と、自分に繋がっている命綱という二つに例えているんですが、自分が前に進めるのはちゃんとこの命綱に繋がっていて、その命綱‟Life Line”はいつかゴールにたどり着ける希望だという想いを曲に込めました。


ー 今作は本当に色々な音楽のエッセンスを感じましたが、最近Dedachiさんがお気に入りの音楽は?

ジャンルにはこだわらず聴きますが、最近ちょっとカントリー・ポップにハマっています。特にKacey Musgraves(ケイシー・マスグレイヴス)。彼女はカントリー・ミュージックなんですが、ポップですごく聴きやすいんです。このアルバムでも色々なことにトライしましたが、次はカントリーっぽい音楽にもトライしてみようかなと思っています。


ー 面白いですね! 1stアルバムもリリースして20歳になって。今年は大切な年のひとつになると思いますが、今後どういうミュージシャンになっていきたいですか?

まだゴールは見えていませんが、今までと同じように人を励ましたいという気持ちはいつもあるし、音楽をつくる時も常に心がけていることなので、それを念頭に置きながら前に開かれた道を進んでいきたいです。それとグローバルに活動したいですね。自分は英語が喋れるということもあるし、ひとつの場所に留まりたくないというか。色々なところに行って、色々なミュージシャンと共演したいです。自分とは違う個性を持ったミュージシャンと一緒に音楽をつくれたら、その人の良いところを吸収出来るし、これからミュージシャンとしても、人としても、もっともっと成長していきたいです。


ー ありがとうございました。


インタビュー / 秋山雅美(@ps_masayan


■ DedachiKenta オフィシャルサイト
http://www.office-augusta.com/dedachikenta/

Information

Release

1st Album
「Rocket Science」

2019年10月30日発売

-収録曲-

1. Rocket Science
2. This is how I feel
3. Fly Away feat. Kan Sano
4. I can't seem to let you go
5. Ambiguous
6. Life Line
7. I’ll be fine
8. Step by Step
9. Alright
10. 20
11. Memories
12. More than enough
-Bonus track-
13. Catch Me If You Can(Fly Away feat. Kan Sano)
14. Chromatic Melancholy(Ambiguous)
15. AYUMI(Life Line)

Rocket Science

CD

POCS-23002 / ¥2,800(tax out)

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