POPSCENE - ポップシーン
POPSCENE - ポップシーン
上北健『花さわぎ』インタビュー

上北健『花さわぎ』インタビュー

March 23, 2018 18:30

上北健

0
シェア LINE

2015年9月リリースの『SCOOP』でメジャーデビューを果たしたシンガーソングライター上北健。その翌年8月に発表したミニアルバム『TIDE』以降、収録楽曲ごとの短編集を執筆してきた。自らの感性を音楽だけに止めずアプローチする上北はライヴでも自ら台本を書き、コンセプトを大切にしている。そんな上北の代表的ステージともいえるホールライヴ【僕と君が、前を向くための歌】が四回目を迎える。今回は『花さわぎ』と題し、華道家・塚越応駿さんを迎え、3月25日(日)東京・渋谷マウントレーニアホールで開催される。そんな上北健へ二回にわたりインタビュー!今回は、当初インターネットを中心に”KK”名義で活動していた時代から今に至る経緯や、コンセプチャルなステージへの想いなどを中心に伺ってみた。


ー ポップシーン初登場なので、プロフィール的なことから教えてください。

はい。


ー もともと「KK(ケケ)」というお名前でニコニコ動画などにカヴァー曲を投稿していたそうですね。

始めた当時は学生でした。ボーカロイドを使って曲を作っている方の楽曲をカヴァーして歌っていました。


ー もともとそういう音楽が好きだったということですか?

というよりは、今でこそJ-POPなどをカヴァーしてYoutubeなどにアップロードする文化はスタンダードというか、そこまで違和感のないものになってきていると思いますが、当時はまだそういう文化が根付いていませんでした。そういう中で二次創作、三次創作が許される音楽の形が生まれ始めて、それは僕にとっても今迄見ない形だったのでチャレンジしてみました。


ー そこからどんどん歌の世界に興味を持ち始めたということですか?

最初はそこまで先のことを考えていませんでしたが、自分の歌を聴いてくれていた人達が何を考えていたのか知れば知る程、もしかしてこうやって僕が歌っていることにも何らかの意味があるのかなと思いはじめて。


ー その後、KKからシンガーソングライター「上北健」として活動する上で、気持ちの変化はありましたか?

KKはあくまでも名義であって、自分の中では「キャラクター」だったんです。いわゆる偶像的、アイドル的な捉えられ方をして頂いていたというか。そういう世界だったので、そのままの状態で続けることへの違和感はありました。“そのキャラクターでこれからも続けられるのか?”と自問自答したところ、”無理だ”という答えがすぐに返ってきたので、それならば自分を示す名前から変えていくべきではないかと思ったんです。


ー では作詞作曲はそのあたりから?

そうです。


ー 元々音楽自体はすごく好きだったんですか?

あくまでもリスナーとしてですが、好きでした。J-POPのヒットチャートを広く聴いてきたかな。特に僕が中学の頃のチャートには色々な発見があったんですよ。例えばよくテレビで観るアーティスト以外にも、初めてCDをリリースした新しいバンドがいたり。


ー 特に聴いていたアーティストは?

バンプ(BUMP OF CHICKEN)やRAD(RADWIMPS)が学生時代から人気はありました。僕もそうだし周りもみんな聴いていましたね。


ー 音楽とは関係ないのですが、上北さんってプライベートが結構謎に包まれているというか(笑)。

ああ、そうかもしれませんね(笑)。


ー かなりミーハーチックな質問なんですが、休日はなにを?

休みの日を設定して、その日はどこに行こうという休みの取り方ってしないんですよ。 基本的に休めない気質というか。学生の頃はそうでもなかったんですが、社会人になってからのルーティンが染み付いちゃっていて、休むという感覚が結構あやふやなんです。作業自体はずっとあるので、朝起きて、やらなければいけないことに向かい合った時に、“今日は制作が出来ない。今やってもきっと良いものにはならない”という気分になってはじめて休みにする。


ー つまりクリエイティブ脳にならなかった日=休日なんですね。

そう。だからそう気づいて判断した時って、もうお昼を回っていることも多くて(笑)。そこから何をするか考えると、少し豪華な食事を食べるとか、今日はどっぷりテレビばっかり観てようとか。もし友達の都合がつけば誰かと食事に行ったりすることもありますね。でもいずれにせよ休日と決めてしまえばそこでリフレッシュしようという意識で挑んでいます。まぁそれも変な話ですけど(笑)。


ー いえいえ(笑)。ではライヴのこともお伺いしたいのですが、昨年10月に韓国で初のワンマンライヴを開催しましたね。

はい。2年位前から韓国の方からのメッセージでその熱量は感じていたんです。そこで昨年初めてライヴをさせて頂いたんですが、ライヴの楽しみ方が全く違う印象でした。


ー それは日本と?

ええ。まず韓国の方はとにかく一緒に歌います。大合唱!勿論歌詞は日本語ですが、多分全部ちゃんと覚えてくれているんでしょうね。歌もそうですが、一挙手一投足に歓声が上がる。彼らが「全ての感情をライヴで出すんだ」ということを体現しているのが分かって、嬉しかったです。


ー ご自身が韓国で支持される要因はなんだと思いますか?

はっきりは分からないですが、僕が書くような歌詞が届くということは、結構大変な思いをされている方が多いのかな。韓国の方から頂くメッセージを見たりお話を聞いたりすると、本当に辛い思いをされている方の比率が高い気がして。漠然とした生きづらさというか、そういうカースト性があるんじゃないかな。でも先程言ったように、歌詞の意味も届いた上で評価してもらえていることは嬉しいですね。


ー 今年6月にも再び韓国で単独公演を開催されますね。

前回は何も分からない状態だったので、あそこまで一緒に歌ってノッてくれる反応に驚いた部分もありましたが、今回はしっかり向き合える時間になると思います。


ー では日本でのライヴですが、3月25日にホールライブ公演【僕と君が、前を向くための歌】が開催。 同名のホール公演は2015年から毎年開催されているんですよね。

はい。