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長澤知之 特集 第二弾!初代ディレクター横田光洋氏インタビュー!

長澤知之 特集 第二弾!初代ディレクター横田光洋氏インタビュー!

March 27, 2017 20:00

長澤知之

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“孤高のアーティスト”と評されることが多い長澤知之。その長澤の音をディレクターという立場で共有した初代ディレクターの横田光洋氏が、ディレクターとしてどうやって携わり、ミュージシャン長澤知之をどういう視点で捉えているのか?長澤とのエピソードを交えたメールインタビュー!


ー ディレクターとして、具体的に長澤さんとどういう携わり方をしていたか教えて下さい。

まずは彼としっかりコミュニケーションを取ることを心がけました。彼がやりたいこと、目指したいことを汲み取りつつ、且つスタッフとしての考えから提案することも少なくなかったと思います。具体的に、例えば音楽面でいうと、作品のリリースにあたって膨大なストック曲からの選曲だったり、レコーディングやライブでどういうミュージシャンを起用するかだったり。彼の多岐に渡る音楽性をどう見せていくかは我々も試行錯誤しながらの部分もあったので、もしかしたら本人的には楽しくないこともあったかもしれませんが、今振り返って各作品を聴くと無駄な作業は無かったと思ってます。


ー 初めて長澤さんの音楽を聴いた時の印象は?

「うわっ」と思いました(^_^;)。当時たしか彼が17~8歳ぐらいの時のデモテープをマネージャーから聴かせてもらったのですが、オーガスタ内でも彼の独特な歌声に賛否が分かれていたらしく(否の方が多かったように思います)、外部の人間でガッツリ仕事をしていた僕の意見を聞きたかったと思うのですが、その時はあまり良い返事は出来ませんでしたね。長澤君にも後に明かしたことがあると思うんですが、僕も第一印象では当時の彼の歌声の先の音楽世界に触れるところまでは到達できませんでした。ただ、その後ライブを観たり彼の歌の力が上がってきたことで長澤知之の音楽にハマり、歌声も大好きになりました。そんな経緯もあって彼の音楽を世に知らしめたいと強く思い、当時自分が働いていたレーベルからのデビューへとつながっていきました。


ー 各作品の想い出深いエピソードを教えてください。

□ 作品名『PAPER STAR』

1st Mini Albumの「PAPER STAR」のレコーディングは、本人的になるべくリラックスして臨めるようにと彼の地元・福岡でスタートしました。たしか4~5日間ぐらい滞在したのですが、その間、彼が好きだと公言していた日課の「散歩」のコースを案内してもらったことがあり、舞鶴公園のてっぺんからの景色を見ながら「ここで曲が浮かんだりするんだね。」と言ったら「そうそう!」と嬉しそうにしていたのを憶えています。


ー 横田さんから見て普段の長澤さんはどういう方ですか?また、レコーディング中の様子はどのような感じでしょうか?

優しい人ですね。ちょうど長澤君のレコーディング期間中に僕の子供が産まれたのですが、おもちゃをくれましたね(笑)。レコーディング中は、調子のいい時はいろんなアイディアを次から次へと出してきて、大好きな遊びに夢中になっている子供のようでした。あと周りからあんまりいろんなことを言われるとレコーディング続行不可能状態になることもたまにありました(苦笑)。そうすると僕やエンジニアも反省し、彼のやりやすい環境を作ってその中で一緒に良いものを創っていくやり方を模索してましたね。


ー 横田さんから見て「長澤知之」はどういうミュージシャンですか?

THE 音楽家。“孤高のアーティスト”みたいに言われることも多いと思いますが、とにかく音楽を(音楽を作ることを)愛してやまない青年だと思います。楽曲作りにおける発想力は天才的というか、類いまれなる才能の持ち主であることは間違いありません。そしてとにかく多作。そしていちいちクオリティーが高い。自分も知ってる曲でまだ世に出ていないものもたくさんあると思います。話がそれますが、自分が仕事で携わらなくなって以降、初のフルアルバム『JUNKLIFE』を聴いた時は震えました。これぞ「長澤ミュージック」、「長澤知之の世界」だと。きっといい制作環境の中に居るのだなと嬉しくなったし、なんだかホッとしました。彼の音楽の素晴らしさを作品として伝えるのはやはりフルアルバムが一番だなと。自分も1枚ぐらい一緒にフルアルバムを作ってみたかったなと内心思ったりもしました。きっとフルアルバムを作るという作業はかなり大変なものだと思われますが、もう今は一ファンとしてどんどんフルアルバムを作って聴かせてほしいと願ってます(笑)。


ー『Archives #1』収録曲の中で、横田さんが一番好きな曲、または想い出深い曲を教えてください。好きな理由やエピソードも是非お願いいたします。

自分が一番好きという観点で言えば「P.S.S.O.S.」です。自分が担当していたからとか当時を思い出して云々というレベルの話ではありません。不完全なところも含めて僕の中では“完璧なロック”です。エピソードとしては、デモの彼の歌が最高にあの曲の世界観を表していたので、それに匹敵するボーカルテイクを録るのに苦心したのを憶えています。そしてギター1本のデモでも楽曲としては破壊力十分だったのですが、あのアレンジでその世界観をさらに増幅できたと思います。



更に11年目ということで「11」に因み、長澤愛用や大切にしている品を紹介。毎回その中から1つをポップシーン読者へプレゼント!

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■ 長澤知之 公式ウェブサイト
http://www.office-augusta.com/nagasawa/

■ 長澤知之 公式Facebook
https://www.facebook.com/nagasawa.official

■ 長澤知之 公式Twitter
https://twitter.com/t_nagasaw

Information

Release

長澤知之 アンソロジー・アルバム
「Archives #1」

2017年4月12日発売

-収録曲-

DISC 1
1. あんまり素敵じゃない世界
2. フラッシュバック瞬き
3. 夢先案内人
4. バベル
5. センチメンタルフリーク
6. スーパーマーケット・ブルース
7. STOP THE MUSIC
8. バニラ(2014 Acoustic)
9. MEDAMAYAKI
10. 誰より愛を込めて
11. 消防車
12. R.I.P.(新曲)
13. マンドラゴラの花
14. 犬の瞳
15. 享楽列車(2014 Live)
16. 三年間
17. 蜘蛛の糸(新曲)

DISC 2
1. P.S.S.O.S.
2. THE ROLE
3. JUNKLIFE
4. 狼青年
5. 片思い
6. 零
7. RED
8. ねぇ、アリス
9. 風を待つカーテン(2007 Demo)
10. EXISTAR
11. スリーフィンガー
12. 茜ヶ空
13. 明日のラストナイト
14. はぐれ雲けもの道ひとり旅
15. 回送
16. ベテルギウス
17. 僕らの輝き

Archives #1

CD

POCS-1552/3 / ¥3,056+税