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flumpool オフィシャル・インタビュー

flumpool オフィシャル・インタビュー

November 16, 2015 22:00

flumpool

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flumpoolの最新ライブ映像作品が、11月18日にリリースされる。今年8月8日と9日に行われた、メンバーのふるさと、大阪・大泉緑地での初の単独野外ライブを収録した“flumpool 真夏の野外★LIVE 2015「FOR ROOTS」~オオサカ・フィールズ・フォーエバー at OSAKA OIZUMI RYOKUCHI~”だ。DISC1には2日目の模様をオープニングを含めて全曲、DISC2にはライブ決定時からのエピソードやリハーサル風景、そして突然の豪雨が劇的なドラマを引き起こした初日のドキュメンタリーなどを収めた、すべての瞬間が名場面の2枚組だ。この最新インタビューでは、“これまでで最高の映像作品”とメンバーが口を揃えるその内容と、12月30日、31日に行われる初の単独カウントダウンライブ“flumpool COUNTDOWN LIVE 2015→2016「ヒツジの皮を被ったサルたちの歌合戦」”への意気込み、そして話題の映画&TVシリーズ『亜人』の主題歌として制作され、来年2月にリリースされるニューシングル「夜は眠れるかい?」について、たっぷりと話を聞いた。


ー まずは、野外ライブの映像作品の話から始めましょう。あらためて作品として見た時に、何を感じますか。

隆太:これが何作目の映像作品かはわからないですけど、一番見ごたえがあるし、客観的に見て一番いいなと思います。あと、みんなで映像を確認していた時に思ったことは、本物よりも暑くないぶん、いいなと(笑)。


あはは。確かに。

隆太:野外だから、表情も屋内でやってる時とは違うんですよね。僕らもそうですし、来てくれた人もそうですけど、人の力が溢れているというか。何度も見たくなるライブだなと思います。

誠司:僕も、今までで一番好きかもしれない。特にDISC2のドキュメンタリーのほうが。3人の地元ということをすごく強く感じる作品になったと思うし、途中で隆太が“子供の頃に遊んでいた場所にこんなに人が集まるなんて夢のようです”みたいなことを言うんですけど、地元でないとその言葉は出て来ないと思うんですよね。演奏もやっぱり熱の入れ方が違うし、今までのライブももちろん力が入ってたんですけど、それとはまた違ったライブになっているというのが、見ていてすごく伝わってくるので。

隆太:確かに。

誠司:それを今までより強く感じるから、見ててすごく面白いのかなと思います。僕も3人の地元に自分もいるんだという気持ちになれたし、みんなも“これが幼なじみのflumpoolが育って来た場所なんだ”ということがわかると思うので、すごく面白いなと思いました。


ー 元気くんの思う、見どころというと?

元気:やっぱり、あれですね。要所要所に、画面の下に気温を出してもらったんですけど、それでもやっぱり伝わらないんですよ。あんなに暑かったのに、それが全然伝わってこない!と思って。


ー それが見どころ?(笑)

元気:文字だけで37度とか書いてあるのを、見てる人はさらっと流すでしょ。もっとしんどかったぞ!と言いたいです。


ー わかりました(笑)。ちゃんと書いておきます(笑)。

元気:ドキュメンタリーのほうに、初日の大雨の様子が入ってるじゃないですか。あの土砂降りも、もっと土砂降りだったんですよ!全然伝わらないから、“雨エフェクト足してくれ”って言ったんですけど、さすがに採用されなかった(笑)。

隆太:なんなんだよ、そのこだわりは(笑)。しんどかったことを伝えたいという。

誠司:喜びを伝えろ!(笑)


ー 一生くんの、見どころは?

一生:そうですね……画質がいい。


ー そこですか(笑)。でも本当にいいと思います。

一生:野外だし、すごい解放感が、室内の映像とは違うんですよね。空の色がすごいし。

元気:(冷静に)色と画質は違うから。

隆太:一生の見どころは、あのシーンじゃない?水着ダンサーと絡むところ。

一生:やめて!あとで見たらキモいな~と思った。胸の谷間に顔をうずめる勢いで、ガンガン行ってるつもりでいたんだけど、あんなに腰が引けてるとは思わなかった(笑)。

隆太:ドキュメンタリーにはそういう、映したくないところも細かく入ってるので(笑)。ライブのシーンも、当日スカパー!で生中継したものとはまた違うんですよ。編集し直してるんで、映してほしいところをちゃんと拾ってくれてるし。今回初めて、お客さんに囲まれて、サブステージで向かい合って演奏したんですよ。その画もちゃんと俯瞰で映してたり、実際に見ていたものとはまた違った視点も入っているので、来てくれた人も楽しめると思うんですよね。


ー 楽曲として、特に印象的なものというと?

隆太:「大切なものは君以外に見当たらなくて」は、すごく良かったと思います。現役の中学生たちである母校の後輩や、僕が教育実習をしていた時の生徒や、一緒にライブを作ってくれたマーチングバンドのLegend of ANGELSや、みんなでステージに立って歌ったんですけど、アコースティック・ギター一本で、大泉緑地に来てくれた全員で歌ったのは、すごい感動的でしたね。野外でアコギでみんなで歌うのは、僕らの原点である路上ライブっぽいし、この歌は自分たちの中でもライブのへそだと思っていたので。野外ライブは、ふるさとに凱旋という意味もありましたけど、それ以上に“今自分たちにあるものは何だろう?”という、バンドとしての存在を再確認するという意味があったので、あそこに集まってくれた人の大合唱はすごく感動的でした。それがちゃんと映像に入っているのがうれしいですね。あのシーンを見るだけで、あの日に戻った感覚になるというか、すごくいいシーンだったと思います。

一生:そういう意味では、「reboot_~あきらめない詩~」につながるSEの部分もいいシーンだった。あのSEは僕が作ったんですけど、映像や演出は当日までリアルには見ることが出来なかったんで。実際に目の当たりにして、あそこは一番感動しました。

隆太:映画みたいだった。花が咲くシーンとか、まさに“再生”で。

一生:見入ってしまって、ステージまでめっちゃゆっくり歩いて行った。間に合わないところでした(笑)。

元気:初日、雨のあとは特に、良かったよね。

隆太:あと、「夏よ止めないで_~You’re Romantic~」は気持ち良かったな。夏に向けて作ったんですけど、あそこまでハマるとは思わなかった。空も晴れて、緑の中で、一度きりの夏を楽しみたいという全員の思いが、一個になった感じがしましたね。“この瞬間を忘れたくない”という。

誠司:僕は「Sprechchor」かな。もちろんアガる楽曲だなとは思ってたんですけど、そんなに浸透してないと思ってたから、言うほど盛り上がらないだろうと思ってたんですけど……意外や意外、ハマるし、アガるし、すごくいいライブ楽曲だなと思いました。

元気:俺、あの曲が一番好きかもしれない。

隆太:確かに、ハマッたな。この曲は元気がやりたいと言ったんですよ。僕も盛り上がらないと思ったから、いかに元気を説得しようかと考えてたんですけど(笑)。

元気:やっぱりね、なんだかんだ言って、俺が一番好きなんですよ。flumpoolのことが。

全員:(笑)。

元気:批判的な面もあるけど、一番冷静に見てるんですよ。flumpoolが誰よりも好きで、誰よりも嫌いかもしれない。

隆太:それ、カッコええな。


ー では、あらためて、この映像作品を手にとる方へメッセージを。

隆太:自分たちにとって初めての単独野外ライブだし、誠司が言ったように、生まれ育った大切なふるさとの空の下でやったライブだったので。大阪城ホール、横浜アリーナ、武道館とかもいい思い出があるんですけど、それとはまた違ったホーム感というのかな。家族にしか見せない表情とか、ちょっと安心してる感じとか、穏やかな部分をすごく見せられたと思います。実際はかなり過酷な環境だったんですけど、それ以上に帰って来れたという幸福感が溢れていて、それがいいのか悪いのかはわからないけど、ここでしか見れないものだし、ほかの映像作品とは全然違うものだと思います。来れなかった人にはぜひそれを感じ取ってほしいし、もう一回新たに音楽を届けて行くスタート地点ができたので、それが作品になったことはすごくうれしいです。何回も見てほしいですね。僕も何回見てるし、見るたびに新たな発見があるんじゃないかと思えるぐらい、内容が盛りだくさんになってると思います。


ー では次の話題、行きますか。年末の横浜アリーナでのカウントダウン・ライブについて、今思ってることは?

隆太:カウントダウンは前に“Ready Set Go!!”でやったんですけど、単独でやるのは初めてです。一度やってみて、それが楽しすぎて、自分たちだけのお客さんと一緒にやったらどうなるんだろうな?とずっと思っていたので、今回初めて挑戦させてもらえることが本当にうれしいです。なんなんですかね、あの感じって? 1年365日のうちで、一番ライブ感がある気がするんですよ、カウントダウンって。どこでやってもライブは一度きりだけど、カウントダウンだけは……大晦日の雰囲気って、今年はもう戻ってこないし、また新しい年に塗り替えられて、自分も新しい年を生きていかなきゃいけないみたいな、ちょっと焦らされる感じがあるじゃないですか。もう終わっちゃう!みたいな感覚が、ライブとすごく似てるんですよ。でもなかなかライブでは。毎回そうは思えなかったりするのを、カウントダウンの雰囲気が盛り上げてくれるので。それが相乗効果で、いい意味でバカになれるというか、飾らない感じとか、潔さみたいなものがすごく好きで、だから1年で一番ライブっぽい日なんじゃないかな?と思うんですよね。


ー はい。なるほど。

隆太:自分たちも“今しかない”と思ってやると思うし、みんなにとっても、新しい年を迎えるために今何をしなきゃいけないか?とか、今を楽しまなきゃ終わっちゃうとか。ちょっと無責任で、でもちゃんと音楽の楽しさを共有できたら、来年の希望も、今年の嫌なことも良かったことも、全部消化されて、ちゃんとした形になるんじゃないかなと思うので。まだ内容は全然考えてないですけど、いいパーティーにしたいと思います。

誠司:付け加えると、今回、リクエストを募っているので、それがどういうふうに反映されるのか。来てくれた人も、自分がリクエストした曲をやってくれてるんだという、お客さんがライブを作っているという雰囲気にできると思うので、今まで以上に楽しみにしてもらえるんじゃないかと思います。


ー では最後に、ニューシングルの話もしておきましょう。映画とTVシリーズ化される『亜人』の主題歌「夜は眠れるかい?」が、2月にリリースされることが決まりました。

隆太: 2015年はいろいろあって、年が明けて一発目に出すシングルとしては、flumpoolのあらゆる面を凝縮したすごく濃い部分を出したかったんですよね。『亜人』というマンガ自体が、すごい優等生が亜人という新種の人類になって生き返るというお話で、人間の心の裏側やダークな部分を描いていて、いい人に見えて中身は悪人だとか、裏表が描かれている作品なので。flumpoolの持っているさわやかなイメージを、ここで崩せたらいいなと思ったんですよね。表面上の自分たちではなくて、裏の部分も入った曲を聴いてほしいなと思ったので、だからこの曲を聴いて、flumpoolだと思われたら負け、という気持ちです。


ー おお~。そこまで言いますか。

隆太:そういう意味では、すごく面白い曲になったと思います。ボーカルとして歌い方も変えたり、歌詞も、普段は言わないけど心の奥で思ってることを、積極的に詰め込んだ作品です。

一生:たぶん『亜人』を読んでなかったら、こういう曲にならなかったと思うんですよ。すごく引き出された感じがあって、そのぶん裏切る曲になったというか。初めはもっと全部ぶち壊すイメージで、何ならラップにしようかと思ったぐらいで、それぐらいいろんなことにチャレンジしたいと思ったし。その中でこういう緊張感とスピード感のある曲ができて、『亜人』がなかったら、ここまでの新しいものは生み出せなかったので、良かったと思います。

隆太:確かに、引き出された感じはあるよな。何かに抗う感じというか。『亜人』もそうですけど、何かに追われていて、戦いたくないけど戦わなきゃいけない状況って、誰でもあると思うんですよ。その中で、これまで自分がどういうふうに生きて来たのか。人生観も含めて、現状を打破して行くという、すごく大切な曲になったと思います。

元気:二人が言った通りですね。『FOUR ROOMS』を出してから、次に取り組んだ曲だったんですけど、先方の求めてるものを聞いた時に、俺らじゃないんじゃない?って、ちょっと冗談で言ってたぐらい、まったく違うものだったんですよ。でも『FOUR ROOMS』があったからこそ、逆に行けた感じはすごくあります。だからこそ、よりflumpoolっぽくないところへ行こうと思えたし、今だからできた振り切り方だと思います。

誠司:静と動がちゃんと存在してる楽曲かなと思いますね。同じように激しい曲調でも、「Because... I am」だったら動のイメージだし、「MW ~Dear Mr.&Ms.ピカレスク~」だったら静と動がパキッと分かれてる。でもこの曲は、けだるいイメージのAメロにもちゃんとビートが走ってるし、そういった意味でも、今までにない楽曲になったかなと思います。


ー そのシングルが出る頃には、もう2016年になってます。来年は、どんな思いを持って活動していきますか。

隆太:僕らも30歳になって、20代のように勢いでやっていた頃とはまた違う、立ち止まって周りをちゃんと見るとか、自分たちのルーツを確認することが必要だと思うんですね。それが『FOUR ROOMS』のテーマだったので、次の作品でもそこにちゃんと軸を置いていきたいです。情報が速い時代の中で、どこまで流されずにいられるか。流行りに乗った曲も出せると思うけど、でもちゃんと自分たちのやりたいことを見つめて、何をやりたくて何をやりたくないのか、今どんな夢を見てるのか、そういうことをちゃんと地に足をつけてやれたらいいなと思います。勢いをつけながらも、時代の流れの中でどこまで抗っていけるか。それをみんなに見てほしいし、みんなの力を借りて、いい音楽を作って行きたいと思います。


■「夜は眠れるかい?」スペシャルページURL
http://www.flumpool.jp/sp/yoru/

■ flumpool COUNTDOWN LIVE 2015→2016スペシャルサイト
http://www.flumpool.jp/sp/countdown/

■ flumpoolオフィシャルHP
http://www.flumpool.jp

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