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藤原さくら「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」が故郷福岡でファイナル!

November 13, 2018 12:30

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藤原さくら「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」が故郷福岡でファイナル!

シンガーソングライターの藤原さくらが、6月にリリースした2nd EP「green」と3rd EP「red」をひっさげ、埼玉・戸田市文化会館を皮切りにワンランライブツアー「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」をスタートさせ、11月10日の福岡・福岡市民会館 大ホールにて無事ファイナルを迎えた。

会場では、ヴォーカル・ギター藤原さくらをはじめ、6月リリースの2nd EP「green」、3rd EP「red」でサウンドプロデュースをつとめたmabanua(Ovall)がドラマー兼バンドマスター、Shingo Suzuki(Ovall)がベース、村岡夏彦がキーボード、関口シンゴ(Ovall)がギター、さらにコーラスにMegを迎え入れてのバンド編成だ。初日の公演で藤原は、最新EP「green」と「red」からはもちろんのこと、新旧織り交ぜながら、現在ロングヒットで公開中の映画「若おかみは小学生!」の主題歌となっている「また明日」や、「Sunny Day」などをパフォーマンス。全20曲をおよそ120分の内容で締めくくった。また、今回は初めての弾き語りツアー「ひとりぼっちでもさみしくnight」も仙台、山形、香川、熊本の4箇所でも開催し、お客さんとの距離が近い空間でのライブを展開。気さくなMCやリクエスト曲を即興でパフォーマンスしたりと、ワンマンツアー「yellow」とはまた違った趣向でのライブを繰り広げた。以下、「Sakura Fujiwara tour 2018 yellow」ツアーファイナルとなった福岡公演のライブレポートをお届けする。

あなたが藤原さくらというアーティストの存在を知ったきっかけは何だったろう。歌い手として、あるいは最初は女優として、もしくは映画のスクリーンで耳にした主題歌だったかもしれない。

デビューから3年半を迎え、あらゆる分野に挑戦しながら、それを糧にアーティストとしてのメインフィールドを耕してきた彼女。今回、『green』に続く2部作として発表された最新EP『red』を携え行われた全国ツアー「yellow」は、ホームグラウンドである福岡がファイナルを飾った。

開演を告げる照明が落ちると、拍手に包まれてメンバーが登場。ステージはmabanuaをはじめ、プロデュースや演奏に携わってきた面々が中央のマイクを囲んで半円型に横並びするアットホームなスタイルだ。軽やかなドラミングからオープニングを飾るのは、代表曲『かわいい』。袖口から登場した藤原さくらが歌い始めると、神様からのギフトとも称されるスモーキー・ヴォイスが会場をたちまち魅了し、コーラス・Megとのハーモニーが心地よさをより加速させていく。

序盤はミディアム・テンポの楽曲群で会場を温めた後、「ただいまー!帰ってきたよ」の第一声に、拍手と歓声が沸き起こる。「さっそく友だちの顔が見える」と、緩んだ笑顔で彼女が見つめる先には、さまざまな世代のファンとともに、この日は家族の姿もあった。

MCでは『red』の聴きどころの一つ、「若おかみは小学生」の主題歌2曲を手がけた話題も。「映画観てくれた人いるかな?ん、いないの?」と、友だちに話しかけるような素のリアクションで会場を和ませた後、『NEW DAY』、『また明日』を披露。明るさと切なさ、主人公の気持ちになって異なるアプローチで描いたというポップスもまた、聴く人の心にじんわりと優しさを灯す。彼女の優れた才能を感じる一面だ。

中盤は趣向を変えて、アコースティックセットで展開。mabanuaとふたり、アンニュイに届ける『うたっても』は、製作に煮詰まった時にできた曲だというが、弱い部分も最終的には歌になってしまうところがまた、彼女らしさであり、裏を返せば強さでもあると思わずにいられない名曲になりそうだ。続いて、ウクレレを手にし、コーラスとベースを加えて英詞で歌う『Ellie』。彼女のルーツを感じさせる「福岡時代に書いた曲」を届けてくれた。最後はギターとピアノも加わり、全員がステージの中央に身を寄せながら演奏。映画のシーンさながら旅する楽団のような雰囲気で、息の合ったチャーミングなステージを楽しませてくれた。

「後半戦、まだまだ楽しめますか?」の声とともに、終盤に向けては、エレキギターを手にし、アップテンポなサウンドからロック・アレンジを効かせた『Necklace』で盛り上がりは最高潮。そこから、壮大なバラード『The Moon』へと続き、ラストは『クラクション』でステージを後に。すぐさま拍手とアンコールが会場に響き渡った。

アンコールに応えて出てきた彼女は、去年から習い始めたピアノの前へ。鍵盤の音色に乗せて『はんぶんこ』を弾き語りした後、サプライズとしてセットリストには含まれていなかった『ありがとうが言える』をギターの弾き語りで演奏した。上京してからの気持ち、今回のステージを支えてくれた沢山の人への感謝を、改めて言葉にして伝える場面では、その誠実さに胸を打たれた。

最後に再びバンドメンバーを呼び込み、『bye bye』をアンコールのラストにしてラストを飾った。家族や友人、“親戚みたい”と表現する会場のファンへ向けて、「笑ってお別れしよう」と必ずまた福岡に戻ってくるという強い思いを歌に込めた。

sakura20181113.jpg無事、完走したツアーについて「今回初めて緊張もなく臨めた」と話したステージ上の彼女は、またひとつ大きくなったように見えた。来年は初舞台、再来年は博多座への出演も決まったという。どこに身を置いても自然体の自分を大事に、表現できる強さを秘めている藤原さくら。多様なアプローチでの経験が、彼女自身もまだ知らない魅力の発見につながり、それがシンガーソング・ライターとしての輝きを深めてくれるにちがいない。ツアー最終日を飾る素晴らしいステージから、年々どんな姿を見せていってくれるのか、これからの彼女を思うと、楽しみでたまらない。

ライブレポート:前田亜礼
カメラマンクレジット:田中聖太郎



□ セットリスト
01.「かわいい」
02. Lovely night
03. Sunny Day
04. Time flies
05. グルグル
06. How do I look?
07. NEW DAY
08. また明日
09. うたっても
10. Ellie
11. BABY
12. Soup
13. Dance
14. Necklace
15. Dear my dear
16. The Moon
17. クラクション
En1. はんぶんこ
En2. ありがとうが言える
En3. bye bye


■ 藤原さくらオフィシャルサイト
http://www.fujiwarasakura.com

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